冬になると上がってきますね。電気代。あ,ちゃうちゃう。真面目に行くと決めてたのにっっ!!
冬になると上がってきますね。血圧。
そんなこの時期を見計らってやろうなぁ,薬価収載されましたな。ミカトリオ配合錠
な,名前が・・・・安易!!!!わかりやすいけどもっ!!!
そんなバカトリオ。じゃなくて,ミカトリオ配合錠について,けいしゅけが勝手に短評してまいりますよーーー☆
ミカトリオ配合錠の成分はどんな内容になってんの?販売開始となったら 薬価 はどうなる??1錠いくらすんの?ってか使い方っていうのかなぁ,その辺どうなるの?に答えつつ評論してまいりますですっっっ!!!
そもそも必要なのか?って個人的には思っていますが,まぁいっか。いってみようーーーー!!!
ミカトリオ配合錠の成分と成分量の内訳は?
はい,まずはこっからやんね?
【ミカトリオ配合錠】
- テルミサルタン80mg
- アムロジピン5mg
- ヒドロクロロチアジド12.5mg
この合剤になっております。
商品名でいうとって?ちょっとちょっとー,成分名でわかってよね!
といいつつ,ヒドロクロロチアジドってなんやっけ?と脇汗がにじむけいしゅけ。
頑張れけいしゅけ。頑張ります,けいしゅけ!
【ミカトリオ配合錠】
- ミカルディス錠80mg(ミカトリオっていうんやから「ミカルディス」は入るわ)
- ノルバスク錠5mg/アムロジン錠5mg
- ダイクロトライド錠25mg半錠分(ちなみにダイクロトライド錠は販売中止になっていてこの世にいません。)代わりに存在しているのが後発品のヒドロクロロチアジド錠12.5mg「トーワ」(旧名称はニュートライド錠です)
はい,わかりやすくなったー🎵ヒドロクロロチアジドって配合剤には良く含まれるよね。
ちなみにヒドロクロロチアジドは今まで含まれたものとして,
- プレミネント配合錠(ロサルタンと組み合わせ)
- エカード配合錠(カンデサルタンとの組み合わせ)
- コディオ配合錠(バルサルタンとの組み合わせ)
- ミコンビ(テルミサルタンとの組み合わせ)
がありました。
ちなみにヒドロクロロチアジドってあんまり意味ないって知ってた?
引用部分を示します
Messerli FH, Makani H, Bangalore S, et al. Hydrochlorothiazide is inappropriate for first-line antihypertensive therapy. European Meeting on Hypertension; June 12-16, 2009; Milan, Italy. Abstract LB1.3. 引用元☞ http://www.theheart.org/article/978957.do
引用を終了します。
わかりにくいでしょうから,解説します。HCTZ=ヒドロクロロチアジドです。
これとACE阻害薬やARB,βブロッカーやカルシウム拮抗薬の降圧効果を調べたところ,あんまり効かへんやん!ってなったって論文ですわ。
けいしゅけ的にはナトリックス(インダパミド)がなんで配合されないの?と思う
理由は以下の通り
引用部分を示します
利尿薬の降圧・代謝効果-HCTZ vs indapamide,chlorthalidonemeta-analysis
直接比較により,indapamideはchlorthalidoneと同様に一般的な処方量でHCTZより降圧効果が高いことが示され,代謝パラメータへの有害な作用は認められなかった。
Roush GC et al: Head-to-head comparisons of hydrochlorothiazide with indapamide and chlorthalidone: antihypertensive and metabolic effects. Hypertension. 2015; 65: 1041-6. PubMed引用元☞ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25733245?dopt=Abstract
引用を終了します。
引用部分を示します
