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サクッと理解!ループ系利尿薬ラシックス、ダイアート、ルプラックの使い分け

ループ系利尿薬ラシックス、ダイアート、ルプラックの使い分け

まいど!けいしゅけ(@keisyukeblog)です☆

他の人気記事に、読むだけで基本バッチリ!利尿剤の種類・効果の分類まとめ☆があります。

これで基本的な利尿剤の使い分けは説明していますので、良かったら読んでみてくださいね☆

大雑把に内容をお伝えすると、以下の通り。

こんな感じや。

けいしゅけ

今日はループ系利尿薬の主要三品目ラシックスフロセミド)、ダイアートアゾセミド)、ルプラックトラセミド)の使い分けをサクッと理解してまおっか!! 

タコちゅけ

よろしくお願いいたしまちゅ!!!

利尿薬の主役、ループ系利尿薬の主要3品目を押さえる!!

けいしゅけ

 利尿剤と言えばやっぱりループ系利尿薬やんね。フロセミド・トラセミド・アゾセミドの違いはバッチリかな?

タコちゅけ

う・・・。

トラセミドがあんまりわかってないでしゅ。

先生、良かったら教えてくれましゅか??

けいしゅけ

おっけーぃ☆

そんなわけで、とりあえず一覧表を作ってみたで☆

まずわかっておきたいのは、ラシックスフロセミド)は短時間型であること。

ほかの2品目ダイアートアゾセミド)、ルプラックトラセミド)は長時間作用型やねん。

これらは、治療薬マニュアルを参照したで☆

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高血圧に適応があるのはラシックス(フロセミド)のみ!!

けいしゅけ

 ココ、メッチャ重要やで~🎵

血圧が高い場合に使うループ系利尿薬ラシックスフロセミド)一択やねん。

逆に、ダイアートアゾセミド)、ルプラックトラセミド)が出ている患者さんは心臓・肝臓・ 腎臓 どこかが弱っており、浮腫が生じているってわかるんや。

ちなみに、ルプラック(トラセミド)にはうっ血性心不全による浮腫の適応がないねん、添付文書上は。

実臨床においては、もしかしたらきっちり線引きされていないケースもあるかもしれへん。けれど、基礎的な理解としてこの区別は重要や。バッチリ押さえておこか☆

ラシックス(フロセミド)は使いやすい!

処方量がとにかく多いラシックスフロセミド)。

この理由は以下の通りや

  • 適応症が多い
  • 作用時間は短いけど、1日2回(朝・昼)の投与で持続時間はカバーできる
  • 利尿反応を判断するには短時間型のラシックスフロセミド)を使う。
  • 錠剤も散剤も注射もあるし、どこの病院にもあるのでドクターも使い慣れている

サクッとまとめるとこんな感じ。

見ただけでも、使いやすいやん!って感じやね。

ほんじゃ長時間作用型のダイアートとルプラック使わなくても・・・?

そう思えてくるものの、これは違う。

実は長時間型のループ系利尿薬にはエビデンスがあるねん。

短時間作用型ラシックス VS 長時間作用型ダイアート、ルプラック

実はラシックスフロセミド)とダイアートアゾセミド)の効果を比較したJ-MELODIC試験って言うのがあってね。

これによると、長時間型ループ系利尿薬ダイアートルプラック)の方が、複合アウトカム(死亡率や心不全による再入院率)をハザード比0.55、0.60、0.53で 有意差 があった。 p値0.03、0.048、0.04 だった。

ただし、単独エンドポイントを探ってみると、、、

  • 心血管死・・・HR:0.64(95%CI:0.24-1.64)👈有意差なし
  • うっ血性心不全による予期せぬ入院・・・HR:0.53(95%CI:0.30-0.96)👈有意差あり。ただし、入院というアウトカムは入院を判断するドクターのバイアスが入ってしまうので、正直微妙!

けいしゅけ

おっと、J-MELODIC試験じゃどうもアゾセミド(ダイアート)の良さは伝わってこないやんか。これやったらフロセミドでええで?

