自転車通勤が寿命を延ばす!?心疾患や癌の発症リスクが45%下がるという結論を出したコホート研究の論文がイギリスのグラスゴー大学が発表し,医学士のブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(bmj )に掲載された。
この論文の結論は冒頭に記載した通りやねんけど,論文の原文を読んでみると,まぁ~おもろい!



このあたりの記事の内容を全部使ったら結果がほぼ完全にわかっちゃいます!今まで書いてきたことが活きる論文発見やー!!
是非とも関連記事を読んで,この記事を楽しんでください!ほな,いっくで~
出典:Association between active commuting and incident cardiovascular disease, cancer, and mortality: prospective cohort study
BMJ 2017; 357 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j1456 (Published 19 April 2017)
Cite this as: BMJ 2017;357:j1456
まずは論文をPECOでまとめる
- P:50代の人(男女問わず)が
- E:平日に職場まで自転車で通勤する,もしくは最寄りの駅まで徒歩か自転車で通勤したら
- C:家から車や公共交通機関で職場まで通勤している場合と比べて
- O:心疾患や癌に罹患するリスクや死亡率は下がるのだろうか?その他の原因による死亡率はどうなるか?
研究デザインは前向きコホート研究で,5年間の追跡調査を実施
参加者は263450名(そのうち106675名-52%が女性で,平均年齢は52.6歳)
統計分析はCox比例ハザードモデル
ひとまず論文を読む前に情報をまとめたらこんな感じ。
論文の結論のデータ
5年間の追跡結果の結果
2460名が死亡。(496名は心疾患に関連しており,1126名はガンに関連していた。)
ガンを発症したのは3748例で,1110例が心疾患を発症した。
自転車で職場まで通勤,または一部(駅までとか)自転車で通勤する被験者が全死亡原因に対するリスクが優位に低かった
この場合,自転車を通勤の一部に使用している人は95%信頼区間が1をまたいでないから有意差ありって考えたらいいわけや。
ここからわかるのは,自転車通勤の人の死亡リスクが,車や公共交通機関(駅やバス停までが近いと仮定していると思われる)での通勤など体に負荷のかからない状態での通勤に比べて,有意に41%も下がっていることや!(といっても,観察研究やから必ずリスクが下がるとは言い切れへんで)

自宅から最寄り駅や最寄りのバス停が近いという人にとってはどうしたらいいの?って思ってしまうね。
う~ん,次の駅まで自転車で行ったり,バス通勤なら一定の距離を自転車で走るようにするなど工夫するしかないかも?
さすがに自宅にエアロバイクを置く,っていうのは現実的な選択肢とは言えないし・・・。てか,いくらすんの?エアロバイクって?



売れ筋で19000円くらいか。10万円くらいするんと思ってたわ。
けど,家に置くスペースの問題が残るなぁ・・・。
ガンに罹患するリスクと,ガンによる死亡率についての結果
ガンに罹患するリスクについての結果
ガンによる死亡リスクについての結果



これらの結果からも,自転車を通勤に利用することがガンの罹患や,ガンによる死亡リスクを下げるかもしれないねって読み取れる。
僕は歩くことが最も健康にいいと思っていたから,この結果には少々驚きや!
心疾患に罹患するリスクと,心疾患による死亡リスクについての結果
この結果については,徒歩で通勤する人と,自転車で通勤する人でポジティブな結果が得られたそうやわ。
心疾患に罹患するリスクについての結果
p値=0っていうのが,勉強不足で僕には意味がわからなかった。
ただし,心疾患の発病リスクが自転車で46%も下がる可能性が示されたのは驚きやなぁ。
心疾患による死亡リスクについての結果



心疾患で死亡するリスクが,心疾患を罹患するリスクよりも下げ幅が大きい。
これって運動によって心肺機能が高まり,心臓が弱って死亡するというリスクが下がるってことを示唆していると考えたらいいのかなぁ。
このほかに,論文では,時速3マイル(=約5km/h)の速さで,1週間当たり6マイル(約10km)以上の歩行通勤者で,心疾患イベントのリスクを下げるエビデンスがあるとも伝えている。
ただし,徒歩の場合は心疾患を除いてガンやその他の死因による死亡リスクについては有意にリスク現象が認められなかったとも書かれている。
最後に結論のPECO
- P:50代の人(男女問わず)が
- E:平日に職場まで自転車で通勤する,もしくは最寄りの駅まで徒歩か自転車で通勤したら
- C:家から車や公共交通機関で職場まで通勤している場合と比べて
- O:心疾患に罹患するリスクは46%,死亡率は36%減少する。ガンに罹患するリスクは45%,死亡率は40%減少する。その他の原因による死亡率は41%減少する。
結果を受けて,研究者が提言したのは,自転車による通勤を推進することが国民の健康状態を増進するだろうってことや。
や・か・ら,自転車専用レーンを設置したり,自転車購入の補助金制度を設けること,都心部での自転車レンタルの推進,公共交通機関に自転車を持ち込めるような整備をすることなんかええんとちゃいまっか?と述べてました。



日本の政治家さんたちがそんな整備をしてくれるとは考えにくいけどね。
まぁ自転車って流行があったけれど事故も多いのが問題にもなった。実際に道路を走る自転車のマナーが悪い例も見かける。
理屈はわかってもなかなか実現するにはハードルがいくつもある気がした。
ただ,そんなことより,論文,メッチャ意味がわかって読めるからおもろかった!!!



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