この記事の要点まとめ
- ACE阻害薬・ARB・レニン阻害薬によって引き起こされる副作用,高カリウム血症は,カリウムを体の外に出すアルドステロンの分泌量が減るため➤図解します
- 図でACE阻害薬・ARB・レニン阻害薬の作用メカニズムを書きだす
まいど!けいしゅけ(@keisyukeblog)です☆
腎機能低下を起こしているわけでもないのに高カリウム血症を起こし,アーガメイトゼリーが処方された症例を経験しました。服用していた薬はメッチャシンプル。
- ミカルディス錠 20mg 1錠 朝食後
タコちゅけ,考察できることは何かな?
・・・全然わからないでちゅ
その表情はどういうことやねん?
それでは,ACE阻害薬・ARB・レニン阻害薬の服用によって起こる高カリウム血症の副作用の機序はなんなのか?をこれらの薬の作用メカニズムから解き明かしていきましょう!
ACE阻害薬・ARB・レニン阻害薬の作用点をチェック
ひとまず,ここらの降圧薬の作用点がわからなければ話にならへんから,けいしゅけがサラッと書いてみた作用点の図を載せます。
血圧が上がるメカニズムを理解しよう
血圧上昇のメカニズム
- レニンを起点として,アンジオテンシノゲンが絡んでアンジオテンシンⅠになる
- アンジオテンシン変換酵素(ACE)によってアンジオテンシンⅡになる
- アンジオテンシンⅡの作用により①血管の収縮が起こり末梢血管の抵抗が増す
- アンジオテンシンⅡの作用により②アルドステロンの分泌が促進され,Naの体内流入増加し,体液量が増加する
- 血圧が上がる
まずはココを知っておく。すると作用点がわかりやすくなってくるで☆
3つの作用点|①レニンに直接作用 ②アンギオテンシン変換酵素を阻害 ③アンギオテンシンⅡ受容体を阻害
ACE阻害薬・ARB・レニン阻害薬の作用点
- アンギオテンシン変換酵素を阻害する➡ACE阻害薬
- アンギオテンシンⅡ受容体を阻害する➡ARB
- レニンを直接阻害する➡レニン阻害薬
図を描けると単純な話やね。ただ,基本的なメカニズムやけど,忘れちゃうこともあると思うねん。そんな時のためにこの記事をブックマークでもしておいて,いつでも見られるようにしておくとええわ。
どう?タコちゅけは覚えてた??
て,てへ☆
忘れてたんやね…。カワイイから許しちゃうゾ💛
ACE阻害薬・ARB・レニン阻害薬の副作用,高カリウム血症のメカニズム
さて,それではなぜ高カリウム血症という副作用が起こるのか?を追求していこか🎵
レニン-アンジオテンシン系の昇圧メカニズムのなかでも,以下の記述が大事や。
アルドステロンの分泌が促進されることによってナトリウムが体の中に入ることによる体液量の増加 が起こる
ACE阻害薬・ARB・レニン阻害薬は,この昇圧メカニズムを抑制することによってアルドステロンの分泌を抑制します。
そっか!高カリウム血症のメカニズムを理解するには,ACE阻害薬・ARB・レニン阻害薬によって,アルドステロンの分泌が抑制される結果を理解すれば良いんでちゅね?
そのとーり!!
ほんじゃあアルドステロンが体内でどんな風に働いているのか?ここに焦点を当てていこう!
アルドステロンの体内での働きってどんなの?図解を用いて説明しまっせ~
ババンッ!!!
アルドステロンの働き
- 血管側の基底膜側に対してNa⁺, K⁺-ATPアーゼを活性化してNa⁺を血中へ再吸収し,K⁺を血中から尿細管側へ排泄する
- 腎臓に働きかけ,尿細管からNa⁺を再吸収して代わりにK⁺を排出する
要するに,アルドステロンの働きはカリウムを体の外へ排泄する事や!
これで解決☆ACE阻害薬・ARB・レニン阻害薬が高カリウム血症を引き起こすのは,アルドステロンの作用を抑えるからなのだっ!!
ここまでの流れでACE阻害薬・ARB・レニン阻害薬による副作用,高カリウム血症のメカニズムを理解する準備は完全に整ったで!
アルドステロン抑制による高K⁺血症メカニズム
- まず,ACE阻害薬・ARB・レニン阻害薬,すべての系統の薬剤で作用の結果としてアルドステロンの分泌を抑制する
- すると,Na⁺の再吸収が抑制されるために体液量が減り,血圧が下げられる
- しかし,同時にそれはK⁺の排出が抑制されることになることを意味する
- この結果,血中のカリウム濃度が上昇する方向に進んでしまうのだッ!!
これが,ACE阻害薬・ARB・レニン阻害薬による高カリウム血症の副作用が起こるメカニズムやねん
(スゴイでちゅ…。)く,悔しいでしゅけど,スッキリ理解できまちゅ。
どぅふ💛💛💛
腹立つーっ!!
ACE阻害薬・ARB・レニン阻害薬の副作用【高カリウム血症】が起こるメカニズムまとめ
本記事のまとめ
- レニン-アンギオテンシン系の血圧上昇メカニズムの図解
- ACE阻害薬・ARB・レニン阻害薬の作用として,共通して血管拡張とアルドステロン分泌抑制作用がある
- アルドステロンの分泌が抑制されることによって,カリウムが体の外に排出されるのが抑制される
- 結果として,高カリウム血症が引き起こされる
- *ACE阻害薬・ARB・レニン阻害薬を飲んだからと言って必ず高カリウム血症が起こるわけではない
今回の記事はここまでや☆
最後まで読んでくださってホンマおおきにっ!!お時間を使って読んでくださったことに心から感謝申し上げます!
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コメント一覧 (2件)
けいしゅけさん
いつも楽しく拝読させていただいております!!
私、4月から新人薬剤師となった大坪と申します。
いつも けいしゅけさんのブログで勉強させていただいております。
もうすぐ保険薬剤師登録が済んだところで、投薬がはじまります。
そこで、いざ投薬するときに しっかりとした指導ができるよう質問させていただきたいです。
まず、投薬前の監査について質問です。
監査は正確かつ迅速さが求められると思います。
最初は、正確さを重視でスピードを求めるのは無理かと思いますが、すこしでも慣れるコツや どういった点に気をつけて監査をおこなったら良いのかを知っているだけでも、成長の早さが変わってくると思うので その点を是非教えていただきたいです!!
また、そのためにどのような勉強をしたらいいのかも合わせて教えていただけたら とても嬉しいです。
そして投薬時ですが、たくさん処方されている患者さんに対して指導を行うことときに 優先順位はありますか?
少しでもはやく、頼られる薬剤師になれるよう 是非けいしゅけさんのご意見をきかせていただきたいです。
また、この間の高血圧薬のSEである、高K血症についてですが、この場合 どういった対処が必要ですか?
高血圧薬のせいなので ほっといてもいいのか、それとも 高血圧の用量を減らすのでしょうか?
初歩的な質問でお恥ずかしいですが、こちらも合わせて教えていただきたいです。
長文失礼いたしました。
大坪
大坪 様
コメントありがとうございますっ!
なるほど。非常に前向きに仕事に向かっておられますね。僕の主観的なものになりますが、投薬の流れや監査で注意する事について記事を書こうと思いますので、少々お待ち下さい☆
これからもたくさんの悩み事や相談したいことが出てくると思います。そんなときはコメント下さい!僕でよければ出来る限りの事を記事にしてサポート致します。
けいしゅけ