ロキソニンテープ貼ってるときに,ロキソニン錠って飲んでもええのん??
素朴やけども,ムッチャ鋭い質問です。胃酸を抑える薬ってずっと飲んでてエエのん?と同じくらい疑問に感じてらっしゃる方が多いので,「薬剤師としてズバッと回答したいわぁ!」とおもい記事を書くことにしました。
ロキソニンテープとロキソニン錠剤は併用可能
ロキソニンテープ100mgを1枚貼った時に体に吸収されるロキソプロフェンの最高血中濃度は,ロキソニン錠を1錠飲んだ時のたった0.44%
ロキソニン錠60mgを1錠飲んだときに得られる最高血中濃度を,ロキソニンテープ100mgを体に貼って得ようとした場合に必要な枚数は227枚

結論はやっ!!



まずは結論を言わへんかったら,せっかく読んでくださった方に失礼やもん。
それでは,本文で
ロキソニンのシップ(ロキソニンテープ,ロキソニンパップ,ロキソニンゲルおよびそのジェネリック)使ってるんやけど,ロキソニン錠60mg(市販のロキソニンSも含む!ジェネリックも含めてや)飲んでもエエねん!!
という答えについて解説を書きます。



数値という根拠を以て説明したるっ
では,いってみよう!!
ロキソニンテープとロキソニン錠剤の併用は可能ですか?
冒頭で既に答えており,繰り返しになりますが敢えて書かせてください。
数値という根拠を以て説明したるっ



シップやパップ,ゲルといった外用薬のロキソニンを使っている状態で,ロキソニンの錠剤を飲んだとしても・・・問題ない!?根拠はなんでちゅか??



答えは,ロキソニン錠60mgやロキソニンテープ50mg/100mgの「インタビューフォーム」に書いてるで!!
ちなみに,インタビューフォームっちゅうのは,薬の詳しい説明書のことや。これを根拠資料として,併用が問題ないということを解説していこうと思うっ!!
ロキソニンテープ100mgを200枚貼らない限り,ロキソニン錠を1錠飲んだことにならない
ロキソニンテープ100mgというのは,ロキソプロフェンを炎症止めの成分とした肌色の薄いシップで,サイズは10cm×14cmや。
*ちなみに小さいサイズでロキソニンテープ50mgという商品もあって,こちらのサイズは7cm×10cm
ロキソニン錠60mgという錠剤の解熱鎮痛剤,これもロキソプロフェンやねん。
同じロキソプロフェンを使うって大丈夫なんやろか?って思いますよね。胃に負担がかかったりするんちゃうのん?って。
ロキソニン錠60mgを1錠飲んだときに体に吸収されるロキソプロフェンの量は 5.04±0.27 μg/mL
ロキソニンテープ100mgを貼った時,体に吸収されるロキソプロフェンの量は 22.3 ng/mL
1μg=1000ng
つまり,ロキソニン錠を1錠飲んだときに体に含まれるロキソプロフェンの量は,ロキソニンテープ100mgを200枚貼ってようやく達成できるのです!



に,200枚でちゅか!?



うん☆もしも体に貼れたとしても,貼り終わった時の姿は『ミイラ』やな(笑)
シップなどの外用薬は飲み薬ほど体の中,つまり血液の中に成分が入っていかへん
ほんじゃ,データを用いて結論を解説していくわ☆
ロキソニンテープもロキソニンパップもロキソニンゲルも全部一緒で,外用薬はロキソニン錠を飲んだ時のように血液中に成分のロキソプロフェンが入って行かへんねん。
ロキソプロフェンが内服に比べて,外用薬で体の中に入らないという根拠資料
まずはロキソニン錠60mg(👈飲み薬)


ロキソニン錠60mgを飲んだ時,ロキソニン錠の成分であるロキソプロフェンNaが最高で5.04±0.27(μg/mL)の濃度で血液の中に存在したというデータが上のグラフや。
次にロキソニンテープ50mg/100mg(👈貼り薬)


