なんかお昼にカレーを食べていたら,
ふと,そういえばウコンが効かない!
とかいう記事がネットで出ていたことを思い出した。
健康食品「ウコン」(ターメリック)には薬効はないことが判明(GIGAZINE 2017年1月30日)
そうそう,コレコレ。
ホンマか!?ちょっと調べてみた。
ってか,元ネタの論文を読んだ。
すると,どうやら
「ウコンは効かない」
は誇大表現だと思えてきたので記事にしてみたで!
論文によるとウコンの成分,クルクミンは人体に吸収されにくい!
The Essential Medicinal Chemistry of Curcumin👈これが元ネタの論文や
読んでみた。
要旨をまとめてみる
[aside type=”normal”] 論文の要旨を書くでぇ🎵
ウコンの中の成分,クルクミン。
このクルクミンについて研究を行ったのはミネソタ州の研究者たち。
実はね,クルクミンは試験管の中では
- 抗がん作用
- アルツハイマーの治療
- 生殖能力増強
- 二日酔い
様々な作用を示してきたんやって。
つまり,
クルクミン自体には確かに薬理効果として,
素晴らしい効果が期待できた!
そやのに,ラットや人間に投与してみたところ・・・
全然効果が出ない
なんでや?
それを研究者たちが調べたところ,
クルクミンが人体やラットに吸収されてない
ってことがわかった。
人体には1日12gを服用させるという臨床試験を行った結果得られたのは,
- 特に副作用はみられなかった
- しかし,作用も見られなかった
- っていうか,ほとんどの人が血清中でクルクミンが見つからなかった
- つまり・・・吸収されてなかった!!!
ってことやってん!!
ラットに至っては投与量の1%くらいしか吸収されてなかったんやって。
実はね,薬もそうやけど,
吸収されて➡効果を発現させたい臓器に分布して
はじめて意味があんねん。
その第一歩の吸収が全くできないってことがわかりましたぁ!!
なので,今後は
どうやって体に吸収させることができるのか!?
これを調べて行かなければならないという事が分かった![/box]
【判明】ウコンもクルクミンも効果は否定されてない
そういうことがわかるよね。
ただし!
悲しいことに,
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とかは体に吸収されてないので,
ただオシッコに出てただけ。
って事はわかったわ。
ウコンの力の場合,クルクミンは30mgしか1本に含まれてないからね。
12g(12000mg)投与しても血液中に,
ほとんどクルクミンは存在しなかったんやもん。
ウコンの力は,力及ばず
ですわぁ。。。残念!!!
今後の研究に期待!吸収さえされれば,夢の薬も出るかもよ?
論文もそうしめくくっているけど,
どうやったら吸収されるのか?という研究がこれからのテーマになりそうやね。
吸収さえされれば,試験管内でのクルクミン作用は実証済みなんだからさ。
楽しみに,でも,気長に待つことにしましょうか。
以下,2017/02/06追記
なんと!吸収性改善アプローチはすでに結構行われている!
追加情報や。
実はクルクミンの吸収性の低さは10年前からわかってたっぽいわ。
- 2006年にクルクミンのバイオアベイラビリティー増加させる手法(大豆リン脂質との混合物を作成する簡易な手順を含む)が特許出願される。この手法を用いた場合,血漿中クルクミン濃度が,フリー体のクルクミンで約5倍,グルクロン酸抱合体では20倍増加しているとの報告がある(対照コントロールとしての等モル量の未製剤化クルクミンと比較すると,フリー体の場合,血漿中濃度が33.4 nM/6.5 nMとなり,グルクロン酸抱合体の場合,4420 nM/225 nMという実測値となった)。
- 2007年,クルクミンの高分子ナノ粒子を用いたカプセル化製剤(ナノクルクミン ”nanocurcumin”)が製剤化。この製剤は,フリー体(遊離体)のクルクミンに付き物の,難水性や低い生物学的利用率(バイオアベイラビリティー)といった欠点の多くを回避できる可能性が期待できる。しかしながら,このナノ粒子での実際のin vivoでの吸収はまだ示されていない。
- 2008年7月には前述のUCLAの神経学の研究者たちが,50回の臨床試験を重ねることで,脳内 (in vivo) で5 μM以上の濃度を得られる脂質化クルクミンの形成について結果を報告している。
- 2010年,食品用の高分子ナノミセルの封入システムにより,クルクミンの水への溶解性およびin vitroでの抗がん活性が向上することが示された。通常,風味等を封入する用途に用いられる疎水性の変性デンプンが,高分子ナノミセルを形成することが明らかになった。ただしバイオアベイラビリティーの比率の観点で見た,有効性の更なる証明には,in vivoでの追加試験が求められる。
日本でも,細粒化技術により生体への吸収性を改善したクルクミン製剤が開発されている。本製剤では血中濃度でのフリー体クルクミンでの約30倍の濃度増加を確認している。Wikipediaより引用
なるほど,そこそこやることはやっているんやね。
でも,in vivo(イン・ビボって読む。【性体内で】って意味)
での結果は出てないことがわかる。
クルクミン,どんだけ吸収されにくいねん!!って話やね。
ってか,クルクミンってどんな特徴を持つ化合物やの??
これも調べてみた。
クルクミンは光に弱い。水に溶けにくい。アルカリ条件で分解する。
どういうことか説明していくね。
●光に弱いって?
とりあえず,光を当てると,クルクミンという成分はぶっ壊れる。
つまり,薬にするなら絶対に光を遮らないといけないって事や。
うーん,扱いにくい!
●アルカリ条件で分解する
これがね,厄介やと僕は思った。
実は人の胃の中は皆さんご存知の通り胃酸があって酸性条件にあるねん。
でもね,胃を通り越して,栄養分や薬などの成分を吸収する小腸に行くまでの間,
十二指腸
があるねんけど,これが弱アルカリ性になってるねん。
つまり,胃を通り越したクルクミンちゃんは十二指腸で
バーン!!
と分解されちゃうんじゃないかと思うんだ。
そうすると,吸収させる製剤に求められる条件は・・・
- 光を遮るカプセルやコーティングが必要
- 酸性条件で溶けず,アルカリ条件でも溶けたらだめ。
- とにかく小腸でのみ溶けるようにする!
- かつ,クルクミンは吸収されやすいように加工されてなければならない
そうなりますわな。
2と3を満たす事ってね,たぶん無理やわ。
だから,結局・・・
経口投与は不可能!?
って思えるねん。
なら坐薬か?
体温で溶けるように設計。
遮光される坐薬・・・
見たことない!
なら注射か?
注射シリンジに入れる薬液が遮光状態・・・
現実的じゃない!!
けいしゅけ的に総括しますと・・・厳しい!
クルクミン,すんごいイイ成分やけど,
ホンマに扱いが難しすぎる。
製剤化するとなると凡人の僕にはまず投与方法が見つからない。
ホンマに頭のイイ研究者たちがすでに10年以上も戦っているのに活路が見いだせてない。
難攻不落の成分,クルクミン!
人類はコイツをモノにできるのか!?
ここまで記事を書いてくると,ホンマにいつかモノにしてみたいもんやなと思えてきたのでした。
おしまい
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