
まいどっ! けいしゅけ(@keisyukeblog)です☆



新米薬剤師のタコちゅけでちゅ☆
今回は『製剤量から成分量を算出する方法』について記事を書いていきます。というのは,薬局で散剤や水剤の薬用量をチェックする際に製剤量から成分量へと変換できない。できるけれどもあっている確証が持てないと言った人を少なからず見るからです。
薬を扱うプロとして,やはりこれはマズいと思うのですよ。自分の子供の薬を調整する前に目の前で薬剤師が「これって成分量だと〇mgやんね?計算合ってるよね?なんか計算分からへんねん。」なぁんて言ってたら不安でしかありません。
よってこの記事では『製剤量から成分量を算出する方法』に焦点を当てたいと思います。
それでは,本文へと進んでいきましょう☆どうぞよろしくお願いいたします。もし,疑問点やご指摘,記事にしてほしい!といったご要望があればコメント欄へ遠慮なく書いてくださいね☆
製剤量から成分量を算出する自信がないんです ➡ 濃度の定義から学ぼう!
濃度にはざっくり5種類があって,理解すべきは3種類



製剤量から成分量を算出するって…実は苦手でちゅ!!



タコちゅけ。散剤と水剤で書かれている”濃度”って厳密には異なるものだって知ってるやんね?



ええっ!?そんなこと改めて考えたことが無いでちゅ!!



ありゃま。ほな,改めてちょっと種類の違いを解説するわ。
濃度の種類 | 定義 |
---|---|
質量%濃度(w/w%) | 溶液(g)に溶質(g)が溶けている割合 例:散剤(g)で,主薬(g)が製剤粉末(g)に含まれる割合 |
体積%濃度(v/v%) | 溶液(mL)に溶質(mL)が溶けている割合 例:水剤(mL)で,主薬(mL)が製剤溶液(mL)に含まれる割合 |
質量 対 体積%濃度(w/v%) | 溶液(mL)に溶質(g)が溶けている割合 例:水剤(mL)で,主薬(g)が製剤溶液(mL)に含まれる割合 |
モル濃度(mol/L) | 溶液(L)に溶質(mol)が溶けている割合 |
質量モル濃度(mol/kg) | 溶液(kg)に溶質(mol)が溶けている割合 |
ちなみに,溶質が 個体 or 液体 の違いで体積%濃度(v/v%) もしくは質量対体積%濃度(w/v%)と違いが出るものの,正直言って溶質の状態なんて濃度計算するときに厳密に考えないので,ざっくりと質量パーセント濃度と体積パーセント濃度(質量 対 体積パーセント濃度)の違いが大別できていれば良いでしょう。
散剤は質量パーセント濃度だし,水剤は体積パーセント濃度を考えるわけだ!



タコちゅけ,表1の解説があれば,散剤と水剤で厳密には濃度の違いがあるってわかった?



散剤の場合は秤量するときに重さを量るので,質量パーセント濃度(w/w%)でちゅね。
水剤の場合は秤量するときに体積を量るので,体積パーセント濃度(v/v%)でしゅ。



そのとーり!!
実際に処方箋に書かれている薬の製剤量から成分量を出してみてよっ!
でも,処方せんに書かれている製剤量を成分量に変換するところを教えて欲しいんですよね?



でも,濃度の定義は理解できたものの,処方箋に書かれている製剤量を成分量に変換する計算をするイメージが付かなくて…。



ふむぅ…。ほな,ちょっと例を出して計算例を示してみるとしようか。
散剤の製剤量を成分量に変換するとき,こうやって計算してみよう!
処方内容は以下の通り。
RP.01
【般】L−カルボシステインシロップ用50% 1.08g
【般】アンブロキソール小児用顆粒1.5% 1.08g
1日3回 毎食後 5日分
※患児は体重18kgである
よくある処方だと思います。さて,カルボシステインとアンブロキソールの1日成分量と1回分成分量ってどのくらいでしょうか?



