オピオイド鎮痛薬について,持続痛へ用いるベース薬と突出痛に対応するためのレスキューそれぞれの使い方と組み合わせを知識としてまとめていくで☆
前回の記事では,がん性疼痛の種類や緩和治療について以下にリストアップした項目をまとめました。良かったら併せて読んでみてください。
- がん性疼痛の種類について
- 痛みの評価ツール➤NRS/VAS/VRS/FRS
- WHO方式がん疼痛治療法➤5つの基本原則/3段階除痛ラダー/ 3つの目標
- オピオイド薬のモルヒネ換算表


バッチグーや
[/ふきだし]
バッチらグーや
(ちょっと補足が必要やけども)
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加えるとすれば,ベース薬は定時に服用する(12時間持続製剤なら12時間ごと,24時間持続製剤なら24時間ごとや)ことで血中濃度を維持する。
レスキューの使い方は頓服使用やね☆オピオイドの速放製剤を用いる。まず内服薬の速放製剤に関する基礎知識を書くで。
用量はベースと同じ成分であれば1日量の1/6を設定するのが基本や。使用回数についても知っておこう。
「吐き気と強い眠気」が生じず「呼吸回数が10回/分以上」の場合,1時間の間隔をあければ1日に何回でも使用していい。レスキューを使う事は我慢する必要ないねん。
ただし,レスキューの回数が増えて行ったり鎮痛効果が不十分の場合,患者さんの状態によってオピオイド鎮痛薬のタイトレーション(増量)や鎮痛補助剤の必要性を考えていくんや。
持続皮下注の場合:
用量➤1時間量を使用
用法➤15~30分の間隔をあければ回数制限なし
フェンタニルROO製剤の場合:
用量➤アブストラル舌下錠®とイーフェンバッカル錠®で若干異なる。低用量で開始して無効時には30分後までに同量までの追加投与をする。追加投与を繰り返すなら1回投与量を調整。
アブストラル舌下錠®は2時間,イーフェンバッカル錠®は4時間の不応期があるので,この間に生じる突出痛に備えて他剤のレスキューを用意しておく。
用法➤アブストラル舌下錠®は2時間,イーフェンバッカル錠®は4時間あけて,1日4回までの制限あり
アンペック坐剤®の場合:
用量➤経口モルヒネ1日量×1/6×2/3を設定する
用法➤2時間の間隔をあけて1日3回まで
ベース薬と異なる成分のレスキューを用いる場合:
用量➤オピオイド等力価換算表を参考にして用量を設定する
用法➤使用する製剤に合わせた用法にて
オピオイド鎮痛薬は持続痛に対して,オピオイド鎮痛薬の徐放製剤(12時間ないし24時間,ものによっては72時間効果が持続するものがある。)を使用する。このオピオイド鎮痛薬をベースという。
一方で突出痛に対してはオピオイド速放製剤を用いる。基本的にはベースで用いるオピオイド鎮痛薬と同じ成分を使用する。(ちなみに,ベースとレスキューが同じ成分でなければいけないというわけではない。モルヒネ量換算で等力価であれば使用できる。)
レスキューの用量設定や用法に関しては剤型によって異なる(本文参照)。
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