アコファイド(アコチアミド)について勉強したで!【機能性ディスペプシア治療薬】
前回の記事に機能性ディスペプシアについてを載せたんやけど,読んでくれてはるかなぁ?

いったいどんな疾患なのかイマイチ,ピンと来ない場合に読んで欲しいので書いてみてん☆
さて,そうときたらお馴染みの機能性ディスペプシア(FD)初の治療薬であるアコファイド(アコチアミド)についてもちょっと知っておきたいやんか?
ほんじゃ,連載として書いていくで!!いってみよーぅ!!!
アコファイドについて詳しく解説していくでぇ~!
アコファイド(アコチアミド)について細かく解説していこかぁ!!
作用機序は??
これ,しっかりと知っておきたいですやんね?
アコファイドはアセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬
アセチルコリンエステラーゼ(アセチルコリンを分解する酵素のこと)を阻害することで,
①コリン作動性神経終末から遊離されるアセチルコリンの分解を抑制し,
②消化管の運動機能を改善する
わけや。
ややこしいから,噛み砕いて説明しなおすで!
胃の動きをよくする作用のあるアセチルコリンという物質を分解する酵素を邪魔するのがアコチアミド。
つまりアコファイドや。
これによってアセチルコリンが働く量と時間が伸びるのんはわかる?分解されないんだからそうなるやんね?
そしてアセチルコリンの役割は,
- 胃の中にある食べ物を排出する動きをよくする
- 胃の筋肉の働き(収縮力・拡張力)を高める
ことや。
結果として,
- 胃から食べ物が排出される能力が損なわれていること(排出機能障害)から出る症状の胃もたれ,胃の重苦しさ,知覚過敏になることによる心窩部痛や灼熱感
- 胃の入り口付近の部屋が広がりにくいことによって起こる貯留機能障害から出る症状の早期膨満感,食欲不振
これらが改善される。そういったメカニズムなわけや。
用法は食前。これってなぜに???
こだわるには理由がる!!答えはインタビューフォームにあるで
食前がポイントというには根拠があんねん。
IFによると,食前に服用した方が食後服用よりも薬の血中濃度が高くなる(≒効果が高くなる)ことが
臨床試験によって示されたと記載されてるわ。
アコファイド100mgを食前および食後に服用した時の最高血中濃度の記載がおもしろい
- 食前に服用した時の最高血中濃度は69.24ng/mL
- 対して食後服用の場合の最高血中濃度は41.37ng/mL
や。
食後に服用してしまうと,食前に服用した時の40%も血中濃度が下がるねん!
つまり食後に飲むとアコファイド錠100mgはアコファイド錠60mgを飲んでしまったことになるねん。
アカンがな(笑)
勿体ないわ。
これでこの薬は効かないなって患者さんに思わせたんじゃ薬剤師の名が廃るぜ!
というわけで,
絶対食事の前に飲んでね!!!
と指導せなアカンとわかる。効果が半分くらいになっちゃうねんよ,と言えばいいわ。
ちょっとオーバーやけど。
どのくらいの期間飲めばいいの?
これも気になるやろう?載せるわ。バッチリ載せておくで!
治療は長期戦。ただし,FDと疑っての診断的治療なら4週間を目安にする
FDは治療に時間がかかるので,アコファイドを飲んで効いた場合,
ひとまずは半年以上,いや,年単位で考えるのがいいかもと伝えるべきなのかもしれへん。
ただし,ドクターが器質的な問題もないし,FDか?って思って処方している場合もあり,その場合は4週間を目安に投与するのがガイドライン的な考え方だそうやから,
4週間ほどでアコファイド中止になった患者さんの場合は,
- FDではない
- FDだが,第二選択の薬物治療に移行した
この2パターンのどっちかなんとちゃうか?と考えればええと思う。
これを踏まえたうえで投薬口にて患者さんと話をすると患者さんも,お,この薬剤師わかってるな!と思てもらえるんちゃうかな?
ちなみに機能性ディスペプシア(FD)の治療薬って他に何かあるの?
この質問に,「いやいや,アコファイドだけやろ?」って思った方,ちゃうでぇ~。
あるねんでぇ~。
紹介していくわ!読んでみて!
アコファイドだけじゃない!!なぜなら,症状によって薬を使い分けるからや!
そやねん,これがポイント。機能性ディスペプシアの症状によっては別の薬剤がハマる場合もあり得るねん。
薬物治療の目的を知るとワカリヤスイから参考に載せて置くで♬
FDの薬物治療の目的
目的は
- 食後のもたれ感
- 食後早期膨満感
- 心窩部痛
- 心窩部灼熱感
といった症状を改善してQOLを高めることにあります。
第一選択薬は何なん?けいしゅけ,早く教えてっ!!!
了解や。ほんじゃ紹介していくわ
- 酸分泌抑制薬
☞ PPI(オメプラゾール,ランソプラゾール,ラベプラゾール,エソメプラゾール)
H2ブロッカー(ファモチジン,ラニチジン,ラフチジン,シメチジン)
P-CAB(ボノプラザン) - 消化管運動機能改善薬
☞ アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(アコチアミド)
ドパミンD2受容体拮抗+アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(イトプリド)
セロトニン5-HT4作動薬(モサプリド)
これらが推奨されています(機能性消化管疾患診療ガイドライン2014より)
第二選択もあるねんで!!
まかせろーぃ!これも紹介していくで!
二次治療として,ガイドラインでは抗不安薬,抗うつ薬,漢方薬の使用を認めてんねん。
- 抗不安薬,抗うつ薬としてはアミトリプチリン(トリプタノール),タンドスピロン(セディール)など
- 漢方薬としては六君子湯など
が挙げられんねん。
機能性ディスペプシア(FD)について の記事の中で疾患に関して症状をガッチリまとめて書いてるので,気になったら,そちらを読まれるとこの二次治療の薬が選択肢になる理由が理解できますわ。
まとめ
そんなわけでお送りしましたアコファイドについて。
副作用情報などは添付文書を見ればいいので,載せてまへん。
とにかく,機能性ディスペプシアってなんやねん?とアコファイドってどう効くん?
を解決するために書いてみましたがいかがでしたでしょうか?
何かしらのお役に立てればいいなぁと思いつつ,筆をおきます。

今回の記事はいかがでしたか? アナタのお役に立てていれば幸いです! もし良ければコメント欄から記事を読んだ感想や,ご意見,ご質問など寄せて下さい☆待ってます!!
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コメント一覧 (3件)
はじめまして。
逆流性食道炎でアコファイドを
処方されています。
胃の入り口付近の部屋が広がりにくいことによって起こる貯留機能障害から出る症状の早期膨満感、食欲不振
とありますが、
これでは噴門が逆に開いてしまい
逆流しやすくなる気がしてしまい
不安になりました。
逆流性食道炎でアコファイドが
処方されるのはおかしいですか?
逆食さん 様
はじめまして。コメントありがとうございます☆
逆流性食道炎は機能性ディスペプシアと併発する事が知られています。
そのため、もしかすると逆流性食道炎と共に機能性ディスペプシアと診断されているのかもしれないな、と思いました。
逆流性食道炎でアコファイドが処方されたことの妥当性については明確に否定はできないと思われます。
ご返信ありがとうございました!
逆食と機能性が同時に起こることが
あるのですね。
医師から説明もなかったので困惑していたので
助かりました。
次回の受診で詳しく聞いてみます。