まいど!高尿酸血症について勉強記事を熱血🔥連載中の けいしゅけ(@keisyukeblog) です☆
第1話 痛風・高尿酸血症の病態生理を改めて勉強してみぃひん?で,高尿酸血症=痛風とは違うで?って話をしました。

他にも高尿酸血症ってどんな病気か?をまとめたで。んで,検索 第2話 第2話 偽痛風(ピロリン酸カルシウム結晶沈着症)と痛風の違いを比較してみたでにて,一般に知られている「痛風」とは別に,「偽痛風」ってもんがあるんやで!?とお話ししました。

第3話へようこそ!
今回は,高尿酸血症の病型分類と治療方針をまとめておきたいと思います。
高尿酸血症って3つのタイプがあるねん。これらの病型を決める基準となる検査検査の結果ってなんだろう?
それに,結局のところ高尿酸血症と診断された場合にドクターはどんな治療方針を立てるんやろうか?これらをまとめるでっ!
高尿酸血症で知っておきたい3つの病型と診断基準
病型と診断基準
ほんじゃさっそく高尿酸血症の3つの病型を書いていくわ。
高尿酸血症って3つのタイプがあるねん。参考文献:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版
- 尿酸が体の中でメッチャ作られるタイプ(尿酸産生過剰型)・・・全体の12%
- 尿酸が体の外に出にくいタイプ(尿酸排泄低下型)・・・全体の60%
- それらのMixタイプ(混合型)・・・全体の25%
病型の分類は,同じくガイドラインで詳しく基準値が示されてるで。
病型 | 尿中尿酸排泄量 (mg/kg/時) | 尿酸クリアランス (mL/分) | |
尿酸産生過剰型
(全体の約12%) | >0.51 | および | ≧7.3 |
尿酸排泄低下型
(全体の約60%) | <0.48 | あるいは | <7.3 |
混合型
(全体の約35%) | >0.51 | および | <7.3 |

プリン体フリー商品が出回ってたりするけど,日本人の高尿酸血症って尿酸が体の外に出て行かないタイプが多いねや。
何が言いたいかっていうと,プリン体を取らなきゃええねんやんね?とは言い切れへんよってこと。もちろん,過剰にプリン体を含む食事をするのんはヨロシクなさそうや。かと言ってプリン体を一切食べません!みたいに過剰な気合いを入れる必要もなさそうやな。
ガイドラインによると,高尿酸血症の定義は『年齢を問わず血清尿酸値が7.0mg/dLを超えるもの』となってるで。
ちなみに,痛風関節炎も痛風結節がない場合は,無症候性高尿酸血症って診断名が付くんや。
高尿酸血症の治療方針ってどうなってますか?
治療方針
高尿酸血症の治療は何が目的になるんやろ?
それは,体に尿酸の結晶が沈着してまう状態を解消すること。そして,痛風関節炎や腎障害などを回避する事や。
繰り返し言うけれど,「高尿酸血症になったら痛風になる」わけではないねん。その発症率の低さは第1話 痛風・高尿酸血症の病態生理を改めて勉強してみぃひん?で書いた通りや。そやから,尿酸値が高い→痛風になっちゃうかもぉぉぉ!!!という発想はちょっと早計や。それよりも,腎障害を起こさないことって大事やと思うっ!
治療指針として,痛風関節炎や痛風結節のない無症候性高尿酸血症患者さんであっても,血清尿酸値8mg/dL以上であれば,尿酸降下薬による治療の適応を考慮すべきとなっている(上図参照)。
ちなみに,高尿酸血症の治療の目標はそれだけにとどまらへん。高尿酸血症には,肥満や高血圧,糖・脂質代謝異常などの合併症が伴う事が多い。そやから,薬を飲んで尿酸値の数値を下げるんや~!ってんじゃなくて,生活習慣の改善も併せて行う必要があるねん。これを通じて,総合的な死亡リスクを下げることこそが治療目標になるねん。
高尿酸血症ガイドラインが示す治療指針とは?
最後にガイドラインの治療指針を載せておくわ
- 痛高尿酸血症の治療では,予後に関係する肥満,高血圧,糖・脂質代謝異常などの合併症もきたしやすい高尿酸血症の発症に関連する生活習慣を改善することが最も大切である
- 痛風関節炎を繰り返す症例や痛風結節を認める症例は薬物治療の適応となり,血清尿酸値を6.0mg/dL 以下に維持するのが望ましい
- 無症候性高尿酸血症への薬物治療の導入は血清尿酸値8.0mg/dL 以上を一応の目安とするが,適応は慎重にすべきである
- 無症候性高尿酸血症の段階で,高尿酸血症を基盤とする痛風関節炎,痛風結節,腎障害,尿路結石の発症を防ぐために血清尿酸値を低下させることが望ましい
- 血清尿酸値を下げるために生活習慣の改善を指導することが重要であり,具体的にはアルコール飲料やプリン体,果糖,ショ糖やカロリーの過剰摂取を避け,また過激な運動は控えるように指導する
- 生活習慣の改善にもかかわらず血清尿酸値が9.0mg/dL 以上の無症候性高尿酸血症では薬物療法を考慮する。また尿路結石,腎疾患,高血圧などの合併がある場合は,血清尿酸値が8.0mg/dL 以上で薬物療法を考慮する
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高尿酸血症患者さんの生活習慣改善へ向けて,何を話せばいいだろう?
生活習慣改善
先のガイドラインの治療方針ステートメントの中にも記載があったけれども,大事なんは次のことや。
血清尿酸値を下げるために生活習慣の改善を指導することが重要であり,具体的にはアルコール飲料やプリン体,果糖,ショ糖やカロリーの過剰摂取を避け,また過激な運動は控えるように指導する
なるほど。ざっくりと僕なりの指導する内容を紹介するで☆
- 魚の干物,動物の内臓,乾物,ビールはプリン体を多く含むから過剰に食べない方がエエで
- 尿酸結石を予防したいので,おしっこを中性化するアルカリ性食品を食べると良いよ~。例えば,海藻とか,野菜や。いも類もエエで。
- 同じく結石予防として,水分を多く摂って欲しいねん。1日のおしっこの量が2Lくらいになるようにしたい。だいたい,200~400mLが成人のおしっこの量やから,1日平均して5~10回(平均して7回くらい)行くイメージかなぁ☆
- プリン体に関係なく,アルコールって尿酸値を上げるねんで!!
どういうことかっちゅうとやな,アルコールは体の中でプリン体の分解を促進して尿酸を増やすねん。それだけやなしに,アルコールが分解されてできた乳酸が尿酸を体の外に出すのを邪魔しちゃうねん。そんなわけで,アルコールを飲むと尿酸値は上がりまっせ - とはいえ,ストレス溜まるほど食べ物に神経質にならないでね。
- ちょっと太ってる人は,ダイエットとして軽い有酸素運動をしよか☆(BMI<25を目標にしたい)
※ハードな筋トレとかは無酸素運動になっちゃって尿酸値を上げてまうからやめといてな~



