調剤過誤を起こした薬剤師が再発防止策を作る為の3つの手順

調剤過誤を起こした薬剤師が対策を立てる3ステップ






薬剤師をしていると、ある日突然に発覚し、絶望的な気持ちにさせられることがある。

それが 調剤過誤 や。全身全霊で患者さんに謝罪を済ませたアナタ。これからやるべきことは何か?

再発防止策を考え、実行すること

であることは言うまでもない。

 調剤過誤とは? 用語説明や

調剤事故の中で、薬剤師の過失により起こったものを調剤過誤というねん。調剤した薬の取り違いだけやなしに、

  • 薬剤師の説明不足
  • 薬剤師の指導内容が間違っていた

という理由によって健康被害が発生した場合も、「薬剤師に過失がある」と考えられて「調剤過誤」と認定されるねん。

今回の記事では、あなたが再発防止策を立てるにあたって意識するべきポイントを具体的に書いていこうと思う。

STEP1 : ミスの原因を追求するために、調剤過誤までの経緯を処方箋入力者・調剤者・監査者・投薬者全員が言い訳や感情論抜きで淡々と書き出して共有する

まずは調剤過誤の原因を明らかにしなければならない。

ホンマにしんどい作業や。

過誤を起こした仲間が目の前で落ち込み、時に涙を流している場合、どうしてもかばってあげたい気持ちにもなる。

「私たちも悪かってん、そやから、その・・・。」そんな言葉が職場には響いているんやろうね。実体験においてもそうやったわ。

しかし、アナタやアナタの最も大切な人が調剤過誤の被害者であった場合に、そんな薬剤師同士の感情論を聞いて許せるだろうか?ここはハッキリとしなければならないんやけど、

被害者からしたら、

「あんた(薬剤師)の涙なんかどうでもいい。落ち込んで当たり前。落ち込めよ。

ってかさ、ミスの原因は何だったの?言い訳なんかしようもんなら許さんぞ。

今後同じことが起こらないように何をあんたらはするんや?

それを示してくれよ。その上で謝ってくれなきゃ、何一つ納得できないよ。」

そんな風に思ってるよ、被害者は。だって、処方箋をもって、薬のプロである薬剤師を信じて薬局で薬をもらっただけなのに、それが間違っていて健康被害が出てんだもん。

だからこそ、調剤過誤の原因を徹底的に追求する必要があるねん。

ミスの原因追及の為にするべき具体的な4つの手順

  1. 処方箋入力者・調剤者・監査者・投薬者それぞれが、原因と思われる要因や要素をすべて書き出す
  2. 処方箋入力者・調剤者・監査者・投薬者それぞれが、調剤過誤をした処方箋を調剤した時の手順をすべて書き出す
  3. それらを照らし合わせて、客観的にミスの原因が起こった要因である可能性のある手順に印をつけていく
  4. 最終的な今回の調剤過誤の原因をまとめ、データ化し、薬局内全員で共有する

処方箋入力者まで書く必要がないこともあるのかもしれないが、処方箋を受け取った時の薬局内の様子や患者さんが待っているスペースの当時の様子を一番記憶しているのは処方箋入力者である確率が高い。こうした客観的事実も書き出して、当時の状況を鮮明に全員が思い出すためにも処方箋入力者にも原因と思われる要因や要素を全て書き出してもらうのが有効やねん。

また、複数人が書いていくことで、言い訳や自己弁護からくる主観的な記載を除外していくことができる。

そして客観的かつ正確なミスの原因となった作業手順や作業環境の特定によって、適切な業務改善策・再発防止策が立てられる。

こうした手順を踏むことで、ほぼ間違いのない原因追及ができるはずや。

 

STEP2 : 業務改善策及び再発防止策を立て、作業手順や作業環境を改善する案を出す

STEP1が適切に実行できた場合に、STEP2は容易に浮き上がってくる場合がほとんどや。

なぜなら、原因に感情論や言い訳といった主観的な要因が含まれていないから。

逆を言えば、原因追及が甘い場合に次のような最低な対策案が報告書に上がることになる。

最低な再発防止策の例を3つほど挙げてみる

  1. 今後、忙しい時間でも落ち着いて、きちんと処方箋やお薬の種類や数を確認する。薬理効果を考える
  2. 患者さんがお急ぎだったとしても確認作業を怠らない
  3. 棚の位置を変えるなど、再発防止のためにやれることをやる

まぁとりあえず3つほど挙げたが、何がダメなのかわかりますか?

