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臨床試験の結果に出てくるハザード比や95%信頼区間の意味って何?

医療論文で出るハザード比、95%信頼区間、p値がわかるようになる
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薬局内勉強会 を行ったときに配布される資料を読んだり,薬物療法の安全性や効果のエビデンスを知りたいと思って論文に目を通したとしよう。ほんだらなんとなぁく書いているこんな文章に出会わへん?

例1)

SU剤 ( アマリール や グリミクロン などの スルホニルウレア系 薬やね)と メトホルミン ( ビグアナイド系 やな)で血糖コントロールを実施する。

方法は

  1.  SU剤単独療法を比較群として,メトホルミン単独服用コントロールを曝露群として比較試験する
  2.  SU剤単独療法を比較群として,SU剤 + メトホルミン 併用コントロールを曝露群として比較試験する

この時の総死亡の ハザード比 [ HR = Hazard ratio ] はどうなるか?

【結果】

①メトホルミン単独服用のでコントロールする場合

SU剤 単独治療群に対して メトホルミン単独治療の曝露群で

ハザード比 [ HR = Hazard ratio ] : 0.85

( 95%信頼区間 [ CI = Confidence interval ] : 0.75 – 0.98 , p値 = 0.02

SU剤 単独治療群に対して メトホルミン + SU剤 併用治療の曝露群で

ハザード比 [ HR = Hazard ratio ] : 0.89

( 95% CI: 0.82 – 0.96 , p値 = 0.03

であり,メトホルミン単独治療群で生存率を上昇させることがわかった。

(参考文献から数値を引用しています)

参考文献:メトホルミンの心血管イベント予防効果と使用における注意点

こういう治療効果を示す結果をみて,どれだけ読み取れてますか?

なるほど!メトホルミン単独で治療する方が効果がいいねんな。

ハザード比 とか, 信頼区間 とか, p値 が何か知らないけど。

そういう読み方をする人が多いんやないかな?

けいしゅけ

実際ぼくも ハザード比 や 信頼区間 というものをしっかりとわかっていなかったのでこの記事を備忘録として書いているのだけども。

p値については以前記事にしたことがあったのでわかっててん。

有意差 やp値 について参考にどうぞ

けどね, ハザード比 とか 信頼区間 を理解できていないとせっかく論文を読んでも得られる情報としては甘くなる可能性があるねん。有意差があったとしても,なかったとしてもそれがどういう意味を持つのか?を考えられなければ意味がないわけや。これが考えられるからこそ,処方箋を読んだ時に薬剤師として処方意図が読み取れるわけやもの。

在宅の現場で医師と同行しているときに何を根拠に(処方)提案をするのか?提案の妥当性を補助するのは論文から得た知識だったりするんじゃないんかなぁ。なら, ハザード比 とか, 信頼区間 の意味も分かるようになってしまおうよ。

目次

ハザード比 ( HR = Hazard ratio )とは何か?

ハザード比とは,臨床試験において,結果として得られるデータを目的変数( アウトカム とも言うねんけど )が発生する割合を示した相対指標のこと

ハザード比におけるアウトカムは,ある時点におけるものであり,さらに時間が経過すればハザード比の数値は変化するので単位としては「アウトカム / 単位時間(期間)」と考えるねんで。

目的変数には次のようなものが含まれる

  • 死亡 / 試験打ち切り
  • 死亡 / 生存
  • 再発する / 再発しない
  • 寛解する / 寛解しない

冒頭の例においては, SU剤 単独で治療する人を基準として, メトホルミン 単独で治療する人が死亡した割合が0.85(85%)だった。言い換えれば,メトホルミン単剤で治療した人の方が死亡率が15%下がった。ということを示してるねん。

一方で,SU剤 と メトホルミン 併用治療群ではハザード比0.89(89%)なので,死亡率は SU剤 単独治療群よりも11%下がったという事を示しているってわけ。

