コデイン類が含まれる薬が2019年から12歳未満に対して禁忌になるで!
厚生労働省が2017年6月22日、方針を固めたんやけどもう皆さん知ってますよね?記事にするのが遅くなってごめんなさい。
さて、タイトルにもあるとおり、 コデイン類( コデインリン酸塩 、 ジヒドロコデインリン酸塩 )が2019年から12歳未満への投与が「禁忌」になる。
この話の詳細について記事にしていこうと思うで!
目次やで
コデイン類含有製剤って何があるの?
ひとまず手持ちの治療薬マニュアル2017から索引して検索してみた。
意外と品目数は少なかったのでよかった。
ブロチン液と濃厚ブロチンコデイン液は2017年3月末で経過措置切れとなっているので、消してあります
関連記事➡【2017年(平成29年)3月31日】経過措置切れの薬がメッチャ多いからチェックしといて!!
- オピセゾールコデイン液
- カフコデN配合錠
- クロフェドリンS配合錠
- クロフェドリンS配合シロップ
- コデインリン酸塩錠「(製薬会社名)」
- コデインリン酸塩末「(製薬会社名)」
- コデインリン酸塩散「(製薬会社名)」
- サリパラ・コデイン液
- ジヒドロコデインリン酸塩末「(製薬会社名)」
- ジヒドロコデインリン酸塩散「(製薬会社名)」
- セキコデ配合シロップ
- ニチコデ配合散
濃厚ブロチンコデイン配合シロップ・・・2017年3月31日経過措置切れ- フスコデ配合シロップ
- フスコデ配合錠
- フスコブロン配合シロップ
- プラコデ配合シロップ
- プラコデ配合散
ブロチンシロップ・・・2017年3月31日経過措置切れ- ミゼロン配合シロップ
- ライトゲン配合シロップ
この21品目(実際に処方できるものとしては19品目)が今回の規制対象になる。
けいしゅけ
厚労省データを調べてみると、日本国内に存在するコデイン類含有製剤は
- 医療用医薬品がジェネリック医薬品を含めて65品目
- OTC薬が約600品目(そのうち、小児専用の商品がおよそ100品目もある!)
けっこうあるもんやね。
経過措置はいつまでですか?(12歳未満に禁忌になるのはすぐではなく、経過措置あり!)
2018年末が経過措置
となるので覚えておこう!
コデイン類含有製剤の12歳未満への投与禁忌はOTCも対象になりますか?
当然、対象になります!
処方薬は成分がハッキリと外箱にも書かれているものが多いし、先ほど挙げたように対象品目数は少ないので全体把握が簡単や。
対応に注意が必要で、即時対応が難しいのはOTCを販売するドラッグストア薬剤師さんなのではなかろうか??
小児用量製剤の用量削除や配合変更などの対応を製薬会社は進める必要があり、店舗としてはコデインの入っている製品の需要が最後まであると思われるので、早めに切り替えるわけにはいかないだろう。
過去に働いていたドラッグストアでは、新小児ジキニンシロップや新ブロン液エースが非常に人気(?)であったのを記憶している。
これらをちょっとアヤシイ大人が
「ブゥロンッ(どこっ?)??」
「ディキニィン(どぉこ)??」
って変な日本語で聞いてきて、
(なんやコイツほんまアヤシイやっちゃな。けど身の危険を感じるので案内しないわけにはいかへん・・・無念っ!!)
そう思いながら案内すると、なぜか1本ではなく、複数購入するのだ。
レジを通った後で2~3本一気飲みする姿が見受けられたものやった。
それが週に数回あるのだ。
完全に乱用薬物になっとるやんけ・・・
そう思った若き日の自分を思い出す。
けいしゅけ
ちなみにコデイン類が規制される(建前上の)理由は何ですか?
コデイン類ってね、CYP2D6によって体内でモルヒネやジヒドロモルヒネに代謝されて鎮咳作用を示すねんけど、
CYP2D6の活性が過剰な人では体内でのモルヒネ濃度が上がってしまい、結果として呼吸抑制が生じやすくなってしまうというリスクがあるねん!
なので安全性を考えて、12歳未満には投与を禁止にしましょう!というのが理由や。
アメリカでは、こうした呼吸抑制などのモルヒネ中毒関連症例が1969年~2015年5月までに64例報告されている(うち、24例が死亡)。
けいしゅけ
こうなるとアメリカに右へ倣えの日本の対応はみなさん予想がつくよね?
コデイン類が規制される理由はアメリカに倣う事と国内での乱用防止もあるんじゃないのか?
日本国内の副作用報告データをちょっと見てみようよ。
厚労省のデータによると、
18歳以下の(👈まずなんで18歳以下やねん!と突っ込んでしまう。12歳未満とちやうんかいな!と。)
コデイン類含有製剤の使用患者で、呼吸抑制などのモルヒネ中毒関連の副作用報告は4例あり、医療用医薬品で2例・OTC医薬品で2例(OTCデータ、ホントかよ?)となっている。
死亡例はない。
けいしゅけ
「ディキニィン(どぉこ)??」
って変な日本語で聞いてきたあのアヤシイ人たちは中毒症状が出たことはないのだろうか?
確実に報告してないだけやろ・・・と思ってしまうねんけどなぁ~
まぁ、そんなアングラな方々の事は放っておいて、12歳未満の小児の副作用報告例が少ないことは間違いない。
日本人は欧米人に比べてCYP2D6活性が過剰な人の割合が少ないのだ。
これはエフィエント の長所・短所を プラビックス と徹底比較!3成分目のチエノピリジン系抗血小板薬 の実力は?という記事でも触れているけれど、日本人は薬の代謝をするCYP(チトクロームP450)の活性が弱い比率が高いのだ。
つまり、代謝によってコデインはモルヒネになり呼吸抑制などの副作用を引き起こすという考えから察すれば、日本人であればこの副作用は生じにくいという背景があると考えることができる。
こうしたことから、ちょっと個人的にはアメリカに倣っている部分があるのではないのか?と勘ぐってしまう。それと同時に、乱用防止にもつなげよう!って思っている部分もあるんやないの?とも考えている。
ま、知らんけど(笑)
ただし、こういった規制は医薬品の安全性を高めるうえでは非常に重要なものであろうと考えます。
どうせやったら、リンコデ錠5mgの1回4錠処方も制限せぇよ!と思ってしまうけれど。(1回20mgって麻薬量なんよね・・・。あまりに普通に保険が通っている現状にすごく違和感あり!!)
そんなわけで、遅ればせながら、12歳未満へのコデイン投与禁忌になります!の話を終わりにします!
けいしゅけ
もし良ければコメント欄から記事を読んだ感想や、ご意見、ご質問など寄せて下さい☆
待ってます!!
84年生まれの薬剤師のおばさんです。今は出産と育児で、完全に薬の事、仕事のことを忘れて生活していますが、自分の子供の咳の時に、先生から、フスコデを、もう出せなくなっちゃったの、って話を最近聞いて、まじで!?知らんかった!と驚いて、検索して、初めて貴殿のブログに来ました。CYPのことも書いてあってすごく役に立ちました。ありがとう。
言い訳かもしれないですが、私の場合、子供との生活にいっぱいいっぱいで、熱心に勉強とか、全くする気になれないし、読書すらしたくありません。時間があれば、ぐたぐたしたり、寝たいので、こうやって簡潔にまとめてくださって、すごく助かります。
目の前の患者さんを、家族のように心配して接客していた頃が懐かしいです。またそんな日に戻れるのかなー。