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アセタゾラミド(ダイアモックス®)について独り勉強会

記事全体の要点
  • 最も伝えたいポイントは,アセタゾラミドの適応症の広さ!
  • 作用機序の図解を掲載!
  • 構造式は,利尿薬の開発の歴史を汲んでいる!
  • アセタゾラミドはほとんど代謝されずに陣排泄される!
  • アセタゾラミドに関する論文でわかるコトとは!?
  • その他,基本情報をざっくりまとめてるで!

利尿薬の総論記事はコチラ

まいど!利尿薬マニアの けいしゅけ(@keisyukeblog)です☆

この記事では,アセタゾラミド(ダイアモックス®について書いていくで~。

利尿薬を勉強していたら,炭酸脱水素酵素阻害薬という項目が出てきて,調べるとアセタゾラミド(ダイアモックス®)だったという方もお読みかも知れません。

実際,作用機序とかどうなってんの?ループ系やチアジド系に比べて何がどう違うの?といった疑問をお持ちかも知れません。

なにより最初にお伝えしたいのは,アセタゾラミドは利尿薬としてというよりも,その作用によって緑内障(この場合はドルゾラミド:トルソプト®点眼やブリンゾラミド:エイゾプト®懸濁性点眼液が使われることが殆どやけど)やてんかん,その他いろいろな適応を持っている事を知ることが大事かも知れへんで?ということです。(さらに言ってしまうと,それらの適応症においてアセタゾラミドが第一選択であることはあまりないという…。)

この記事では,アセタゾラミドに関する色々な情報を詰め込んでいます。

あなたの疑問を解決する糸口が得られたら幸いです~☆

目次

アセタゾラミド(ダイアモックス®)についてもっとも伝えたいコト・論文情報まとめ

けいしゅけ

アセタゾラミドは「利尿薬」だけではないという事と,論文からわかる情報を伝えたいと思います☆

ひとまず「いろいろな使い道があるねんなぁ」程度に知っておくと面白いと思います!!

ココがポイント
  • アセタゾラミドは利尿薬としてより,様々な場面で利用される1
  • レーザー線維柱帯形成術後の一時的な眼圧上昇を防ぐための周術期薬物として研究がされている2(とは言え,点眼が主流でありアセタゾラミド内服薬の存在感はあまりないが…)
  • 特発性頭蓋内高血圧症(IIH: 検出可能な原因がなく,頭部内の圧力が上昇している状態 )の治療にアセタゾラミドが効果的と示唆する研究がある3
  • 睡眠時無呼吸症候群に対する効果が試験されている4
  • 急性高山病(AMS) の発症リスクがアセタゾラミドによって低くなると示されている5
  • 神経細胞の過興奮を抑制することによるしてより,様々な場面で利用される。 たとえば,抗てんかん薬としてや月経前緊張症に対してがそれである1,6

論文の探し方・読み方の参考にどうぞ

アセタゾラミド(ダイアモックス®)ってどんな薬?

IFより本剤の特徴を引用すると…。

  • 本剤は,スルホンアミド誘導体アセタゾラミドの製剤で,生体に存在する炭酸脱水酵素 (Carbonic anhydrase)の作用を抑制することにより,眼圧低下(緑内障の緩解),中枢神経系の刺激伝達抑制(てんかん発作の抑制),呼吸賦活(呼吸性アシドーシス・睡眠時無呼吸の改善)及び利尿などの作用を示す
  • 重大な副作用として,代謝性アシドーシス,電解質異常,ショック,アナフィラキシー様症状, 再生不良性貧血,溶血性貧血,無顆粒球症,血小板減少性紫斑病,皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群),急性腎不全,腎・尿路結石, 精神錯乱,痙攣,肝機能障害,黄疸があらわれることがある
たこちゅけ

利尿剤と言うよりも,他の作用が大事に見えまちゅね??

けいしゅけ

お🎵するどいっ!

