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ADVANCE試験では厳格血糖コントロールでも心血管死は増えまへんっ!ACCORD試験との違いを見てみよかっ!?

advance試験
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ADVANCE試験では厳格血糖コントロールでも心血管死は増えまへんっ!ACCORD試験との違いを見てみよかっ!?

前回の記事,【HbA1cが7以上でもええの?】糖尿病治療の知識でACCORD試験の結果は知っておこう!ではACCORD試験について論文を読み,結果をかいて考察してみた。

ACCORD試験と時期を同じくして発表になったもう一つの最重要論文との位置付けがされているような気がするADVANCE試験。ホンマに最重要なのかどうかは知らんけど,なぁーんか興味沸いてけぇへんっ!?

目次

ADVANCE試験の概要と結果をひとまず知りたい方のためにダイジェスト版を提供しますわ

ADVANCE試験概要

2008年6月に発表された。

臨床試験の正式名称

The Action in Diabetes and Vascular Disease : Preterax and Diamicron Modified Release Controlled Evaluation (ADVANCE)

・・・うん,略し方はACCORD試験より圧倒的にゴリッゴリに強引やね。

論文の名称とPub-Med ID(PMID)

  • Intensive blood glucose control and vascular outcomes in patients with type 2 diabetes.
  • PMID:18539916

この論文の結論の簡易版まとめ

HbA1c≦6.5%を目標とする厳格な血糖管理によって主要な大血管イベントや微小血管イベントは有意に抑えられた。

これはなぜか?

主に腎症の発生がムッチャ抑えられたことによるものだったと考えられるとした臨床試験であーる☆

[/box]

ザックリ概要はつかめましたか?

ってなわけで,ADVANCE試験の論文の中身を読んでいきまぁ~す

ADVANCE試験の問題を定式化する

それでは,いつものとおり,問題の定式化からはじめていこかぁ~。

問題の定式化:PECO(PICO)を書いていくでッ!!

  • P: 11.140例の2型糖尿病患者(適格基準:30歳以上で2型糖尿病と診断され,研究開始時点で55歳以上。大血管または微小血管イベントの既往歴あり,または,血管疾患リスク因子を1つ以上持つ2型糖尿病患者)*この研究の治療に対して明確な適応者や禁忌対象者,または,研究開始時に明確に長期インスリン療法の適応者は除外基準とされた
  • E: 目標HbA1c6.5%以下の厳格な血糖コントロール群(5571例)は *SU剤のグリクラジドMR(放出抑制)錠30~120mg/日を投与して,他のSU剤は中止
  • C: 標準治療または現地の糖尿病治療ガイドラインに準拠した治療による血糖コントロール群(5569例)と比べて *グリクラジドMR錠はほかのSU剤に切り替えて治療する
  • O:  MACE(非致死性脳卒中・心血管死・非致死性心筋梗塞)および微小血管イベント(腎症または網膜症の新規発症または悪化)の発症は抑えられるのか??

けいしゅけ

今回のPECO(PICO)はこんな感じでどうやろか?

タコちゅけ

先生っ!!!MACEって何の略で,どういう意味でちゅか??

けいしゅけ

おっとゴメン!タコちゅけ,言葉が足りひんかったわ。

MACEっていうのは,Major Adverse Cardiovascular Eventsの略で,主要心血管イベントの事を指すで☆

論文ではやたらとよく出てくるから知っておいてもエエかも!!

タコちゅけ

了解でちゅ!

 

ADVANCE試験に関する論文のチェックポイント6項目を書き出すでッ!!!

 

  1. ランダム化されているか?➡ ランダム化されている 厳格血糖コントロール群(5571例),標準療法群(5569例)
  2. 1次アウトカムは明確か?(1つに限定されているか?)➡  複合アウトカムであり明確ではない
  3. 真のアウトカムか?➡ 真のアウトカムである
  4. 盲検化されているか?➡ オープンラベル
  5. 解析方法は?➡ ITT解析
  6. 追跡期間・状況は?➡ 追跡期間は中央値で5年間(2001年6月~2003年3月。2008年1月試験終了)

[/list]

けいしゅけ

今回の論文はACCORD試験と同じ時期に発表された双子論文ってかんじやねんけど,PECOがけっこう違うし,チェックポイントを見るとわかるけど,1次アウトカムは明確ではない。

とはいえ,ムッチャ重要な論文やから,結果はしっかりと読み取っていこうかなぁ。

ADVANCE試験に関する論文の結果を書き出すど~ッ!!!

ひとまず,論文の結果のグラフや表を示していこう

ADVANCE試験の結果の表やグラフ その1

ADVANCE試験の結果の表やグラフ その1

ADVANCE試験の結果の表やグラフ その2

ADVANCE試験の結果の表やグラフ その2

ADVANCE試験の結果の表やグラフ その3

ADVANCE試験の結果の表やグラフ その3

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa0802987#t=articleTop より引用

ADVANCE試験の結果の表やグラフ その1をみるとわかるけれど,

試験終了段階でのE群(厳格血糖コントロール群)のHbA1cは6.5%!!!!ACCORD試験よりムッチャ厳格コントロールされてるっ!(てかHbA1cが試験開始時から1%も下がっとるがなっ!)

