重複投薬・相互作用等防止加算を算定できるパターンや例とは!?

重複投薬・相互作用等防止加算を算定できるパターンを整理しよう

重複投薬・相互作用等防止加算 を 算定 できる パターン を整理する!

今回のテーマは保険調剤における 薬学管理料 の 薬剤間履歴管理指導料 に含まれる 加算 の中の1つ、 重複投与・相互作用防止加算 について書いていくで☆

1. 重複投薬・相互作用等防止加算とは

重複投薬・相互作用等防止加算

薬剤服用歴に基づき、重複投薬、相互作用の防止等の目的で、処方せんを交付した保険医に対して照会を行い、
処方に変更が行われた場合は30点を所定点数に加算する。

*在宅患者についても同様の評価を新設されてるねんで!在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料って名前。算定要件は重複投薬・相互作用等防止加算と同じ)

 

これが定義になるねんけど、まぁ、具体例が分からないとピンとこない。

 

算定の対象となる疑義照会の内容はコレや!!!

以下の疑義照会を行い処方内容に変更があった場合

  1.  併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む) ・・・ お薬手帳などにより併用薬のチェックをすると、重複投薬を発見できることが多いことに驚く。よくあるのがムコスタなど胃粘膜保護剤やロキソニンなど消炎鎮痛薬の重複ね。湿布も意外と重複している。
  2.  併用薬、飲食物等との相互作用 ・・・ 薬剤師としての知識量などが活きる条件。これで加算をバンバン取れる薬剤師はカッコイイ!
  3.  残薬 ・・・ 今やこの算定条件が重複投与・相互作用等防止加算の主やね。残薬確認をして余っているようなら疑義照会して処方日数の短縮ないし処方削除をしてもらうことで30点を取りに行く。医療費削減効果が高いこともあり、国も算定できるハードルを大きく下げていることがわかる。
  4.  その他薬学的観点から必要と認められる事項 ・・・ H28年度の改定から加わった文言。「薬学的観点から必要と認められる」っていうのが非常に条件としてあいまいなので、後ほどこれについては厚生労働省の疑義解釈を書いてフォローします☆

重複投薬・相互作用等防止加算 の対象となる事項について、疑義照会による変更内容を薬剤服用歴(薬歴)に記載して記録を残すのは絶対にしないといけない。

なお、支払基金からの連絡事項として、重複投与・相互作用等防止加算を算定するにあたって、疑義照会の結果で処方が削除になった場合にはレセプトの【摘要】欄にコメント記載をして欲しいそうな。

(レセプト摘要欄への記載例)

  • A病院からセレコックス錠100mgが処方されており現在服用中だが、B病院からロキソニン錠60mgの処方があったため削除となる。

こんな感じで書いておけば返戻の心配もなく、算定できるで!

 

僕のコメントも添えて算定要件を書いてみました。

 

それでは、「薬学的観点から必要と認められる」の理解のため、厚労省が出した疑義解釈についても引用を載せておきます。

かゆいところに手が届く疑義解釈ですよ☆

【重複投薬・相互作用等防止加算】

(問30)重複投薬・相互作用等防止加算及び在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理 料の算定対象の範囲について、

「そのほか薬学的観点から必要と認める事項」 とあるが、具体的にはどのような内容が含まれるのか。

(答)薬剤師が薬学的観点から必要と認め、処方医に疑義照会した上で処方が変更された場合は算定可能である。

具体的には、アレルギー歴や副作用歴などの情報に基づ き処方変更となった場合、薬学的観点から薬剤の追加や投与期間の延長が行われた 調剤 – 9 場合は対象となるが、保険薬局に備蓄がないため処方医に疑義照会して他の医薬品 に変更した場合などは当てはまらない。

(問31)これまでの「重複投薬・相互作用防止加算」では、同一医療機関の同一診療 科の処方せんについて処方変更があったとしても算定できないとされていたが、

平成28年度診療報酬改定で見直した「重複投薬・相互作用等防止加算」及び「在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」については、