カルボシステインは50%濃度やから,1.08(g)の半分が成分。つまり0.54(g)が成分量でちゅ。g を mg に変換すると,0.54×1000=540(mg)でちゅ。これが1日量で,1回量は3で割るから540÷3=180(mg)でしゅ☆
続いてアンブロキソール…。1.5%かぁ。1.08(g)の1.5%というと…。えっと…。



なるほど,製剤に書かれている%の部分をそうやって扱ってるのね?
やっぱり,濃度を言語化するところで躓いている気がするわ。



え?こうやってみんな計算しているんじゃないんでちゅか!?



正直,どうやって計算してようと答えが確信もって出せるならなんでもええねん。けどね,タコちゅけのように濃度の数値が小さくなってくると計算がややこしくなっちゃう場合は次の方法を試してほしい。
製剤濃度(w/w%) × 処方されている製剤量(g)=成分量(mg)で計算する
例えば,L−カルボシステインシロップ用50%の”50%”って,1(g)=1000(mg)に 50/100 の比率をかけることで,1(g)あたりに含まれる製剤量の総量が以下のように求められるよね?(※製剤の外箱や本体にラベル記載がありますが,ひとまず,今回の記事では算出できることを目的とします。)
\( 1000\left( mg\right) \times \dfrac{50}{100}=500\left( mg\right) \)
∴カルボシステインシロップ用は製剤として500(mg/g)となっていることがわかる。
すると,処方されている製剤量を成分量に変換する数式は,以下のように言語化できる。
カルボシステインシロップ用50%は, 500(mg/g)に処方されている製剤量(g)を掛けることで比例計算される。
500(mg/g)× 処方製剤量〇 (g)= 処方成分量(mg)
ここまでくると,計算は簡単やね。
\(500\left( mg/g\right) \times 1.08\left( g\right) =540\left( mg\right)\) ∴1日成分量は540(mg)である
1日3回服用することから,1回服用量の成分量は
\(540\left( mg\right) \div 3=180\left( mg\right)\) ∴1回成分量は180(mg)である



タコちゅけ,どないやろか?



同じ答えが出ているんでちゅけど,なんていうか,道筋がはっきりしてまちゅね。



ほな,アンブロキソール小児用ドライシロップ1.5%の計算に行ってみよう!
アンブロキソール小児用ドライシロップ1.5%みたいな%が小さいものだって簡単♪



ええっと,アンブロキソール小児用ドライシロップ1.5%は1(g)=1000(mg/g)あたりに含まれる成分量を計算すると…。
\(1000\left( mg\right) \times \dfrac{1.5}{100}=15\left( mg\right)\)
∴アンブロキソール小児用ドライシロップ1.5%は15(mg/g)である。
1日製剤量が1.08(g)なので,15(mg/g)× 処方製剤量1.08 (g)= 処方成分量(mg)で求めればよい。



もろたっ!この計算,もろたでぇっ!



しゃべり方いつもと全然ちゃうし💦
\(15\left( \dfrac{mg}{g}\right) \times 1,08\left( g\right) =16,2\left( mg\right)\)
∴アンブロキソール小児用ドライシロップ1.5%の1日成分量は16.2(mg)となる。
また,1回成分量は1日3回服用であることから,
\(16.2\left( mg\right) \div 3=5.4\left( mg\right)\)
∴アンブロキソール小児用ドライシロップ1.5%の1回成分量は5.4(mg)となる。



できたでちゅ~!!



バッチリやね☆
水剤についても,散剤と同じように計算できます



改めて水剤の計算を書くと記事が長くなるので割愛しますが,水剤の場合は,体積パーセント濃度(v/v%)となっていることがポイントです。だからこそ,重さを量るのではなく,メートルグラスで体積(mL)を量っていけば良いんです!



スッキリ理解できまちゅ☆
参考文献一覧
- Giusti DL, Hayton WL. Dosage Regimen Adjustments in Renal Impairment. Drug Intelligence & Clinical Pharmacy. 1973;7(9):382-387. doi:10.1177/106002807300700902
- 腎不全と薬の使い方 じほう
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