第2話
第2話です!
第1話 痛風・高尿酸血症の病態生理を改めて勉強してみぃひん?は,有難いことに多くの方に読んでいただけました。

これを投稿したところ,
次は,最近何かと悩まされる偽痛風についてもまとめていただきたく… https://t.co/tct4wNuu7d
— リンコ (@manabunoda) June 12, 2018

し,しもたぁぁぁ!!盲点になってたぁぁぁ!!!
タコちゅけ,資料や,資料を用意していくでぇぇぇっ!!!
[/ふきだし]
せ,先生?
偽痛風に関する論文とか参考書とかいろいろと探して記事かきましょ??
一緒にやりたいでちゅ💛
ほな,やろっか(⋈◍>◡<◍)。✧♡
[/ふきだし]
「偽痛風」って何やねん?と思わはる読者様もいらっしゃると思いますので,じっくり書いていきます。
Life Science Dictionaryで確認していきましょう。
これは,【コレは役立つ】論文の検索方法5つをシェアするで!という僕が書いた記事でも紹介していますが,メッチャ便利なので使って欲しいサイトです。
ここで検索すると,偽痛風(ピロリン酸カルシウム結晶沈着症)は,pseudogoutと出てきますので,そのままPubMed検索に飛んじゃいましょう。論文を色々と漁ることができます☆(病態だけならMSDオンラインもオススメです!)
なるほど,偽痛風=Pseudogoutで,医学用語ではピロリン酸カルシウム結晶沈着症=Calcium Pyrophosphate Crystal Deposition Disease / Calcium Pyrophosphate Dihydrate Crystal Deposition Diseaseって言うんやな。
Calcium Pyrophosphate Arthritisはピロリン酸カルシウム関節炎ってとこか。
このようにして,ひとまず偽痛風=ピロリン酸カルシウム結晶沈着症と,用語の英訳がわかりました。
pseudogout
MSDマニュアル
ぶっちゃけた話,このMSDマニュアル家庭版の偽痛風のページを読んだら勉強終了できる感じです(笑)
とはいえ,それじゃぁおもんない。
せっかく僕のブログ記事を読みに来てくれはった皆様に,プラスαになり得る情報を探して提供したい!
自分自身としても,せっかくのテーマやし,掘り下げてみたいんやっ!!
という欲求が沸き上がって来ました。
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そう言わはると思って,実はFizz先生から許可を得てるんでちゅ!!
Fizz先生,ありがとうごまいましゅ💛
・・・すげぇ。
痛風と偽痛風
ほんじゃ,偽痛風と痛風の特徴的な部分の比較をしていこか!
さっき言うたように,出典はMSDマニュアル家庭版やで☆
偽痛風は,ピロリン酸カルシウム二水和物の結晶が関節液や関節の組織に沈着することで生じる病気。
痛みを伴う間欠的な関節炎の発作,または関節リウマチに似た慢性関節炎が起こる。
偽痛風は,通常は高齢者にみられ,男女差はない。
痛風は,尿酸の結晶が関節に蓄積し沈着した結果起こる病気。
結晶が蓄積することで,関節とその周辺に痛みのある炎症性の急性発作が起きる。
痛風は,女性よりも男性に多く発生する。通常は中年期の男性と閉経後の女性に発生することが多い。若い人ではまれで,30歳より前に発症した場合は比較的重症な場合が多くみられる。
メタボリックシンドロームの人は,尿酸の血中濃度が高い傾向が報告されている。
メタボリックシンドロームの特徴やで☆
⓵ ウエストが太いこと(過剰な腹部の脂肪が原因)
② 血圧が高い
③ インスリンの作用が効きにくい(インスリン抵抗性って言います) or 血糖値が高い
④ 血液中のコレステロールや他の脂肪の値が高い
鑑別診断
偽痛風の診断は,関節炎のある高齢者で疑われるで!(特に関節に腫れ,熱,痛みがある場合)
痛風は,その独特の症状と侵された関節の診察結果から疑われるねん。ガイドラインに戻って見てみよう(参考文献 : PMID: 856219)
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痛風結節のサンプルや関節穿刺で採取した関節液のサンプルを,特殊な偏光顕微鏡で調べて,トゲトゲした針状の尿酸結晶が確認されたら痛風の診断が確定や。
X線検査では,関節の損傷や痛風結節の存在が示されることがあんねんで。これはね,尿酸結晶の痛風結節によって骨の位置がずれたり,嚢胞ができたりすることが原因や。
ちなみに,尿酸の沈着の有無を確認するために,超音波検査も行ったりすることもあるで。
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原因比較
偽痛風の原因は,一言でいえば解明されてない!しかし,発症しやすい人の傾向は分かっている。
なぜ一部の人(の関節)に,ピロリン酸カルシウム二水和物の結晶が沈着してしまうのかは不明。
さらに,カルシウムの結晶は,変形性関節症に侵された関節に出現することがよくあるんや。でもその原因と作用は,いまだ完全に解明されてないねん。
ただし,結晶は以下に当てはまる人でよく発生する傾向が報告されてるねんてさ。
でもね,偽痛風患者の大半には,これらの状態のいずれもみられないんやって。故に,偽痛風は遺伝性の可能性があるのかもしれへん。
痛風の原因は,偽痛風とは反対に,解明されている。
⓵ 腎臓での尿酸排泄の低下(最も一般的な原因。60%はこれが原因)
② プリン体を多く含む食べものやアルコールの過剰摂取
③ 尿酸の過剰産生(意外と少ない。全体の10%程度)
腎臓が尿酸を排泄する能力を障害することがある状態には,以下のものがあるで。
あまり一般的ちゃうねんけども,別の病気によって体内で尿酸が過剰に産生されることがあるので,この際知っておきましょか。
(別の病気によって生じる痛風は,二次性痛風と呼ばれます!!)
