先日6月30日に39度の発熱を体験したので風邪に関する日米の治療法を比較してみた!最速で治す方法は「寝る事」やったで~!って話。
まさかまさかの夏風邪に倒れることになった上半期最終日。
おのれ~,風邪に倒れることになるとは情けないっ!こうなったら何かしらのエビデンスを探し出し,治った暁には情報提供したるっ!
・・・とまぁ体調不良の最中,こんなことを考える変人が けいしゅけ である。
7月1日の夕方になり,体温が37度台まで下がってきた。けいしゅけの瞳がキラリと光る。
(これは・・・・イケるっ!)調子に乗れるで,乗れるでこれは!!!
と,もぞもぞと布団から這い出してエビデンスを示すような論文を掘り出す作業をはじめた。宝石の掘削作業のようなもんや。
今回掘り出し,参考にした4つの文献
- 1) かぜとインフルエンザ | 健康の森 | 日本医師会
- 2) The Common Cold: What You Should Know Am Fam Physician. 2007 Feb 15;75(4):522. | American Family Physician
- 3) Common Cold (and Other Upper Respiratory Tract Infections) | Patient
- 4) Colds, Flu, and Other Respiratory Illnesses in Adults – When you need antibiotics—and when you don’t – | Choosing Wisely
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よっしゃ!書こう!と思ったとき細君が後ろに仁王立ちしておられる。
手には先端がキラリと光るものが。ナイフか?・・・そんなわけある訳なく体温計。(僕は熱でおかしくなっているのだ,すまぬ細君よ。)
無言でうなづき,測らせていただきました。(あまりにおもんない文章しか浮かばないことにテンション下がっているのできっと体温も・・・)
『 38.1 ℃ 』(上がってるやんけ!!!!!)
「ち,知恵熱やな,ちえねっ・・・寝ましゅ。」(あ,噛んだ。こんな時に天然ボケというやつは・・・)
7月1日,けいしゅけ,無事お布団に帰還。ブログ記述は明日に持ち越しや。細君,体を心配してくれてありがとう。愛しています。
平熱バンザーーーーーーイ
本日7月2日になり,平熱に戻った(こっそりカロナール服用中☆ムフフ)のでブログを書くで!
さて,昨日調べた論文から言えることがあるので早速書いていこう。
風邪をひいたとき,イチバンするべきことは寝ることや!病院に行く?早まるなコノヤロウっっっ!!!
まず,日本医師会の文献 1) に飛んで目を通したところ,まとめるとこう書いてあります。
- 下記を合わせてかぜ症候群と言う
- 風邪:鼻かぜと呼ばれる普通感冒と,のど風邪と呼ばれる咽頭炎がある。
- インフルエンザ:かぜよりも症状が重く伝染力も強い。
- 風邪は万病のもと・合併症に注意
昔から「かぜは万病のもと」といわれているように,軽く考えていると合併症にかかるおそれがある。
合併症の中でも気をつけたいのが肺炎で,インフルエンザのときには特に注意。高齢者や乳幼児,持病をお持ちの方は特に。 - 風邪の治療は対症療法
- 風邪をひいたら安静にして,睡眠を十分にとる。食事は水分が多くて消化のよいものを摂る。
- その上で,解熱剤や鎮咳薬と言った俗に言う風邪薬を飲む
とまぁこんな感じや。
ざっくりしているのが特徴。

ここで3つの疑問が生じてきたで
- 具体的に風邪をひいたときにどう行動したらよいのか?という行動指針が示されてないんとちゃうか?
- 風邪は万病のもとっていう割には,合併症として肺炎が紹介されてるだけ。『万病のもと』の根拠が見当たらへんのんですが?
- 風邪をひいたら安静にして睡眠を十分にとって,さらに薬を飲めって事?って印象がある。風邪薬を飲むのは必須なの??
この答えを探すために海外論文に手を出していくことになるのやった。
海外論文の明快回答『風邪を引いた場合,何もする必要はありません』
なんとも気持ちのいい回答を出しているのが,海外論文 2) や。論文タイトルを見りゃわかるわ。
The Commom Cold:What you should know ➡ 風邪:知っておくべきこと
・・・直球 (笑)
この直球なタイトル通り,内容もくっきりハッキリしているので紹介していこう(大雑把にまとめる)
- 風邪って何?
- 風邪とは:多くのウイルスによって引き起こされる一般的な病気。人に簡単にうつる。
- 風邪で重大な健康被害を起こすことは,ほとんどない:喫煙者,日和見感染者,肺に問題のある人は問題を引き起こすことがある。
- 風邪をひいたらどうしたらええのん?
- 基本的に何もせんでええねん : ほとんどの風邪は深刻な問題を引き起こさないから。
OTCでちょっと症状を緩和できるけど,小児や高齢者にはあんま良くないし,むしろ中には副作用を起こすものもあって飲む方が悪い事だってある。自分やその子供にとって最もいい薬は何か?は医者に効くべきや。
- 基本的に何もせんでええねん : ほとんどの風邪は深刻な問題を引き起こさないから。
- 風邪じゃない別の悪い病気かどうかの判別ってどこに注目したらええの?
- 普通の風邪よりも症状がひどい。もしくは10日以上経っても良くならない場合。
- 高熱
- 耳の痛みが悪化していく
- 頭痛または顔や目に痛みがある
- 首が硬い(硬直している)
- 息切れする
- 不眠または錯乱
- その他の悪化につながる基礎疾患を持っている(例:喘息などの肺疾患,感染症に対する防御反応に影響する疾患)
すんごくハッキリしてますやん!!
とにかく,基礎疾患もないし,風邪じゃない病気かもしれないチェック項目8つをチェックしてみて問題なければ・・・・
寝てなさい!寝てれば治るさ!
ってことですな。