真のアウトカムの死亡率低下!とかがハッキリわかる論文はないのんか??

ってなわけで次に調べていったのが、次の文献や!

Int J Cardiol. 2017 Oct 1;244:242-244. doi: 10.1016/j.ijcard.2017.06.010. Epub 2017 Jun 15.

Comparative effects of long and short-acting loop diuretics on mortality in patients with chronic heart failure.

PMID: 28645802 DOI: 10.1016/j.ijcard.2017.06.010

アブストラクトだけやけど、情報を書き出すと次のようになる。

背景

➡ 短時間作用性フロセミド(ラシックス)と比較して、長時間作用型ループ利尿剤アゾセミド(ダイアート)が慢性心不全患者(CHF)の心交感神経活動(CSNA)を改善することを以前に報告した。しかし、死亡率への影響は確定していない。

 

方法

➡ 本研究は、左心室駆出率(LVEF)が低下したCHF患者において、アゾセミド(ダイアート)がフロセミド(ラシックス)と比較して123 I-メタラジオベンジルグアニジンシンチグラフィー所見が改善された以前に発表された研究のさらなる分析である。

入院を必要とする急性非代償性心不全の病歴により、CHF患者を特定した。

合計108人の患者を選択し、アポセミド(n  = 54)またはフロセミド(n  = 54)で治療した患者を比較するために傾向スコアマッチングを使用した

追跡期間は中央値で5.22年間であった。

 

結果

➡ 追跡期間の中央値5.22年間で、108人の患者のうち24人が心臓死事象を経験した。フロセミド治療による心臓死アウトカムの結果は次のようであった(p  = 0.034、ハザード比:2.624, 95%信頼区間1.074〜6.047)なお、多変量Cox回帰分析の結果、フロセミドによる治療は、心臓イベントの独立した予測因子であった。

Kaplan-Meier分析では、アゾセミド群の心臓死亡率はフロセミド群よりも有意に高かった(p  <0.05)。

 

結論

➡ アゾセミドはフロセミドと比べて死亡率を下げる効果に優れると示唆される。(These findings indicate the superior effectiveness of azosemide in reducing mortality compared with furosemide.)

けいしゅけ

アゾセミド(ダイアート)がフロセミド(ラシックス)よりも慢性心不全患者さんにとって、死亡率を低下させるという結果が得られてるんやね。

これをもって絶対視することはできないかもしれへんけど、かなりエビデンスとしてはインパクトのあるものやなぁ。

これらからわかる結論は、

「急性期は利尿反応が判断しやすい短時間作用型を使い、慢性期には長時間作用型を使う。」

これがループ系利尿薬の使い分けになるようだ、ってことや。

オススメ記事↓↓↓

この試験においてもp値が出てきているから、 「有意差」「p<0.05」薬の臨床試験欄で見る統計学用語の意味は? この以前投稿した記事は読むことをお勧めします!!

ルプラック(トラセミド)の処方をあんまり見ないんやけど、なんで?

これ、けっこうよく聞きます。

何故あんまり見ないんやろか?

たぶん使ってる医療機関ではガンガン使っている…はず。

けどおそらく少数派。

この理由を追ってみると、以下のような理由が考えられたで。

  • 今のところ ジェネリック が出ていないので在庫金額を考えるとダイアートアゾセミド)が優勢
  • 2005年の安全性情報でルプラックトラセミド)による肝機能障害、黄疸が報告された

こんな理由から経済面と安産面を考慮するとダイアートアゾセミド)が優勢になるんやと思うわ。

2018/6/16追記

2018年6月15日にルプラック上のジェネリックのトラセミド錠が発売になっています。

しかし、やはり先発品の薬価はトラセミド>アゾセミドであり、作用時間や安全性情報の関係から考察してもアゾセミドが有意なのかなぁという印象があります。

ルプラック(トラセミド)にも良いところがあるねんで!!!

