サクッと理解!ループ系利尿薬ラシックス、ダイアート、ルプラックの使い分け

お正月三が日ラスト!

年明けは インフルエンザ患者さん がゴッソリ押し掛けるのでは?とビビってるけいしゅけです。

読むだけで基本バッチリ!利尿剤の種類・効果の分類まとめ☆ で基本的な利尿剤の使い分けは説明したね。

こんなやつね。

今日はループ系利尿薬の主要三品目ラシックスフロセミド)、ダイアートアゾセミド)、ルプラックトラセミド)の使い分けをサクッと理解しちゃいましょう!!

実はこの投稿を書くのは2回目!悲しいことに1回目のは消えてもた!!

気合で2度目を書いてます!

よっしゃ!!いっちょ、いや、にちょ?書いていくで!!!!

利尿薬の主役、ループ系利尿薬の主要3品目を押さえる!!

 

とりあえず一覧表を作ってみた。

まずわかっておきたいのは、ラシックスフロセミド)は短時間型であること。ほかの2品目ダイアートアゾセミド)、ルプラックトラセミド)は長時間作用型。

 

高血圧に適応があるのはラシックス(フロセミド)のみ!!

けっこう重要なのはコレやと思う。

血圧が高い場合に使うループ系利尿薬ラシックスフロセミド)一択やねん。

逆に、ダイアートアゾセミド)、ルプラックトラセミド)が出ている患者さんは心臓・肝臓・ 腎臓 どこかが弱っており浮腫が生じているとわかるんや。

ちなみに、ルプラック(トラセミド)にはうっ血性心不全による浮腫の適応がないねん。

理論的にはね。実臨床でそこまできっちり線引きはされてないやろうけど、基礎的な理解としてこの理論は大事なのでバッチリ押さえておきたい。

 

ラシックス(フロセミド)は使いやすい!

処方量がとにかく多いラシックスフロセミド)。

この理由は以下の通りや

  • 適応症が多い
  • 作用時間は短いけど、1日2回(朝・昼)の投与で持続時間はカバーできる
  • 利尿反応を判断するには短時間型のラシックスフロセミド)を使う。
  • 錠剤も散剤も注射もあるし、どこの病院にもあるのでドクターも使い慣れている

サクッとまとめるとこんな感じ。

見ただけでも、使いやすいやん!って感じやね。

 

ほんじゃ長時間作用型のダイアートとルプラック使わなくても・・・?

そう思えてくるものの、これは違う。

実は長時間型のループ系利尿薬にはエビデンスがあるねん。

 

短時間作用型ラシックス VS 長時間作用型ダイアート、ルプラック

実はラシックスフロセミド)とダイアートアゾセミド)の効果を比較したJ-MELODIC試験って言うのがあってね。

これによると、長時間型ループ系利尿薬ダイアートルプラック)の方が、複合アウトカム(死亡率や心不全による再入院率)をハザード比0.55、0.60、0.53で 有意差 があった。 p値0.03、0.048、0.04 だった。

ただし、単独エンドポイントを探ってみると、、、

  • 心血管死・・・HR:0.64(95%CI:0.24-1.64)👈有意差なし
  • うっ血性心不全による予期せぬ入院・・・HR:0.53(95%CI:0.30-0.96)👈有意差あり。ただし、入院というアウトカムは入院を判断するドクターのバイアスが入ってしまうので、正直微妙!

けいしゅけ

おっと、J-MELODIC試験じゃどうもアゾセミド(ダイアート)の良さは伝わってこないやんか。これやったらフロセミドでええで?

真のアウトカムの死亡率低下!とかがハッキリわかる論文はないのんか??

ってなわけで次に調べていったのが、文献

Comparative effects of long and short-acting loop diuretics on mortality in patients with chronic heart failure や!

アブストラクトだけやけど、情報を書き出すと次のようになる。

背景➡
短時間作用性フロセミド(ラシックス)と比較して、長時間作用型ループ利尿剤アゾセミド(ダイアート)が慢性心不全患者(CHF)の心交感神経活動(CSNA)を改善することを以前に報告した。しかし、死亡率への影響は確定していない。

方法➡
本研究は、左心室駆出率(LVEF)が低下したCHF患者において、アゾセミド(ダイアート)がフロセミド(ラシックス)と比較して123 I-メタラジオベンジルグアニジンシンチグラフィー所見が改善された以前に発表された研究のさらなる分析である。

