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エリア長をやってると，毎年恒例で各店から「今年の新人薬剤師が使えない！」と言う声が上がってくるねん…。このようなセリフ，あなたの職場でも聞いたりせぇへん？
けどなぁ，実はこのコトバって今から40年くらい前から言われてたって知ってる？つまり，現在50代後半～60代前半くらいの方々が新人やったころにも言われていたっちゅうわけなんよね。
「新人薬剤師が使えない！」って言うけど，僕たち指導者薬剤師こそ成長できてへんだけなんちゃうの？
「使えない」って切り捨てずに，一緒に成長していく態度で僕たちも臨んでいきましょうよ☆
って話をします。
冒頭の会話を繰り返すわな。
「けいしゅけさんッ！！今年の新人薬剤師，ホンマに使えないんやけどッ！」とこめかみに「💢マーク」が付いてるのが想像できるテンションで，受話器から声が轟く。
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「だいたいね，何に対しても他人事のようやねんッ！なんなんあれ？混んでるのに積極的に動こうともしぃひん。『自分には関係おまへんで？』って感じやねん，どう思うッ！？・・・ったく，いつまでも学生気分なんかなぁ？もう社会人なんやし，お金をもらう側やねんからシッカリせぇっちゅうねん！！！あんなんで，一人前なんかになれんのかねぇ？？ああ～腹立つ💢」
僕の質問は食い気味にかき消され，機関銃のような新人薬剤師へのクレームがダダダダダーっ！と続く。
えーーーーーーーーっとぉ…（僕はカバンをゴソゴソ探り，一冊の本を出し，相手のプライベート携帯へLINEメッセージを打って送る。）
･･･つまり，特徴としてはこんな感じですか？
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メッセージを読み終えると同時にさらに大きめになった声が受話器に響き渡る。
「まさにそんな感じですっ！！！！！ど真ん中ですよっ！！！まったく，最近の若いもんは💢！！」
あ，そしたらそれね，その子が悪いとも言い切れませんよ？？だってね，40年前から同じことが言われてるんやもん☆
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「・・・え！？」
実は1978年10月に初版が出た『モラトリアム人間の時代 – 小此木 啓吾 (著)』に，次のような記述があるねん。
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けいしゅけこれが，著者が提唱した「モラトリアム人間」（猶予期間にある人間）という概念や。
悩ましい現実を知ってしもた…。目の前にいる彼・彼女は使えない以前に，自分が何者であるか？が確立できてないんやもの。
ほんだら，さっきの質問とその答えはちょっと本質が見えてない気がするねん…。
① 薬剤師として，なんの役にも立ってへん
② 職場に馴染もうって感じがしない
③ 仕事を教えてくださいッ！！っていうガツガツ質問してこない
④ 薬剤師・社会人として「自分が」患者さんに対して責任もつんだ！っていう当事者意識がない
ってことですか？
まさにそんな感じですっ！！まったく，最近の若いもんは💢！！
これは昔から新人が言われてきているセリフやった。質問した４つの事に対するいら立ちから出てしまうコトバ…。
けれども，モラトリアム人間という概念を知った上で見てみると感じ方が変わってくる気がするねん。
指導者側の教育アプローチ，というよりも人としての接し方を変えてみる必要があるのかもしれない
けれど，40年間も攻略できていないモラトリアム人間への教育アプローチ。一体どうしたら良いのだろうか？
これは完全に僕の私見なので，皆さんのご意見も頂戴できればと思います。
けいしゅけ彼らが何をしたいと思うのか？そして，実際にどう行動するつもりか？を繰り返し聞いては，その行動の結果をフィードバックしてアイデンティティー確立をアシストするのが建設的な気がするんですよね。
正味，時間かかるし，しんどい。けど，新人薬剤師は使えない！これやったら中途薬剤師を雇いたいわっ！っていうんじゃ短絡的すぎるし，指導者としても僕たちが成長できへん気がするわ。
「キミってこういうところが強みなんやね☆素敵やね！」とか，「ココは弱みかも知れへんから周りに協力を求める，声をかけることをしてみたらどうやろか？」って言い続ける･･･。存在承認と，行動承認。できない部分はご愛敬。
僕は，そんなアプローチを新人に実践しています。
正直に言うと，100％上手くいってるわけではありません。
『自分はココが得意やってわかったかもっ！』ってアイデンティティーの確立ができたのか，目の色が変わってメキメキ働く姿を見せるようになった新人薬剤師が僕の店舗にいます。
一方で，僕ではない別の指導者に付くことで個人在宅を獲得したりと輝きだす子も経験しました。
けいしゅけ入社後の店舗研修では評判として「使えない」と言われたスタッフが花咲くのは，すごく嬉しいので，僕はこうした承認アプローチを継続してみようと思っています。
そんなわけで，冒頭の電話の相手のように訴える指導者薬剤師に対して僕は次のように言うようにしています。
けいしゅけ『新人薬剤師が使えない』って，40年間前も世間の先輩薬剤師は言ってたそうですよ。新人は，自分を確立できてへんだけなんかも知れませんわ。まさにモラトリアム人間ってやつです。
ともかく，「新人薬剤師が使えない！」って切り捨てるのは，あまりにも短絡的な答えかも知れませんわ。それじゃ僕たち指導者側も成長できへん。ここはひとつ，指導者側がアプローチ方法を変化させるのはどうでっしゃろ？
40年間モラトリアム人間を攻略できなかった「これまでの指導者」を超える指導者に，僕たちがなっちゃいましょうよ☆
彼らのことを承認して，アイデンティティーを確立するお手伝いをするというか…。
先にも言った通り，『けいしゅけよ，お前はどうなんや？モラトリアム人間を攻略できたんかいな？』と言えば，答えはNOなんです。
すごく頑張るようになった子もいれば，他の指導者について輝く子もいました。中には手を尽くしても今の仕事の中にやりがいを見出せなかった子もいます。まだまだ僕には相手を丸ごと承認することができてないんやなぁって反省して落ち込んだりしてます。なので，電話の相手には素直に付け加えています。
なので，一緒に彼らの魅力を探って，承認して，フィードバックしていきましょう☆
ね？そうしましょ(●´ω｀●)
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