サイアザイド系類似薬であるクロルタリドンの降圧効果がサイアザイド系降圧利尿薬であるヒドロクロロチアジドよりも強いことはすでにいくつか報告があるが,本メタ解析はそれを決定的に裏付ける成績を示している。クロルタリドンの心血管抑制効果は薬剤用量補正でも,降圧度補正でもヒドロクロロチアジドよりも有意に強いことが示されている。クロルタリドンを27人に5年間使用することで1件の心血管イベントを回避させることができる(NNT=27)。著者らはクロルタリドンの心血管予防効果は,降圧を超えたpleomorphic effectによるものかもしれないと結論付けている。
わが国では残念ながらクロルタリドンは発売中止になっており,ARBの配合剤に使用されている利尿薬はすべてヒドロクロロチアジドである。しかしわが国では類似薬としてクロルタリドンと同等の降圧効果と心血管イベント抑制効果が期待できるインダパミドが使用可能である。
引用元☞ http://circ.ebm-library.jp/metaanalysis/01-18.html引用を終了します。
つまり,サイアザイド系のヒドロクロロチアジドよりも,サイアザイド系類似薬の インダパミド の方が心血管抑制効果も降圧効果も高いのさ。
これ,すごーーーーーーーく重要な客観的事実やんね??なのに配合剤には入りまへん。
ムカつく。
ちなみにフルイトラン(トリクロルメチアジド)はエビデンスに乏しい(国産品ゆえに臨床試験が進んでないんやろね)ので初めから眼中にあらず。
ミカトリオって,なんか見たことある組み合わせなんよなぁと思ったアナタ。正解!
実はこの【ミカトリオ配合錠】
- テルミサルタン80mg
- アムロジピン5mg
- ヒドロクロロチアジド12.5mg
って組み合わせ。
①と②を組み合わせたのがミカムロやねん
そして,①と③を組み合わせたのがミコンビやねん!
こんな感じね。わかりやすっっっ!!!
てか,こうしてみると,ミカトリオって・・・いるんかな?ミカムロとミコンビの安易な合体やないか。。。
どうせだったらさ,インダパミドを配合してほしかったよね!目新しさ,欲しかったよ。マジで。いや,ホンマに。
エビデンスもないヒドロクロロロロロロロチアジドなんかいらん!「ロ」多い!
ちなみに処方するためには事前に,テルミサルタン80mg,アムロジピン5mg,ヒドロクロロチアジド12.5mgが処方されていないとだめ!という制限までついている!!!
もう,この制限が付いた時点でこの薬が処方されないのは決まったようなもんやねん。
ヒドロクロロチアジドは先ほど書いた通り,ヒドロクロロチアジド錠12.5mg「トーワ」としてしか処方されないため,ほぼ出ることはない。
となれば,ヒドロクロロチアジドを配合しているミコンビBPが処方されていて,かつ,アムロジピン5mgが処方されていないといけないのだ。これを満たしていないと・・・
保険が切られます!
なのでこの条件を満たしていないにもかかわらず,ミカトリオ配合錠が処方された場合には絶対に,ぜーーーーーったいに,疑義照会をしないといけないのよ。
・・・ねぇよ。
処方されねぇよ!!!
こんな薬いらねぇよ!!!!!
と,けいしゅけは思います。
ちなみに,この組み合わせ処方を満たさずに処方されてしまった例を近隣で見ております。みなさん,注意してください。
薬価はおいくらなのかしら?
ここ大事や。薬価 ですが,いくらなんでしょうか?
⇒ミカトリオ配合錠 1錠 174.80円でございます。
- ミカルディス錠80mgが1錠174.80円
- ノルバスク錠/アムロジン錠5mgが1錠11.1円
- ヒドロクロロチアジド錠12.5mg「トーワ」が1錠5.6円
- 合計191.5円
なので,ミカトリオにすることで,ノルバスク/アムロジン錠5mg+ヒドロクロロチアジド錠12.5mg「トーワ」の分だけ安くなるって事やね。(ミカルディス80mg1錠の値段と同じやから)
3剤が併用で出された場合と比べると,1日16.7円安くなる計算。30日分処方なら,501円安くなります。
3割負担で150円 , 1割負担で50円か
・・・なぁんだ,あんまり変わらんやないか!
医療経済の観点からも,あんまり必要ないんじゃないのか?この薬は。
蜃気楼だった,ってことにしないか?