つまり,「メトホルミンで血糖コントロールをする治療がSU剤で血糖コントロールする治療よりも死亡率を下げるかもしれない。さらにメトホルミン単独治療の方が,SU剤と併用するよりも死亡率を下げる可能性がある。そんなエビデンスがある」ってわかるのよ。

ちなみに,もしハザード比が1.12と結果が出たとしたらどういう意味かというと,死亡率を12%上昇させる可能性があるという意味になる。

ハザード比はあくまで相対的指標であることを忘れたらあかんで!どういうこと?って思うやろうから説明を加えておく。

アウトカムの数値がメッチャクチャ少なかった場合にはハザード比が大きくなってしまうという事を数式で示すから,これを理解してハザード比の数値だけを論文を読むときに追わないようにしてね。

起こったアウトカムの量も見よう。

例)10000人が参加した大規模臨床試験があったとしよう。治療群Aと治療群Bがあり,

  1. 治療群Aにおいて死亡したのが25人いたとする(死亡率0.025%)
  2. 治療群Bにおいて死亡したのが12人いたとする(死亡率0.012%)

この場合,治療群Aの治療群Bに対するハザード比は2.08となってしまう。(25/12=2.08)

え?リスク2倍!?なぁんて印象を持ってしまうことになるわけや。

せやけど,「1万人中25人や12人しか死亡していない」段階でどちらも非常に安全なものであるといえるわけ。

95%信頼区間 (CI:Confidence interval )とは何か?

95%信頼区間とは,同様の研究を何度も繰り返した時,平均して95%は真の値を含むような区間のこと

コメント欄に寄せられた有益情報を転載します!

こんにちは。東京の大学院で疫学・統計を専攻しているものです。
学びの敷居をさげ,わかりやすくみんなに届けようというブログの主旨(と勝手に判断いたしました),とても素晴らしいことと感じております。

僭越でありますが所々内容で気になるものがありまして,特にこの信頼区間については,失礼とは重々知りつつも,どうしても一言お伝えしたく,書き込みさせていただきます。

けいしゅけさんが95%信頼区間の説明として書かれた

「95%の確率で区間の数値の幅の中に全体の平均値が存在する」というのは,実は典型的な(ある意味有名な)誤解釈でありまして,残念ながら多くの参考書でも同様の間違った説明がなされております。

信頼区間というものは,研究をすればしただけその都度得られます。多くの研究を繰り返すと,その中に稀に真の値を含まない信頼区間も出てきます。

このように,

「同様の研究を何度も繰り返した時,平均して95%は真の値を含むような区間」,これが正しい95%信頼区間の解釈となります。

言い方を変えますと,自分のやったたった一回の研究で得られた95%信頼区間の間に真値が含まれる,という表現だと,さも真値が動くような状況になってしまいますが,

真値というものは絶対無二で不動であり,正しくは,動くのは信頼区間の方だ,ということです。

ややこしいですね…。ここは基本的な部分ですが,統計を専攻する学生でも時々つまずく部分でもあります。

けいしゅけ

非常にありがたいコメントをいただけて本当にうれしいです!コメントを寄せて下さったDubstat様,本当にありがとうございます!

ここに厚く御礼申し上げます。

頂いたコメントを基にして,いきなり一言で答えを言おう。

95%信頼区間とは,95%の確率で区間の数値の幅の中に全体の平均値が存在する 同様の研究を何度も繰り返した時,平均して95%は真の値を含むような区間っていうことや。

はい?って顔しとるな?そらそうやんね?これだけじゃわかりまへんわな。具体例を挙げて説明しようか。さっき ハザード比 のところで,メトホルミン単剤治療群は0.85というハザード比の数値を示したよね。そして冒頭に書いた通り,この時の 95%信頼区間 は 0.75 – 0.98 やった。

ハザード比が示すのはあくまで対象者全体の中で臨床試験に参加した人の中での数値に過ぎない

当たり前やけど,先の例でいえば国民の中でSU剤だけを飲んでいる人全員やメトホルミンだけを飲んでいる人全員を調べ上げるのは不可能や。

せやから,仮にその人たち全員を対象にしたとして ハザード比 を算出したとする。ひとまず「95%の確率でその数値が0.75-0.98の区間の間に含まれまっせ。」というのを示せば,実質的なハザード比が予測できるやんな?っちゅう考え方をするわけやわ。これが,95%信頼区間 の理解として僕が提案するものです!!!