効能・効果の項目でも見るとわかるように,緑内障やてんかん,呼吸性アシドーシスの改善,月経前緊張症,メニエール病・メニエール症候群,睡眠時無呼吸症候群といったものが続いていて,利尿に関しては心性浮腫・肝性浮腫が書かれているだけやねん。

アセタゾラミド(ダイアモックス®)に関しては,純然たる”利尿薬”ってイメージではないね☆

アセタゾラミド(ダイアモックス®)の効能・効果と用法・用量

アセタゾラミド(ダイアモックス®)の効能・効果と用法・用量
アセタゾラミド(ダイアモックス®)の効能・効果と用法・用量

以上,添付文書・インタビューフォームより引用

開発の経緯が面白いので引用しておく

アセタゾラミドは1950年アメリカンサイアナミッド社のスタンフォード研究所でスルファミ ンが炭酸脱水酵素を特異的に抑制するという事実から,一連の化合物を研究,チオセミカルバジ ドからいくつかの工程を経て合成された炭酸脱水酵素抑制剤である。

本邦では,日本レダリー株式会社(現ファイザー株式会社)が承認を取得し,ダイアモックス Ⓡ錠として1955年3月12日に,ダイアモックスⓇ末として1958年8月1日に武田薬品工業株式会社よ り販売された。

ダイアモックスⓇ錠は1988年3月29日に「睡眠時無呼吸症候群」の効能・効果が追加され,1993 年9月8日に再審査を終了した。

ダイアモックスⓇ末,ダイアモックスⓇ錠は2004年2月23日武田薬品工業株式会社から株式会社 三和化学研究所へ販売を移管し,2004年6月30日にワイス株式会社(現ファイザー株式会社)か ら株式会社三和化学研究所へ製造販売承認を承継した。

2006年12月に,医療事故防止対策に伴い,販売名を従来のダイアモックスⓇ錠からダイアモッ クスⓇ錠250mgに変更した。

ダイアモッ クスⓇ錠250mg インタビューフォームより引用(強調は筆者による)
タコちゅけ

スルファミン,チオセミカルバジド,アセタゾラミドの構造式がわからないでちゅ~💦

ふぁさっ…。

スルファミン(スルファニルアミド)
チオセミカルバジド
アセタゾラミド
けいしゅけ

はいよっ,構造式やで~☆

タコちゅけ

出てくるんやっ!!

アセタゾラミド(ダイアモックス®)の作用機序は?

けいしゅけ

ここは僕が作った図解と,インタビューフォームの記載を併せて紹介することで理解を深めようか!

炭酸脱水素酵素阻害薬であるアセタゾラミド(ダイアモックス®)の作用機序を図解したで
炭酸脱水素酵素阻害薬であるアセタゾラミド(ダイアモックス®)の作用機序を図解したで
  • 炭酸脱水酵素は腎上皮,赤血球,脳,毛様体上皮等に存在し,生体内で炭酸ガスと水から炭酸 を生成する可逆反応(CO2+H2O ⇔ H2CO3) にあずかる酵素である。 アセタゾラミドはこの酵素を特異的に抑制する

薬効を裏付ける試験成績

  1. 眼圧低下:アセタゾラミドは毛様体上皮中に存在する炭酸脱水酵素の作用を抑制することによって房 水の産生を減じ,眼圧を低下させるといわれている
  2. てんかん発作の抑制:アセタゾラミドは中枢神経組織内に存在する炭酸脱水酵素を抑制し,脳のCO2濃度を局所 的に増大させることにより,脳の異常な興奮を抑制して,精神神経系の諸症状を緩解すると考えられている。
    特に小児の小発作には最もよく奏効し,さらに成人・小児の大発作や,頻発する頓挫性発作,発作重積状態,ミオクローヌス小発作及び混合型発作にも有効である
  3. 呼吸性アシドーシス・睡眠時無呼吸の改善:アセタゾラミドは炭酸脱水酵素抑制作用により,肺胞中のHCO3 -の尿中排泄を増加させるとともに,他方代謝性アシドーシスを起こし,H+を増加させる。増加したH+により呼吸中枢が刺激され,換気量が増大し,併せて低酸素・炭酸ガス換気応 答が改善される。
    この換気量の増大により血中O2が増加し,CO2は減少し,呼吸性アシドーシス・無呼吸による睡眠中の低酸素血症が改善する。
    また,換気応答の改善により睡眠中の呼吸感受性が維持され,無呼吸の回数が減少する。 睡眠時無呼吸については錠剤のみに適応が認められてい
  4. 利 尿:アセタゾラミドは腎上皮において炭酸脱水酵素の働きを抑制し,Na+並びにHCO3 -の尿細管 からの再吸収を抑制することによって利尿効果をあらわす。その効果は投与後6~12時間持続する
  5. 月経前緊張症の緩解:アセタゾラミドによる体内貯留水分の排泄,神経系に対する抑制作用が本症の症状を緩解 するといわれている
  6. メニエル症候群の改善:メニエル症候群に対するアセタゾラミドの効果は内耳の局所的リンパ分泌抑制作用,利尿 による内耳水腫の除去,中枢神経系に対する抑制作用等によるといわれている。
タコちゅけ

すごいでちゅ!やっぱり,炭酸脱水素酵素阻害薬であるアセタゾラミドは利尿薬というよりも緑内障をはじめとした種々の適応を持つ薬って印象がハッキリしたでしゅっ!!