かといってルプラックには良い面があって、個人的にはけっこうええやん!!と思っている。

  1. 経口投与によるバイオアベイラビリティが高い⇒効果が安定して得られる
  2. 抗アルドステロン作用を有しているので低カリウム血症のリスクが他のループ系利尿薬より低い

こんな魅力も兼ね備えているってことは知っておいてほしいかなぁ。

結論!急性期にはラシックス、慢性期にはダイアート!

そんな感じと言えるかな。かなりざっくりやけど。

間違えちゃいけないのは、適応症を基本に考えるって事やなぁ。

  • 高血圧だけなら有無を言わさずラシックスフロセミド)が選択される
  • 慢性心不全においてのみ、ダイアート(アゾセミド)が優位性を持つ
  • カリウム値が低めの患者さんならルプラックトラセミド)も選択肢に入るかも

この3剤の使い分けは、ひとまずそんな感じで考えるとええんとちゃうかなぁ?

明日からの業務にちょっとこの記事のことを頭に浮かべながら処方箋を楽しんでみて下さいね♪

ちなみに、利尿薬は尿酸値を上げてしまう。ラシックスダイエットなんか絶対するな!

記事のラストに少しだけ。

詳しくは、痛風・高尿酸血症の病態生理を改めて勉強してみぃひん?を読んでいただくと、詳しく書いていますが、利尿薬は尿酸値を上げてしまいます。結果として、腎臓にダメージを与えてしまう事になりかねません。

「ラシックス」をキーワードにしてグーグル検索を見ると、やたらとダイエットにはラシックス!みたいな記事が上がってきますが、絶対にダメです。そもそも、痩せません。尿として出た水分の重さが見かけの体重減少になっているだけです。脂肪は燃焼されていませんし、水分を摂れば元に戻ります。

にもかかわらず、尿酸値が上がってしまい最悪の結果としては腎臓にダメージが残るのです。個人輸入は医薬品副作用被害救済制度で助けてもらえません。それだけのリスクがあって、利益は本当にないんです。

どうか、間違った情報によってお体に悪影響を被らないようにしてくださいね☆

タコちゅけ

自分の健康は自分で守らなくっちゃでちゅね!

最後に先生がやたらと説教臭くてごめんなさい。でも、本当に大切なことでしゅ。


今回の記事はここまでや☆

最後まで読んでくださってホンマおおきにっ!!お時間を使って読んでくださったことに心から感謝申し上げます!

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けいしゅけ

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もし良ければコメント欄から記事を読んだ感想や、ご意見、ご質問など寄せて下さい☆ 待ってます!!

11 Comments

高橋望

利尿剤少しサンプル試供品で譲ってほしいです。久々なのでサンプル試供品で試したいです。

返信する
けいしゅけ けいしゅけ

高橋望 様
コメントありがとうございます!
試供品ですか・・・処方箋薬の試供品は見たことがないかもです。
薬剤師にはたまに製剤見本をMRさんがくれることはありますが。
ループ利尿薬は尿酸値を上げるので、基本的に試のみはオススメできないものですよー☆

返信する
高橋望

お返事ありがとうございます。 少しサンプルで良いのでお願いできませんか。

返信する
りょーーーた

在宅医療の開業医です。
この記事はとても勉強になりました。
お恥ずかしながら、使い分けをあまり意識したことがありませんでした。
併用されている症例があって、??と思ったもので調べていて、本記事に辿り着きました。
ありがとうございました。

返信する
のりまき

盲検化されていないデザインで入院という担当医の意向の影響を受けやすい項目だけに差の付いた結果はあまり信頼性が高い試験とはいえないでしょー

返信する
けいしゅけ けいしゅけ

のりまき 様
コメントありがとうございます。仰る通りで、記事を書いた当初の知識不足が露呈していますね。
ご指摘いただいた事もあり、新たに
Comparative effects of long and short-acting loop diuretics on mortality in patients with chronic heart failure
こちらの論文結果も掲載することでエビデンスあり、かなぁという結論に持っていっております。

返信する

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