95%信頼区間 の数値でわかる3つの有意差

95%信頼区間 の値が①1を下回る,②1をまたがる,③1を超える ことによって実はわかってくることがあるので,ここでしっかり覚えておこうよ。

  1. 信頼区間 が1よりも小さい(例えば 95%信頼区間が 0.65-0.88 など)・・・リスクは減少すると判断する
  2. 信頼区間 が1をまたぐ場合(例えば 95%信頼区間が 0.82-1.08 など)・・・有意差なし
  3. 信頼区間 が1よりも大きい(例えば 95%信頼区間が 1.02-1.21 など)・・・リスクは増大すると判断する

今回の冒頭の例をもう一度書くと,SU剤 単独治療群に対して メトホルミン単独治療群で ハザード比  :0.85( 95%信頼区間: 0.75 – 0.98 )⇒信頼区間が1よりも小さいのでリスクは減少することを示している。

SU剤 単独治療群に対して メトホルミン + SU剤 併用治療群で ハザード比] : 0.89( 95%信頼区間: 0.82 – 0.96 )⇒信頼区間が1よりも小さいのでリスクは減少することを示している。

この記事をお読みのアナタにオススメの記事があります☆

  1. 治療効果指標:相対危険度減少率(RRR)・絶対危険度減少率(ARR)・必要治療数(NNT)とは
  2. 「有意差」「p<0.05」薬の臨床試験の結果で見る統計学用語の意味は?
  3. 医療論文の真のアウトカムと代用のアウトカム。2つのアウトカムの違いって何ですか?


今回の記事はここまでや☆

最後まで読んでくださってホンマおおきにっ!!お時間を使って読んでくださったことに心から感謝申し上げます!

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けいしゅけ

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医療論文で出るハザード比、95%信頼区間、p値がわかるようになる

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コメント一覧 (2件)

  • こんにちは。
    東京の大学院で疫学・統計を専攻しているものです。
    学びの敷居をさげ、わかりやすくみんなに届けようというブログの主旨(と勝手に判断いたしました)、とても素晴らしいことと感じております。

    僭越でありますが所々内容で気になるものがありまして、特にこの信頼区間については、失礼とは重々知りつつも、どうしても一言お伝えしたく、書き込みさせていただきます。

    けいしゅけさんが95%信頼区間の説明として書かれた「95%の確率で区間の数値の幅の中に全体の平均値が存在する」というのは、実は典型的な(ある意味有名な)誤解釈でありまして、残念ながら多くの参考書でも同様の間違った説明がなされております。

    信頼区間というものは、研究をすればしただけその都度得られます。多くの研究を繰り返すと、その中に稀に真の値を含まない信頼区間も出てきます。このように、「同様の研究を何度も繰り返した時、平均して95%は真の値を含むような区間」、これが正しい95%信頼区間の解釈となります。

    言い方を変えますと、自分のやったたった一回の研究で得られた95%信頼区間の間に真値が含まれる、という表現だと、さも真値が動くような状況になってしまいますが、真値というものは絶対無二で不動であり、正しくは、動くのは信頼区間の方だ、ということです。

    ややこしいですね…。
    ここは基本的な部分ですが、統計を専攻する学生でも時々つまずく部分でもあります。

    • Dubstat 様
      コメントありがとうございます!
      なんと!そうなのですね!!!
      教えていただきありがとうございます!本文中にも注釈として、
      Dubstat 様のコメントを挿入させていただきたいと思います!
      お読みいただいている読者の皆様にとっても有益な情報となると思います。感謝いたします☆

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