咳止めや痰切りを処方するにあたって、医者は何を考えて問診をして処方を決定しているんやろか?って気にならへん?その答えが、 ASAHI-N と p-know や!
これは薬剤師も知っておくほうが確実にエエで。投薬時にこのことが頭に入っていると効果的に会話ができて、医師へのフィードバックができるねん。在宅業務においてはドクターへの処方提案の根拠として話せるから、ぜひとも覚えたいところ。
ASAHI-N (旭ー日本と記憶するといい)と、
p-know ( I know the physical status )(physicalを知ると記憶するといい)
それではいってみよか~!!
もくじやで☆
ASAHI-N は病歴の聴き取り
病歴聴取において、聞くべきポイントの頭文字をとったものが、 ASAHI-N や。
A) ACE阻害薬内服の有無 ⇒ ACE阻害薬による咳の副作用を鑑別
S) smoking(現在喫煙・過去の喫煙)の有無 ⇒ 慢性気管支炎の鑑別
A) allergy(小児喘息、花粉症、アレルギー疾患の家族歴、薬剤アレルギー、住居・職業・ペット飼育など生活環境歴など)の有無 ⇒ 気管支喘息(咳喘息を含む)、アトピー咳嗽、喉頭アレルギーの鑑別
H) heartburn(胸やけ:QUEST問診票、Fスケール問診票)の有無 ⇒ 胃食道逆流による咳嗽の鑑別
*QUEST問診票やFスケール問診票というのは逆流性食道炎の判定に用いる問診票のことです。
I ) Infection(地域での感染症流行状況、職場・学校・家庭での感染症)の有無 ⇒ 感染症による咳嗽、かぜ症候群(感染)後咳嗽の鑑別
N) nasal abd paranasal sinus disease(鼻・副鼻腔疾患)の有無 ⇒ 鼻炎、副鼻腔炎による咳嗽、後鼻漏による咳嗽の鑑別
これらを順に聞いているわけやねん。たかが咳や痰だけれど、こうやってドクターって問診しているねんね。
薬剤師でも投薬時にこれらのどれに当てはまったが故の処方なのか?を考えながら患者さんと話をすると具体的な話ができそうやん?
p-know は身体所見の聴き取り
長引く咳嗽の鑑別診断に重要な身体所見が p-know ( I know the physical status )やねん。
P) postnasal drip(後鼻漏)の有無 ⇒ 副鼻腔炎による咳嗽 後鼻漏による咳嗽の鑑別
K) kyphosis(脊椎後弯症)の有無 ⇒ 胃食道逆流による咳嗽の鑑別
N) nasal voice(鼻声)の有無 ⇒ 鼻炎、副鼻腔炎による咳嗽の鑑別
O) obesity(肥満)の有無 ⇒ 胃食道逆流による咳嗽の鑑別
W) wheeze(喘鳴)の有無 ⇒ 気管支喘息(咳優位型喘息を含む)の鑑別
なるほどね、これらをドクターは視て・聴いていたわけやな。診察室で。
でもこれって薬剤師でもできるやんなぁ?知っているかどうかとちゃうの??
これもやっぱり外来なら投薬時に意識しておけばできるし、在宅業務でも医師やナースさんと話をする際にこれらの所見を自分は思うのだがどうだろう?と話し合うと論理的な話し合いになってエエと思わへん?
ちなみに診察の流れでは画像診断が最優先
そうは言っても、長引く咳。これを診察してもらう際にまず最優先になるのが画像診断の結果や。
これに異常がなければ、
- ASAHI-Nで病歴を問診
- p-knowで身体所見を問診
- それぞれの問診を総合して診断する
こういう流れになってるわけや。
画像診断でわかる10の病気
胸部X線診断および胸部CT検査によってわかることは以下の疾患や。
- 肺がん
- 気管、気管支腫瘍
- 肺結核
- 気管・気管支結核
- 気管支拡張症
- 副鼻腔気管支症候群
- サルコイドーシス
- 間質性肺炎
- COPD
- 気道異物
これらがわかるねん。言ってみれば重症例がわかるねん。
医者の問診・視診・聴診もバカにはできない
でもね、画像診断で異常(-)となってもASAHI-Nで病歴を聞き取り、p-knowから身体所見を聞き取った結果、細胞診をしてみよか!言うて、細胞診をしたら画像診断でわかる10の病気に挙げたものがわかることもあるねんで。
なので、やっぱり医者の問診や視診、聴診ってすごいねん。やっぱりそこは、プロやねんよ。医者は。
このレベルになると薬剤師は出しゃばられへんわ。せやけど、ASAHI-Nとp-knowは共有できる部分やから、何かしらの病気が疑わしいと感じた際には僕なら勇気をもって
「先生、生意気ながらちょっと気になることがあって。。」
って感じで一応、耳に入れるかなぁ。それで鑑別診断の検査をするってなったらお手柄やろ?
僕は家族を守りたくて薬剤師をやっているので、患者さんも家族と思って臨床に出ている。守れる命なら守りたいもん。なので診断のために必要だと思った勘や情報はドクターやナースに遠慮なく言っていこうというのがスタンスや。
おわりに
今回は咳嗽の診察における病歴聴取のASAHI-Nと身体所見をチェックするためのp-knowを紹介してきた。
面白かったやろ?これキッカケで、咳処方を見たら投薬の際に聴き取ったらええねん。意外な病気であることが効いているうちにわかってしもた!!なんてことに出会えるかもよ?こっちが聞かなかったら患者さんは自分からペラペラ全部話さへん。多くの場合はね。
そやから、こういった問診手順を覚えておくことって投薬時のコミュニケーションで患者さんの状態をチェックするためにも応用できるわけや。使ってみようや☆
いやぁ、たかが咳や痰の薬の勉強をしようと思たら、けっこう深くまでいけたもんやね。今後はサルコイドーシスだとか、病態生理学的なことも勉強していこうかなぁ。投稿にあげるまでは時間がかかりそうだけど。
きっと投稿しよう。誰かの役に立つ情報になるかもしれへんしね?頑張ります。
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