メッチャハッキリしてるやん!
これっていいですやんね?
『風邪を引いたら,寝ろ。』
『病院に行くのは,呼吸器系疾患を持ってたり,8項目のチェック項目に該当する場合だけ!』
日本医師会のまとめを思い出すと・・・
「風邪は万病のもとっていいますやろ?なので,えーっと,ひとまずは安静にして寝といてみたらええんとちゃうかなぁ。あ,けど薬も飲んだらちょっと良くなるかもしれへんで?」
・・・・・いや,ちょっと何言ってるかわかりません💦
こういうね,結局どうしたらええのかハッキリせぇへんのんよりアメリカの論文の指針の方がずっと良い。レベルの違いを感じる。日本医師会,ガンバレ!と言いたくなる。
どこかの女性議員に「こんなんわかるかぁ!」「このハゲーーーーッ!!!!」とか言われないように・・・。
風邪にサプリメントやハーブなんか効きません!抗生物質,必要ないです!
最後に論文の 3) と 4) の内容も痛快だったのでまとめを載せたいと思う。
- 風邪をひいたときに,サプリメントやハーブ療法は有効ですか?
風邪を治したり予防するものがあるのか?といった多くの研究が行われてきているが,今のところ成功例は存在していない。次に示す5つの食品やサプリメント,ハーブ療法は推奨すべきと言う証拠がない(つまり,現在のところ効果はないと考えられる。)- ニンニク
- ビタミンC
- 亜鉛
- エキナセア
- 中国のハーブ療法
- 風邪に抗生物質は不要。なぜなら抗生物質は細菌を殺すがウイルスは殺せないから。
抗生物質は細菌によって引き起こされる感染症と戦うためのものであり,ウイルスを倒す能力はない。また,ほとんどの呼吸器感染症はウイルスによって引き起こされる。如何にウイルスによって引き起こされる病気を示す。- すべての風邪やインフルエンザ
- ほぼ全ての副鼻腔感染症
- ほとんどの気管支炎(咳かぜ)
- たいていののどの痛み,特に咳,鼻水,嗄声,口内炎
このように,ものの見事に日本でも大人気のニンニク,ビタミンC信仰をぶち壊してくれております。
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まさかの大好きなC1000タケダが・・・酸っぱいジュースであることが判明しました。冬場は活躍していたと思うのですが。残念です。
エキナセアというのは,ハーブです。サプリメントに含まれます。
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サプリメントについてはいつか記事を書きたいと思いますが,ホンマに無意味ですよね。
これにお金をかけるなら,ちょっといいオリーブオイルを使う方がいいです。これも後日記事にします。



ここではっきりしたことがあります。
民間療法・・・大体無意味!
やはり王道は『寝ること』にあるということがここでハッキリしました。
結論:風邪をひいたら,寝る。これが回復への近道や!
これが答えやね。まとめて書きますと,
- 風邪をひいたら,寝よう!これが一番の治療法である事は間違いない!
- 呼吸器系の持病や8項目のチェックに引っかからなければ病院に行く必要なし!
- 薬ですら飲まなくていい!
- サプリメント,ハーブ,無意味です!
- ついでにいうと誰かの念がこめられた水晶玉や水も不要・・・ただのゴミです。てか,買うたらアカン!
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コメント一覧 (3件)
いつも愛読させていただいています。ありがとうございます。逆に経口ステロイド単独と抗ヒスタミン併用の有無での比較は検討されていないのでしょうか。薬価の点、短期投与で副作用リスクが少ない点から。
下平秀夫 様
コメントありがとうございます。
Short term use of oral corticosteroids and related harms among adults in the United States: population based cohort study.
などの結果からすると、ステロイドを軸にする比較試験をする必要性があまりないように僕は思いました。
お返事ありがとうございます。蕁麻疹について〇〇の治療指針とかみますと、抗アレルギー剤が第一選択で、経口ステロイドについて言及されていませんね。セレスタミン6錠だと力価的にプレドニゾロン(ゾン)10mg換算なので、40mg/日とか、ごい紹介いただいた論文では20mg/日すぎると副作用リスク大とか。経口ステロイドで蕁麻疹にはもっと高用量が必要で、副作用リスクも高まる割には効果があまり期待できないのですね。ありがとうございました。これから調剤に・・・