このデータは,健康な成人にロキソニンテープ100mgっていう大きいシップを4枚貼った時の血中濃度を示してます。
1枚とちゃうで?4枚貼った時の体の中のロキソプロフェンNaの血液中の濃度を調べたデータですねん♬
その数値とは・・・最高89.2(ng/mL) ですわ。ロキソニンテープ100mg1枚やったら,22.3(ng/mL)ってことになりますわな。
【単位の違いに注目】1μg=1000ngやから,単位を合わせて比較してみると・・・スッキリ!!
- g (グラム) の1/1000が mg (ミリグラム)
- mg (ミリグラム) の1/1000が μg (マイクログラム)
- μg (マイクログラム)の1/1000がng (ナノグラム)
ロキソニン錠60mgの場合の血中濃度の単位は μg (マイクログラム)でした。
1μg は1gの1/1000,000 のことや。
ロキソニンテープ・パップの場合の血中濃度の単位は ng (ナノグラム) でした。
1ngは1gの1/1000,000,000 を意味するねん。
つまり,1μg=1000ng
ロキソニンテープ・パップの場合の最高濃度は89.2(ng/mL)やったので,μg/mLに換算すると0.0892(μg/mL)ってことになル。ちなみにロキソニン錠60mgの最高血中濃度は5.04±0.27(μg/mL)でした。
いちおう,比較表を示すわ。
錠剤のロキソニン と ロキソニンテープ100mg 最高血中濃度比較 | ||
ロキソニン錠60mg | ロキソニンテープ100mg | |
最高血中濃度 | 5.04±0.27µg/mL | 22.3ng/mL=0.0223µg/mL |
体に入る成分量(AUC) | 6.70±0.26 µg・hr/mL | 2.6405±0.852 ng・hr/mL=0.0026405±0.000852µg・hr/mL |
ちょっとずつ見えてきますよね?
ロキソニンテープ100mgを1枚貼って吸収されるロキソプロフェンの最高血中濃度,0.0223(μg/mL)は,錠剤のロキソニン錠60mgの最高血中濃度5.04±0.27(μg/mL)のたった0.44%や!!(0.0223÷5.04×100=0.442460317の計算結果より)



ロキソプロフェンという成分は悲しいくらいに体に入らへんわけや。ロキソニンテープ100mgを貼っただけじゃ。
ちなみにロキソニンテープ100gmを体にペタペタ貼って,ロキソニン錠60mgと同じ最高血中濃度まで行こう思たら,1/0.0044≒227枚になるっちゅうわけよ。
これが,ロキソニンテープとロキソニン錠を併用しても問題ない!と言った根拠の解説でした。



なるほどでちゅ☆
まとめ:ロキソニンの湿布を貼りつつロキソニン錠は,飲んでいい!
こういう結果になりました☆いやぁ,明快でしたね。
ロキソニンテープとロキソニンの錠剤は併用可能である
なぜなら,ロキソニンテープ100mgを1枚貼った時に体に吸収されるロキソプロフェンの最高血中濃度は,ロキソニン錠を1錠飲んだ時のたった0.44%にしか到達しないから
ちなみに,ロキソニン錠60mgを1錠飲んだときに得られる最高血中濃度を,ロキソニンテープ100mgを体に貼って得ようとした場合に必要な枚数は227枚
ゆえに,併用しても胃が荒れるといった心配はない!!
今日の話はここまで!面白かった??
今回の記事はここまでや☆
最後まで読んでくださってホンマおおきにっ!!お時間を使って読んでくださったことに心から感謝申し上げます!
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コメント一覧 (4件)
初めまして!
ロキソニンテープを貼っていて、さらにロキソニンを服用をしていいのか調べていたら、たどり着きました!
めちゃくちゃ分かりやすくて本当に助かりました。
その他にも知りたい事がありそうなのでブックマークと友人にも紹介させて頂きました。
これからも面白くてためになる記事を楽しみにしております!!
鈴木ワークス様
コメントを頂戴し、ホンマに嬉しいです(●´ω`●)シアワセ
この嬉しさが記事を書くエネルギーになりますっ!!ありがとうございます☆
今後もお役に立てる情報が発信できれば幸いです
初めて読ませて頂きました。
文章の書き方も理論的で分かりやすく感動いたしました。
すっごい具体的かつ化学的で分かりやすかったです
今歯痛で顔が腫れていて湿布貼ったんですが飲んでいいのか調べたらたどり着きました
ほんと 助かりました ありがとうございました!