入院を必要とする急性非代償性心不全の病歴により、CHF患者を特定した。

合計108人の患者を選択し、アポセミド(n  = 54)またはフロセミド(n  = 54)で治療した患者を比較するために傾向スコアマッチングを使用した

追跡期間は中央値で5.22年間であった。

結果➡
追跡期間の中央値5.22年間に、108人の患者のうち24人が心臓死事象を経験した。フロセミド治療による心臓死アウトカムの結果は次のようであった(p  = 0.034、ハザード比:2.624, 95%信頼区間1.074〜6.047)なお、多変量Cox回帰分析の結果、フロセミドによる治療は、心臓イベントの独立した予測因子であった。

Kaplan-Meier分析では、アゾセミド群の心臓死亡率はフロセミド群よりも有意に高かった(p  <0.05)。

けいしゅけ

よし来た!これでまぁまぁハッキリとアゾセミド(ダイアート)がフロセミド(ラシックス)よりも慢性心不全患者さんにとっては真のアウトカムとして死亡率を低下させるという結果が得られたんとちゃうかなぁ?

これらからわかる結論は、

「急性期は利尿反応が判断しやすい短時間作用型を使い、慢性期には長時間作用型を使う。」

これがループ系利尿薬の使い分けになる訳やね。

オススメ記事↓↓↓

この試験においてもp値が出てきているから、 「有意差」「p<0.05」薬の臨床試験欄で見る統計学用語の意味は? この以前投稿した記事は読むことをお勧めします!!

 

コラム☆ルプラックの処方をあんまり見ないんやけど?

これ、けっこうよく聞きます。

何故あんまり見ないのか?

たぶん使ってる医療機関ではガンガン使っているはず。

けどおそらく少数派。

この理由を追ってみると、おそらくやけど以下のような理由が浮かび上がってきた。

  • 今のところ ジェネリック が出ていないので在庫金額を考えるとダイアートアゾセミド)が優勢
  • 2005年の安全性情報でルプラックトラセミド)による肝機能障害、黄疸が報告された

こんな理由から経済面と安産面を考慮するとダイアートアゾセミド)が優勢になるんやと思うわ。

 

けどルプラック(トラセミド)にもいいところはめっちゃあるねんで!!!

かといってルプラックには良い面があって、個人的にはけっこうええやん!!と思っている。

  1. 経口投与によるバイオアベイラビリティが高い⇒効果が安定して得られる
  2. 抗アルドステロン作用を有しているので低カリウム血症のリスクが他のループ系利尿薬より低い

こんな魅力も兼ね備えているってことは知っておいてほしいかなぁ。

 

結論!急性期にはラシックス、慢性期にはダイアート!

そんな感じと言えるかな。かなりざっくりやけど。

間違えちゃいけないのは、適応症を基本に考えるって事かなぁ。

高血圧だけなら有無を言わさずラシックスフロセミド)が選択される。

慢性心不全においてのみ、ダイアート(アゾセミド)が優位性を持つって事ね。

カリウム値が低めの患者さんならルプラックトラセミド)も選択肢に急上昇する。

この3剤の使い分けはひとまずそんな感じで考えるといいと思うで☆

明日からの業務にちょっとこの記事のことを頭に浮かべながら処方箋を楽しんでみて下さいね♪

ではまた他の記事でお会いしましょう!!

けいしゅけ

今回の記事はいかがでしたか? アナタのお役に立てていれば幸いです!

もし良ければコメント欄から記事を読んだ感想や、ご意見、ご質問など寄せて下さい☆

待ってます!!

11 Comments

高橋望

利尿剤少しサンプル試供品で譲ってほしいです。久々なのでサンプル試供品で試したいです。

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けいしゅけ けいしゅけ

高橋望 様
コメントありがとうございます!
試供品ですか・・・処方箋薬の試供品は見たことがないかもです。
薬剤師にはたまに製剤見本をMRさんがくれることはありますが。
ループ利尿薬は尿酸値を上げるので、基本的に試のみはオススメできないものですよー☆

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高橋望

お返事ありがとうございます。 少しサンプルで良いのでお願いできませんか。

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りょーーーた

在宅医療の開業医です。
この記事はとても勉強になりました。
お恥ずかしながら、使い分けをあまり意識したことがありませんでした。
併用されている症例があって、??と思ったもので調べていて、本記事に辿り着きました。
ありがとうございました。

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のりまき

盲検化されていないデザインで入院という担当医の意向の影響を受けやすい項目だけに差の付いた結果はあまり信頼性が高い試験とはいえないでしょー

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けいしゅけ けいしゅけ

のりまき 様
コメントありがとうございます。仰る通りで、記事を書いた当初の知識不足が露呈していますね。
ご指摘いただいた事もあり、新たに
Comparative effects of long and short-acting loop diuretics on mortality in patients with chronic heart failure
こちらの論文結果も掲載することでエビデンスあり、かなぁという結論に持っていっております。

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