けいしゅけ

ただし,ちょっと注意が必要や。冒頭の伝えたいコトで書いた通りやねんけども,それぞれ適応症は書かれているものの第一選択薬として使われているアセタゾラミド内服薬はあんまりないという現状もわかっておこう。緑内障に関しては点眼薬が主流で,アセタゾラミド製剤もあるけれどもプロスタグランジン製剤が第一選択薬やし…。

なんやかんやで一番存在感があるのって呼吸性アシドーシス改善の部分かも知れへんわ。これを応用した急性高山病予防への効果を試験したコクランの論文は読んでみると良いかも~。

アセタゾラミド(ダイアモックス®)の構造式から見えてくるモノって??

アセタゾラミドの構造式画像です
アセタゾラミドの構造式画像

以前Twitterてつぶやいたんやけども,それを再掲しよう。

けいしゅけ

アセタゾラミドの構造式から見えてくるモノは,利尿薬の開発の歴史かなぁって思います。

ちなみにツイート内に出てきたスルフォンアミドは R-SO2-NH2で表される化合物のことを言うねん。

ちなみにアセタゾラミドの開発経緯の途中で,スルファミン(スルファニルアミド)ってものができたんやわ。まさにスルフォンアミドやで?どんなカタチをしているかというと…。

スルフォン酸アミドの構造式
スルファニルアミドの構造式
タコちゅけ

キレイにスルフォンアミドでちゅね💦

アセタゾラミドと見比べてみると…へぇ~,参考にしているのがわかりましゅ!!

こうやってアセタゾラミドって開発されていったんでちゅねぇ~。

けいしゅけ

せや!

けど,ごめん!!勉強不足で構造のどの部分がどうやって作用するか?そういったところはわからへんわ。

アセタゾラミド(ダイアモックス®)のADMEに関して知っておきたい情報

アセタゾラミド(ダイアモックス®)のADMEに関して知っておきたいことをまとめるで

アセタゾラミド(ダイアモックス®)の体内動態 ( ADME ) についての情報まとめ

吸収・分布に影響を与えるものはありますか?

食事の影響を受けますか?

食事による影響は受けないものと思われる

代謝について知っておきたいポイントは?

Point:代謝について
  • アセタゾラミドはほとんど代謝されずに尿中排泄されることがポイント
  • トランスポーターはほとんど関与しないと考えられる
  • 相互作用で気を付けたいのは,代謝よりも作用機序的な問題によるものである

排泄について

肝代謝型(肝機能低下者に注意を要するタイプ),腎排泄型(腎機能低下者に注意を要するタイプ) どちらですか?

腎排泄型です。
『ヒトに経口投与されたアセタゾラミドは,未変化のまま,ほぼ24時間以内にそのほとんどが 尿中に排泄される』とIFに記載があります。

その他,アセタゾラミド(ダイアモックス®)の添付文書&IF情報から基礎情報を調べる

https://keisyuke-blogyakkyoku.xyz/wp-content/uploads/2017/09/bf37bbdf12d601f6e34406f14b44fc70-e1506614627891.jpg
けいしゅけ

タコちゅけ,アセタゾラミド(ダイアモックス®)について基礎情報も見ておこう☆

ほんじゃ,いつもの資料をば…。

https://keisyuke-blogyakkyoku.xyz/wp-content/uploads/2018/06/Takotyuke_Magao.png
タコちゅけ

添付文書・インタビューフォーム・審査報告書(再審査報告書)でちゅね☆

https://keisyuke-blogyakkyoku.xyz/wp-content/uploads/2017/12/takosyuke_tanosimi-e1514038009518.jpg
けいしゅけ

さっすがタコちゅけやな☆

ついでに,医薬品リスク管理計画(RMP)もチラッとチェックしとこか~

アセタゾラミド(ダイアモックス®)の名前の由来

https://keisyuke-blogyakkyoku.xyz/wp-content/uploads/2017/09/bf37bbdf12d601f6e34406f14b44fc70-e1506614627891.jpg
けいしゅけ

不明ですっ!!

https://keisyuke-blogyakkyoku.xyz/wp-content/uploads/2018/01/takotyukeodoroki-e1516437595427.png
タコちゅけ

わからへんのかーーーーいっ!!