どんな病気か。それはね・・・
こういったものがあります。
ちょっとびっくりでしゅ!!
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たしかに,驚きではある。
けれど,原因が確かな病気って意外と少ない気もするで?
た,確かに(急に鋭いこと言うやんオッサン)
症状
偽痛風の症状
症状は,非常に様々やねん。
一部の患者さんは,痛みを伴う関節の炎症(関節炎)の発作が,膝(👈最も多いのがココ),手首,その他の比較的大きな関節に起こるねん。
患者さんの中には,腕や脚の関節に長引く慢性の痛みやこわばりがあって,関節リウマチや変形性関節症と似ていることがあるんや。
痛みは激しいのか?気になるよね。
実は,突発的に激痛がでるような発作は,痛風のそれほどひどくないことが一般的やねん。ただし!痛風と同様に発熱することがあるで。
なかには,大量の結晶が沈着しているにもかかわらず,発作と発作の間は痛みを感じない人や,常に痛みがないって人もおるねん。
結晶が関節の近くの組織に蓄積することが多い痛風と異なり,偽痛風の患者では結晶の固い塊(痛風結節)ができることは殆どないわ。
偽痛風の予後(経過の見通し)
炎症を起こした関節は,大抵の場合は何の問題も残すことなく治ってしまう。けどね,一部の患者は慢性関節炎とか永続的な関節の損傷が起こってしまう事がある。なかには関節がひどく破壊されるために,神経病性関節症(シャルコー関節)と混同されてしまうことがあります。
シャルコー関節??
関節には,いろいろな外力が加わった場合,破壊からのがれるしくみ(自己防衛機能)があり,それは中枢(ちゅうすう)と末梢神経(まっしょうしんけい)によってコントロールされています。
もし,この神経に障害がおこると,関節の防御機構がなくなって,関節がひどく破壊されてしまいます。
これを神経病性関節症,またはシャルコー関節といいます
家庭医学館より引用
典型的には,1つまたは複数の関節に突然激しい痛みが生じ,これはしばしば夜間に起こります。
夜間の痛みの原因は,おそらく,横になると,日中に関節内にたまった体液が尿酸よりも速く関節から出ていき,尿酸の濃度がさらに高まり,結晶ができやすくなるためです。
痛みは次第に強くなり,しばしば耐えがたいほどで,特に関節を動かしたり,関節に触れたときに悪化します。
関節は炎症を起こし,腫れて熱をもち,その関節部の皮膚の見た目は,赤または紫の色合いを帯び,硬くなり,光沢がある場合があります。
発作の症状として,以下のものがみられることがあります。
- 発熱(9℃に達することがある)
- 心拍数の上昇(頻脈)
- 全身のけん怠感
- 悪寒(まれ)
最初の数回の発作は,通常,1つの関節のみに起こり,数日間続きます。
症状は徐々に消失し,関節の機能も回復し,次の発作が出現するまでは無症状です。
しかし,痛風が進行すると,治療しなければ発作の持続時間が長くなり,頻度も増し,複数の関節が侵されます。
治療せずにいると,後期の発作は最大3週間続くことがあります。
発作が繰り返されると,痛風は重症化するとともに慢性化し,関節が変形することがあります。
時間が経つにつれて,関節や腱に尿酸結晶が沈着することによる損傷のために,関節の動きが制限されていきます。
MSDマニュアル家庭版より引用
治療法
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痛風の治療の目標は3つある!
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まとめ
今回は,前回の投稿『痛風・高尿酸血症の病態生理を改めて勉強してみぃひん?』をきっかけとして,偽痛風ってどんな病気なんやろか?をどうやったら分かり易く説明できるかを悩みながら書きました。
最終的には,『Fizz-DI』の児島先生に許可を得て病態比較と言う形式で書いてみたわけですが如何でしたでしょうか?
あまりにも専門的すぎる用語はできるだけ使わず,平易な言葉を使うようにした結果,不十分な情報量となっている部分もあろうかと思います。あくまで概論として「偽痛風って何なの?」をざっくり理解できるようにしたかったです。
改めてやってみて,ハマってしまいそうやわ☆
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患者さんがどんな病気で,どんな症状に困ってはるのか?
それに対して医師がどうしたら少しでもラクにしてあげられるんやろか?って考えた結果の処方を考えることができるんじゃないかと思いまちゅ。
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もしも,この記事を読んで,もう一回第1話 痛風・高尿酸血症の病態生理を改めて勉強してみぃひん?を読んでみようかなぁという人はリンクをクリックしてください☆記事へ飛べます。
第3話へ進もう
ちなみに,この話は 第3話 高尿酸血症の病型分類と治療指針に続きます。良かったら併せ読んでみてくださいね🎵
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