ミカトリオ配合錠の用法・用量・基礎情報
用法・用量
1日1回1錠を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない
・・・わわわ,わかっとるわ!!!いきなり3剤併用なんか使うか!!!という心の叫びを禁じ得ない。
だが冷静に考えると注目したい一文やねんで?
つまり,いくら血圧が高い患者だからといっても,いきなりミカトリオの処方から始まることはあり得ないという事。
これは,ほかの合剤の降圧薬にも共通やで。
効能・効果
高血圧
(これも当たり前体操やな)
使い道は?
治療抵抗性高血圧症の患者さんで,ARB+Ca拮抗薬+利尿剤を飲んでいる方には使いやすい。
治療抵抗性高血圧の患者さんの朝の服用薬の数は10種類くらいまで膨らむことも少なくない。
それが配合錠にすることでわずかであるが減らすことができる。
薬局的にはどうか?
特に1包化をしている患者なら良いかもね。監査がし易いから。それだけやけど。
うーん,それくらいしか出て来ぉへん。。。褒めたい,この薬をほめてあげたい!
・・・・・やめた。
さぁ,まとめがてら,短評いってみよう
ハッキリ言っていらない薬
2016年9月28日製造承認許可がおり,同年,11月18日に薬価収載の運びとなったミカトリオ配合錠。
確かに高血圧患者は多い。そして,服薬アドヒアランスを考えれば,3剤服用中の患者さんにとっては1日1回1錠でいい。
というのは魅力的なのかもしれない。
しかし,必要ないと思う。理由は以下の3つ
理由① 用量調節しにくい!てか,無理
ミカムロやミコンビといった2剤の合剤は既に存在しており,それにオンする形で3剤目(成分として)を処方する。
処方医の立場から言えば間違いなく調節もしやすいし,降圧評価もできる。
効きすぎたと思えば3剤目を低用量にできるというメリットは無視してはいけないだろう。
イキナリ3剤が配合されていては減量したくなったら,1錠⇒2錠もしくは3錠に処方する薬剤の種類による服用錠数は増えてしまう。これは患者サイドからすれ減量した,とは思えない。
心理的なデメリットがあるわけだ。
理由② 配合されているヒドロクロロチアジドはエビデンスに乏しい
何よりけいしゅけが気に入らないのは,利尿剤として配合されているのがヒドロクロロチアジドだということ。
これなら,本当に既存のミコンビやミカムロを上手く運用すれば良いだけではないだろうか?
エビデンスレベルの低いものを新規発売薬として認めるのは,国の薬剤承認に関しての評価レベルが低い事の表れに思われてならない。
理由③ 医療費抑制効果が全くない言っていいレベルと考えられる
医療費抑制?薬剤料が膨張しているから抑えていこう?ミカトリオ配合錠なんか承認しておいて??
意味が分からない。
薬価から見てもわかるように,対して経済的に見て医療費抑制効果は見込めない。薬価のみならず,3剤併用が必要な高血圧患者は実は少ないことも挙げておきたい。
薬価の抑制効果(A)×対象患者(B)=実質の医療費抑制効果
であるから,今回のミカトリオ配合錠はAもBも数値が小さいのだ。
つまり,実質の医療費抑制効果は 無し と言えるレベルだろう。
処方側・患者側・医療費の支払基金側どこにもメリットが見当たらない
そうなんだ。
理由を3つ挙げたけれど,とりあえずメリットはない。
調剤薬局側としてのメリットはないのか?
もちろんメリットなどない。3剤配合だで??夏場は出ないっしょ?冬場に,調節しにくいからやっぱ処方やめよ。ってドクターが思ったら・・・。
はい,デッドストック出来上がり☆
確実に世の中の調剤薬局でよくやる社内不動品の移動リストにミカトリオ配合錠が挙がるのは目に見えている。
ってなわけで。
いらないね。
酷評になりました。てへ。
でも仕方ない。いらんもんは,いらんのや。もっと面白い薬でないかなぁ。。。
てことで,今回の記事はこれでおしまいっ!

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