毎年インフルエンザが流行る季節を目前とすると会話に出てきますよね?
「なぁ,もうワクチン打ったん??オレまだやねん。」
こんなやつです。毎年誰かが言っているのも含めると10回は聞く会話ですわ(笑)
インフルエンザの症状って激しいものなので,やっぱり気になりますよ。できれば罹りたくないし。
わかります。その証拠に薬局業務で,お薬を患者さんに渡す際に,
「インフルエンザワクチンて,2回打ってもらわなあかんの?」
「子供は2回打たなあきませんよね?」
そういった質問を良く受ける。
そんなとき,けいしゅけはハッキリ言う。
3歳以上なら1回で充分!てか2回打ってもあんま意味ないっす!去年打ってないって?関係ないっす☆
これは間違いない情報だと僕は確信している。
その理由はインフルエンザワクチンの添付文書を見れば載っているんだけど,意外と薬剤師さんで知らん人が多い。
なので記事にしたいと思います!
2回目のワクチン接種費用はおいしいご飯でも食べておくれやす☆
インフルエンザワクチンを2回打たないといけないのは3歳未満!
この情報,知ってる?
ってか,ワクチンの添付文書ってネットで調べたら出てくるんやで??
そんなわけで,添付文書を載せておこう。これが見出しの根拠じゃーーー!!!
これは北里第一三共ワクチン株式会社の添付文書資料だ。
一番右の中和抗体陽転率に注目や!
中和抗体陽転率とは?
⇒各ワクチン株に対する抗体価が 40以上かつ接種前の抗体価からの4 倍以上の上昇を示した被験者割合
砕いて言うとね,ちゃんとワクチンを打ったことによってインフルエンザウイルスに対して免疫をゲットしてる状態になる割合って考えたらいいねん。
3歳未満と3歳以上で中和抗体陽転率の上昇率が,どえらい違うことに注目や!!
3歳未満では,中和抗体陽転率が2回の接種で1回だけの接種に比べて平均40%以上も免疫をゲットできていることがわかるよね!
それに対して,3歳以上になるとどうか?
ぬおっ!平均して5%程度しか免疫ゲット率が上昇してねぇ!!!
つまり,あんま意味ない。
ってことだ。
よって,3歳未満なら2回接種がいいけれど,3歳以上は1回で良いということです。
けいしゅけ,1回だけの接種でいいと主張します!理由は3つ
理由① 繰り返すが,添付文書で免疫ゲット率が2回接種で上昇しとらんから
ある記事によると,
2回目の接種をすることで免疫ゲット効果のブースト作用が現れ,
免疫バリバリマンになれる!との記載があった。
読んでいるとなるほど。って思うんよ。
添付文書にも用法には1~4週間の間隔を空けて2回接種する事。
とある。
でも,2回接種してもデータを読んだら免疫ゲット率上がってないっすよね?
あと,免疫維持効果についても明確なデータが示されてない。
つまり,2回接種することのメリットって科学的根拠として書かれてないんですよ。
厚生労働省のページには13歳以上は1回接種でOKと書いている。けど3~12歳が2回接種するべき理由は明記されてない。
こうしたことから,根拠もハッキリしないんなら免疫ゲット率も上がらないんやし,1回接種で充分なんじゃないか?って主張になるわけ。
理由② そもそもワクチンは感染予防効果がないから
厚労省から引用しよう。
Q.18: ワクチンの接種を受けたのに,インフルエンザにかかったことがあるのですが,ワクチンは効果があるのですか?
インフルエンザにかかる時はインフルエンザウイルスが口や鼻から体の中に入ってくることから始まります。
体の中に入ったウイルスは次に細胞に侵入して増殖します。
この状態を「感染」といいますが,ワクチンはこれを完全に抑える働きはありません。
ウイルスが増えると,数日の潜伏期間を経て,発熱やのどの痛み等のインフルエンザの症状が起こります。
この状態を「発症」といいます。
ワクチンには,この発症を抑える効果が一定程度認められています。
発症後,多くの方は1週間程度で回復しますが,中には肺炎や脳症等の重い合併症が現れ,入院治療を必要とする方や死亡される方もいます。
これをインフルエンザの「重症化」といいます。
特に基礎疾患のある方や御高齢の方では重症化する可能性が高いと考えられています。
ワクチンの最も大きな効果は,この重症化を予防する効果です。
※平成11年度 厚生労働科学研究費補助金 新興・再興感染症研究事業「インフルエンザワクチンの効果に関する研究(主任研究者:神谷齊(国立療養所三重病院))」の報告では,65歳以上の老人福祉施設・病院に入所している高齢者については34~55%の発病を阻止し,82%の死亡を阻止する効果があったとされています。
以上のように,インフルエンザワクチンは,接種すればインフルエンザに絶対にかからない,というものではありませんが,ある程度の発病を阻止する効果があり,また,たとえかかっても症状が重くなることを阻止する効果があります。
ただし,この効果も100%ではないことに御留意ください。
どうですか?
2回接種したところで,別に感染する確率が減るわけではないんですよ。
罹って感染してしまうかどうかは,ワクチンを接種したかどうかとは別問題やねん!!!!
これ,大事。
ココ,勘違いしている人多数。
つまりやね,ワクチン接種で免疫バリバリになっておいても,感染はするのよ。
あとは重症化を防げる可能性がある!ってだけの話なわけよ。
そやから,気管支ぜんそくや,心臓病など呼吸器・循環器系の基礎疾患がある方を除いて,
(過去に接種歴があって1回の接種で十分な場合は)
3歳以上ならワクチンの複数回接種って,,,あんま意味ない!