けいしゅけ

うむ。インタビューフォームに不明って書かれてんねん…。

タコちゅけ

ちょっと凹んでるやんっ💦💦

アセタゾラミド(ダイアモックス®)の現在わかっている副作用や注意情報

禁忌

次の患者には投与しないこと

  1. 本剤の成分又はスルホンアミド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 肝硬変等の進行した肝疾患又は高度の肝機能障害のある患者[血中アンモニア濃度を上昇さ せ,肝性昏睡を誘発するおそれがある。]
  3. 無尿,急性腎不全の患者[本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。]
  4. 高クロール血症性アシドーシス,体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者,副腎機能不全・アジソン病の患者[電解質異常が増悪されるおそれがある。]

次の患者には長期投与しないこと

  • 慢性閉塞隅角緑内障の患者[緑内障の悪化が不顕性化されるおそれがある。]
重要な基本的注意
  • 連用する場合,電解質異常があらわれることがあるので定期的に検査を行うこと
  • 降圧作用に基づくめまい,ふらつきがあらわれることがあるので,高所作業,自動車の運転 等危険を伴う機械を操作する際には注意させること
  • 過量投与
    徴候,症状 : 電解質異常(特に低カリウム血症),アシドーシス及び中枢神経系障害を起こす可 能性がある。
    処置 : 本剤の特異的解毒薬は不明である。過量投与が生じた場合は,服用後短時間ならば胃洗浄により本剤をできる限り除去すること。電解質(特にカリウム)及び血液 pH のモニターを行い,必要により電解質の補充,炭酸水素ナトリウムを投与すること。本剤は腎排泄性でありかつ血液透析により除去されることより,特に腎障害者において過量投与により状態が悪化した場合 は血液透析の適応も考慮すること。

副作用

けいしゅけ

代謝性アシドーシス,電解質異常:代謝性アシドーシス,低カリウム血症,低ナトリウム 血症等の電解質異常があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止 するなど適切な処置を行うこと。

ダイアモックス® インタビューフォームより

この記載には敏感になっていたいなぁって個人的には思いました!

アセタゾラミド(ダイアモックス®)の安定性についての情報

アセタゾラミド(ダイアモックス®)の安定性についての情報をまとめておきます。

光に安定ですか?

安定である

湿気に対して安定ですか?

25±2℃, 75±5%RH,3カ月目に規格を逸脱したという記載あり。
基本的には安定ですが,一包化したものを長期保管するなら乾燥剤などを入れた容器に保存するのが望ましいでしょう。

半錠にできますか?また,割線はありますか?

白色の素錠(割線あり)で ,半錠にできます

一包化できますか?

問題ありませんが,湿気の多い条件下で3カ月以上放置するのは避けてください。

この薬に関して僕が感じたこと(*あくまで個人的見解です)

発売年月日が1958年8月1日と,非常に歴史のある薬剤だけに,エビデンスや体内動態と言った部分はもちろんのこと,開発の経緯が非常に興味深い印象。

現在では急性高山病の予防に使うのが主な出番なのかな?なんて印象があります。とはいえ,たまに緑内障患者さんにも急性の眼圧上昇時に処方されてたりもするので,改めて学んでおくことは無駄ではないと言えましょう。

☆参考文献一覧☆
  • 1. ダイアモックス®錠250mg インタビューフォーム
  • 2. Cochrane Database Syst Rev. 2017 Feb 23;2:CD010746. PMID: 28231380
  • 3. Cochrane Database Syst Rev. 2015 Aug 7;(8):CD003434. PMID: 26250102
  • 4. Sleep. 1988 Oct;11(5):463-72. PMID: 3067313
  • 5. Cochrane Database Syst Rev. 2017 Jun 27;6:CD009761. PMID: 28653390
  • 6. 南山堂 病気とくすり2018

今回の記事はここまでや☆

最後まで読んでくださってホンマおおきにっ!!お時間を使って読んでくださったことに心から感謝申し上げます!

https://keisyuke-blogyakkyoku.xyz/wp-content/uploads/2017/09/bf37bbdf12d601f6e34406f14b44fc70-e1506614627891.jpg
けいしゅけ

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タコちゅけ

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