①の問題点:何一つ具体的な原因がわからない

「忙しい時間帯」が原因と考えるのであれば、原因は自分ではなく、忙しい環境のせいであると言っている。つまり、自分は悪くないと言っている。

また、「きちんと処方箋やお薬の種類や数を確認する。」「薬理効果を考える」などといった主観的な「注意をする」事は全く無意味だ。その「注意して行う事」ができないからミスをしたのだ。こんなものは対策でも何でもない。というより、理屈が何一つ通っていない。最低な対策案であり、調剤過誤の再発は避けられないのは明らかや。

②の問題点:他人のせいにしている

患者さんがお急ぎだったから私は間違えたのであって、あの時急かされなければミスは起こらなかった。という理屈の文やんね?これ。

「急かしてくる患者さんをゼロにする」なんてことができるんですか?

できませんよね?

はい、論外。っていう対策案の例でしたぁ。

③の問題点:一見、客観的に見えるのだが、原因がハッキリ示されておらず棚の位置を変えることが最善策なのか不明

これが一番多い例かもしれない。

この記事を読んでいる方はこの例のようにならぬよう注意してほしいねん。

対策案を書くときには、「原因は〇〇、そのため。△△という方法により再発防止に努めることが現段階で最善と思われる」

というように書くべきや。

対策案というものは基本的には組織であれば上司に提出する。それを読んだ上司が起こったミスの全容と、原因、そして現場が考えた最善の対策の3点を理解できる形式で書かれていなければ、報告書にはならんのよ。

つまり、③の対策案の報告は、報告を受ける他者に全く伝わらないという致命的な欠陥があるねん。

そしてそれゆえに、これを読んだ他者からのよりよい対策案の提案が出される可能性をつぶしてしまうねん。

 

STEP3 : 業務改善策及び再発防止策を上司など他者の目を通し、よりよい策がないか探る

STEP2で触れてしまっているので繰り返しになってしまうが、最後のSTEPとして、現場で考えたミスの原因~対策案までのすべてを記載したデータを上司などの他者に見てもらうことで、よりよい案が出される可能性を引き出す。

これによって、調剤過誤の原因追及から原因の特定、対策案の策定の一連作業が終了するねん。

あとはそれを実行するだけや。

 

まとめ

これが調剤過誤を起こしてしまったときにするべき3つのSTEPや。

これを参考にして、あってはならないけれど起こってしまった調剤過誤に対して、同じことが2度と起こらないように現段階での最善策を作り上げてほしい。

そして、それを作ることが今回の調剤過誤を起こした薬剤師を本質的に救う手立てになることだという事を忘れてはならないんじゃないかな?

  1. ミスの原因を追求するために、調剤過誤までの経緯を処方箋入力者・調剤者・監査者・投薬者全員が言い訳や感情論抜きで淡々と書き出して共有する
  2. 業務改善策及び再発防止策を立て、作業手順や作業環境を改善する案を出す
  3. 業務改善策及び再発防止策を上司など他者の目を通し、よりよい策がないか探る

この3つの手順を覚えておいてください。

けいしゅけ
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2 件のコメント

  • 被害者の方からすればたまったものではないという気持ちは十分理解しているつもりです、しかし、だからこそ、誠心誠意対応するために、悔しい悲しいという感情をしっかりと出し切る事も大事なんじゃないかと思います。一刻も早い納得のいく説明をしなくてはいけない。だけど、だからこそ、感情に左右される余地を少しでも無くすようにしなくてはいけないのではないかとそう思います。感情を否定せず、正しく活かす術はあるはずです。その感情は全て被害を受けた人に対する嘘偽りの無い思いに根ざすもののはずなので。すみません全くの素人ですが、思うところがあったものですから。

    • no name 様
      コメントありがとうございます。
      今回の記事では、ミスをした薬剤師が現場で改善策をチームとして考えていく際に、感情だけでもってミスした本人が落ち込んだりし、
      周囲がそれに感情でもって対応することによって客観的な改善策を得られないことに対する警鐘を鳴らしたものです。
      感情自体を否定するつもりは毛頭なく、気持ちを吐き出すことは改善策を出すのとは別に行えばいいと思います。
      ミスをしてしまった相手の患者さんに対する気持ちも本物でしょうし。
      しかし、それだけではダメですよね?泣いて詫びられて許した薬剤師が同じミスをもう一度あなたにしてきたらどう思いますか?
      ミスを繰り返さないために何もしなかったんですか?と僕なら思います。
      感情を尊ぶことは大事です。それを前提にして置いたうえで、ミスが繰り返されないためにも感情をいったん抜きにして徹底した原因追及と、
      それから業務の行い方を変えることによるミス防止策を打とうよ。そう言いたかったわけです。
      少し感情を脇において対策を立てていこうという主張の部分が強く表現されていたため、誤解を招いたかもしれませんが、
      気持ちと言うものを完全排除しているわけではないことをご理解いただければと思います。

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