そういう結論に達しますな。
理由③ インフルエンザウイルスって変異しますけど?ワクチンのヒット率・・・低いんですわ!
インフルエンザウイルスの変異のメカニズムを先日詳細に説明しましたよね?
そうなんすよ!A型インフルエンザ・・・144種類あるんです。
この中で今年はこれやーーーーー!!!!!!って予想して作るのがワクチンなわけやん??
え?型が当たる確率・・・・低くね??
ちなみにシーズン中もメカニズムで説明した通り,ウイルスは変異します。
なのでワクチンの2回接種ってホンマに微妙すぎるねん。1回で充分やって。ほんまに。
そんなわけで結論!ワクチン接種は3歳以上で1回でエエねん!!
ここまでで,けいしゅけの主張の理由と根拠を述べてきました。
ワクチンは有益なものです。人類にとって大切なものであることは間違いないんです。
でもね,インフルエンザワクチンに関してはよ?
ちょっと商業的になってねぇかい?っと思うわけです。
ワクチンビジネスですわ。これは。
だって型も当たるかわからへんし,打っていても感染確率は落ちるわけでもないんやで?
重症化は防げるけれど,それはハイリスク群が気にするべきこと。
3歳未満の免疫が未熟な赤ちゃんや基礎疾患のある方が2回打てばええんとちゃうんかな?
元気な健常成人は1回接種 & 自費でタミフルの予防投与処方を出してもらっとくのが有効な手なんじゃないかなぁ?
ともかく,インフルエンザやインフルエンザウイルス,そのワクチンについて知識を得れば得るほどに,2回接種って無意味な気がするけいしゅけなのだった。。。
むしろ,重症化を防ぐ意味においても,重症化しやすい人に感染を拡大させないためにも接種は受けるべきだと僕は思っています。

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コメント一覧 (4件)
マジっすか(゚д゚)!これは勉強になりました。毎年二回打ってましたわ~。
こんばんは、るるーしゅと申します。
とても勉強になり、考えさせられる記事でした。ありがとうございます。
すこし気になった点があったのでご質問いたします。
ただ私、ワクチン関連(に限らず他もダメですが…)さっぱりなので的外れな内容になるかもしれませんがご容赦下さい。
まず根拠①の添付文書なのですが、この対象者たちの過去のインフルエンザワクチン接種歴ってどうなんですかね?わたしはインフルエンザワクチンは接種に関してはCDCのサイトを参考にすることが多いのですが、それによると6カ月~8歳の子どもは過去に2回接種歴があれば、1回でいいよ~と言っています。
なので根拠①の添付文書の対象者もそこがけっこう重要だったりするのかなと思いました。
次に根拠②の感染は防げない=ワクチンうっても罹ってしまうかは別という表現についてですが、罹ってしまうというのはどういった意味で使われていますか?
インフルエンザワクチン打っていて重要なことはインフルエンザウイルスに感染したかどうかではなくインフルエンザ様症状がでないことなのかなと個人的には思います。
タイトルは3歳以上は1回でいいという趣旨なのですが、根拠②、③、あとワクチンビジネス、タミフル自費といったところから、読者がそもそも打たなくてもいいのではないかと誤解しないか心配で書かせていただきました。不快なことがあったら申し訳ございません。
るるーしゅ 様
コメントをお寄せいただいた事にまず、御礼申し上げます。本当にうれしいです。ありがとうございます!
さて、ご質問に回答していきます。(正直に言います。僕自身が勉強不足ですのでガッカリさせてしまう可能性があることをお詫びします。)
Q.この対象者たちの過去のインフルエンザワクチン接種歴ってどうなんですかね?
➡これに関して、記事にした時もそうだったのですが改めて調べました。データの元が「社内資料より」となっており、患者背景を調べることができませんでした。後日、メーカー問い合わせを検討しています。
Q.罹ってしまうというのはどういった意味で使われていますか?
➡記載している表現方法があいまいでした。申し訳ありません。本記事では「罹る=感染する」という意味合いで「罹る」という言葉を使用しました。これに関しては意味の取り違えが発生する可能性を予見できなかったものです。記事の言葉を「感染する」に修正しようと思います。
根拠②、③、あとワクチンビジネス、タミフル自費といったところから、読者がそもそも打たなくてもいいのではないかと誤解しないか心配で書かせていただきました。
➡この御意見に対して、ハッとさせられました。読者の皆様に「そもそもワクチンなんか打たなくていいのではないか?」と思わせては本来の記事の意図と違う伝わり方になってしまいますものね。これも、記事には言葉を書き足し、「必要ならば2回の接種を受けるべきだし、1回で十分な方は1回で済まそう。ただし、打つな!と言ってるわけではないですよ」というメッセージが伝わるように善処したいと思います。
以上がひとまずの回答になりますが如何でしょうか?
興味深い記事を楽しく提供してくださって、ありがとうございます。
二回打つ意味ないことはよく分かったのですが、タイミングの問題にも触れて欲しかったなーと思いました。
私は病院勤務なので、インフルエンザ予防接種は必須ですが、いつも9月下旬に打たされます。早すぎて、年明けの一番流行る時期に接種の効果が薄くなってるんじゃないかと心配です。年明けに2回目を打ちたい気もしますが、やっぱり不要ですか?