それに対してC群(標準治療群)のHbA1cは7.3%

ADVANCE試験の結果の表やグラフ その3より,大事な結果の詳細を見ていこう

1次アウトカムは厳格な血糖コントロール群で優位に低いという結果

E群(厳格治療群 n=5571)では1009例(18.1%) に対し C群(標準治療群 n=5569)では1116例(20.0%) であり,

ハザード比は0.90(95%信頼区間 [ 0.82 - 0.98 ] , p=0.01)

NNT=527人

けいしゅけ

有意差ありとはいえ,こりゃあ微妙やなぁ。NNT527人かよ。

低血糖リスク負って527人に1人しかイベント発生を回避できへんってことやん。

う~ん・・・。

MACE発生リスクには有意差なし!

E群(厳格治療群 n=5571)では557例(10.0%) に対し C群(標準治療群 n=5569)では590例(10.6%) であり,

ハザード比は0.94(95%信頼区間 [ 0.84 - 1.06 ] , p=0.32)

けいしゅけ

有意差なしと出た!こりゃあACCORD試験とは異なる結果が出たね。

ACCORD試験で出た有意差は2次アウトカムで仮説生成型のものやったから,その意味ではADVANCE試験の結果の方が信頼度は高いのかなぁ?

って思ってみたりするが・・・。数値が絶妙過ぎてなんとも言えない。

微小血管イベントは厳格コントロール群でリスク低下の有意差あり!

E群(厳格治療群 n=5571)では526例(9.4%) に対し C群(標準治療群 n=5569)では605例(10.9%) であり,

ハザード比は0.86(95%信頼区間 [ 0.77 - 0.97 ] , p=0.01)

NNT=67人

けいしゅけ

有意差ありと出た!こりゃあオモロい。NNT=67人。

けっこう微小血管イベント抑制は厳格な血糖コントロールで成果を上げるようやなぁ。 

微小血管イベントの有意差の秘密は腎症の新規発症または悪化の抑制によるものやった

さきほどの結果の内訳をみるとやね,腎症の新規発症または悪化の低下アウトカムについてデータを見てみると興味深かったで!

E群(厳格治療群 n=5571)では230例(4.1%) に対し C群(標準治療群 n=5569)では292例(5.2%) であり,

ハザード比は0.79(95%信頼区間 [ 0.66 - 0.93 ] , p=0.006)

NNT=91人

ちなみに網膜症の新規発症または悪化の抑制には有意差はなかってんで!

さらに内訳をみていこか。

網膜症の新規発症または悪化の低下アウトカムについてデータを見てみると・・・

E群(厳格治療群 n=5571)では332例(6.0%) に対し C群(標準治療群 n=5569)では349例(6.3%) であり,

ハザード比は0.95(95%信頼区間 [ 0.82 - 1.10 ] , p=0.50)

けいしゅけ

腎症の新規発症または悪化の抑制に有意差ありと出たってことは興味深い結果やね。NNT=91人。

微小血管イベント抑制=腎症の新規発症または悪化の抑制で,厳格な血糖コントロールで腎臓を守れる可能性を示唆するって事なんかもね。 

けいしゅけの考察:論文の結果から得られた情報を吟味していくでッ!!!

ADVANCE試験論文もなっかなか骨太でおもろい結論やったように思える。

ADVANCE試験論文では厳格な血糖コントロールによってMACEリスクを抑制することはない事が示唆されている。

ってか,低血糖のリスクを負うということを考えると,あえてHbA1cを下げなあかん!!!!っと鼻息を荒くする必要はないんとちゃうかな?って感じや。

一方で,腎症を新規発症または悪化させるリスク低下のベネフィットが示唆されている点が興味深い点であるのは間違いない!

腎機能がちょっと下がってるんちゃうん?って患者さんに関しては血糖コントロールを気持ちしっかり目にする方が良い結果をもたらす期待感を感じさせてくれる。

ただ,腎機能が落ちると,腎臓の作用である糖新生パワー低下による低血糖リスクが上昇するのは病態生理学的なメカニズムとして存在するので,それを思うと

う~ん・・・HbA1c下げようぜ!は微妙ちゃう?

ってなるように感じる。

HbA1cを厳しくコントロールするメリットって・・・低血糖リスクを負うデメリットを上回るんやろうか?

っていう疑問に置き換わってしまうんよね。

ADVANCE試験論文ではこのように けいしゅけ は考えました!

今回のADVANCE試験に関する論文の結果は患者さんにどう適用できるやろか?

ってなわけで,個人的には,

「HbA1cを厳格にコントロールするより,低血糖リスクを気を付けようぜ!」

っていう考えが患者さんの予後にとってはいいのかなぁなんて思うので,無理にHbA1cを下げよう下げよう!って意識する患者さんに対して,それよりも低血糖は起こってない?低血糖を起こさへんのが大事やで!

ってアナウンスしようと思えたのでした。

けいしゅけ

今回の記事はいかがでしたか? アナタのお役に立てていれば幸いです!

もし良ければコメント欄から記事を読んだ感想や,ご意見,ご質問など寄せて下さい☆

待ってます!!

advance試験

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