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うん,たしかに言葉はゆるいわ。そやけどさぁ,厳しく指導されたかっておもんないやん?
ちゃんとしてねっ!!みたいな感じに言われたって,まぁ~やらんよ。こういう生活習慣への介入って患者さんの意思が前向きにならんと始まらへんもん。僕らはゆる~く,でも,じわっと背中押す言葉をかけるんがエエんかなぁと思うねん。



何も考えてないのかと思ったんでしゅけど,深いんでちゅね☆
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・・・・。 え?
詳しい内容をガイドラインを引用して記載しよう。(先の記載の根拠です。)
血清尿酸値を下げるために生活習慣の改善を指導することが重要である。
特にアルコール,プリン体摂取と肥満には注意する必要があり,アルコール飲料,プリン体やカロリーの過剰摂取は避ける10)11)。
果糖,ショ糖は血清尿酸値を増加させるので,これらを多く含む飲料や果物の過剰摂取は注意が必要である12)。
尿路の結石を予防するため,1日2,000mL以上の尿量の確保を目指し,水分をとるようにする。
また,強い負荷の運動は無酸素運動に陥りやすく血清尿酸値を上昇させるので,控えるように指導する。
生活習慣の改善にもかかわらず血清尿酸値が9.0mg/dL以上のいわゆる無症候性高尿酸血症では薬物療法を考慮する。
また尿路結石,腎疾患,高血圧などの合併がある場合,血清尿酸値が8.0mg/dL以上で薬物療法を考慮する。
血清尿酸値を増加させる薬剤(利尿薬,サリチル酸,ピラジナミドなど)の服用に注意を払い,なるべく血清尿酸値を上昇させないようにすることが大切である。
10) Choi HK, Curhan G : Beer, liquor, and wine consumption and serum uric acid level ; The Third National Health and Nutrition Examination Survey. Arthritis Rheum 51 :1023-1029,2004
11) Choi HK, Liu S, Curhan G : Intake of purine-rich foods, protein, and dairy products and relationship to serum levels of uric acid ; The Third National Health and Nutrition Examination Survey. Arthritis Rheum 52 :283-289,2005
12) Choi JW, Ford ES, Gao X, et al : Sugar-sweetened soft drinks, diet soft drinks, and serum uric acid level ; The Third National Health and Nutrition Examination Survey. Arthritis Rheum 59 :109-116,2008高尿酸血症ガイドラインより引用
高尿酸血症に関する第3話おしまいっ!まとめ
まとめ
ゆるっと書いてきました。
- 高尿酸血症には3つの病型がある。①尿酸産生過剰型 ②尿酸排泄低下型 ③混合型
この中で日本人に多いのは②尿酸排泄低下型で,60%がコレや! - 3つの病型は尿中尿酸排泄量と尿酸クリアランスで決定される
- 高尿酸血症の治療指針を図解で説明→治療の真の目的は死亡率を下げることにある!痛風にとらわれるなぁっ!!
- 高尿酸血症患者さんへの生活指導のポイント
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これらを書いてきました。参考になりましたか??
第4話へ進もう!
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コメント一覧 (2件)
左横のfacebookやteitterのボタンが記事に被って読めない
大変申し訳ありませんでした。
記事のrewriteを行いました。
ブログを構成するコードの乱れが原因でした。
ご指摘ありがとうございました。
今後ともなにとぞ,当ブログをよろしくお願いしたします。