同一医療機関の 同一診療科から発行された処方せんであっても、重複投薬、相互作用の防止等の目的で、処方医に対して照会を行い、処方に変更が行われた場合は算定可能と理解してよいか。

(答)「重複投薬・相互作用等防止加算」及び「在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」は、薬学的観点から必要と認められる事項により処方が変更された場合には算定可能としているので、上記の内容も含め、

これまで算定できないとされていた「薬剤の追加、投与期間の延長」等であっても、要件に該当するものについ ては算定可能である。

出典)厚生労働省 平成28年度診療報酬改定について:疑義解釈資料の送付について(その1)平成28年3月31日より

さてさて、まずここまで書いてみると重複投薬・相互作用等防止加算の算定要件については理解できたと思う。

平成28年からは薬学的観点から必要と認められる事項によって「薬剤の追加、投与期間の延長」が行われた場合にも重複投薬・相互作用等防止加算の算定ができるようになっているというのは、従来の算定要件にはなかったものなので新しく覚えておくべき1つのポイントやね。

それでは!!これらを踏まえて、算定パターン・算定例を具体的に書いていってみるで。

 

2. 重複投薬・相互作用等防止加算の算定パターン・算定例

算定パターンとしては、

  1. 残薬確認による処方削除・処方日数短縮
  2. それ以外の算定要件

の2パターンが考えられるので、順番に算定例を書いていこうと思う。ぜひ実践の場で役立ててほしい。

2-1. 残薬確認して処方削減・処方日数短縮を行い、重複投薬・相互作用等防止加算の算定の流れと算定例

  1. 処方箋を受け取った時や、投薬時に患者さんから残薬があることを確認する
  2. 日数調整や処方削除を疑義照会により実行
  3. 処方変更が確定したら、「重複投薬・相互作用等防止加算」を算定する

まぁこの流れですな。

書いてみるとカンタンだが、残薬があることを患者さんから申告してもらうのは意外と困難や。

残薬の存在を患者さんから申告してもらうのは、薬剤師の腕の見せ所であると同時に、普段からの患者さんとの人間関係ができていることも非常に重要な要素やと思う。また、残薬が起こりやすい薬を知っておくことも残薬調整をする上ではポイントやで🎵

 

残薬調整による重複投薬・相互作用等防止加算の算定のポイント
  • 残薬が生じやすい薬・用法を知っておく。
    1. 1日3回服用で処方されているもの(ロキソニン、ムコスタ、ユベラ、メチコバールなどは昼食後の飲み忘れが生じやすい)
    2. 1日3回服用かつ自己調節可能な緩下剤(マグミットなど酸化マグネシウム製剤は自己調節しているので余る)
    3. 漢方薬、セイブルやベイスンなど(食間や食前に飲む製剤などは飲み忘れが頻発するので余りやすい)
  • 服薬指導時に、それらの薬の処方がある患者さんには、「昼食後って忘れやすいですよね?」とか「食間や食前って忘れやすいですよね?」という問いかけから入り、余っているようであれば、「日数調整をしましょうか?」と提案する。
  • 多種類の処方が出ている患者さんには、「家に余っている薬の数がバラバラになっているようなら、こちらで数を合わせますよ☆」などと話して、流行りの残薬バッグをお渡しするなぁんてのも手段としてはGoodや。
残薬調整による重複投薬・相互作用等防止加算を算定の算定例
  1. マグミット330mg 1回1錠 1日3回 毎食後 30日分(状態によって自己調節可) の処方が出ていたが、残薬が20錠あることが患者さんの話からわかったため、疑義照会して、6日分処方日数を短縮してもらい、24日分にしてもらった。(残薬の数は20錠から2錠に減った)
  2. ロキソニン錠60mg 1回1錠 1日3回 毎食後 30日分 および ムコスタ錠100mg 1回1錠 1日3回 毎食後 30日分 の処方が出ていたが、残薬がロキソニンは10錠、ムコスタは13錠あることが患者さんの話からわかったため、疑義照会して、ロキソニンは3日分、ムコスタは4日分それぞれ処方日数を短縮してもらい、27日分および26日分にしてもらった。
  3. 数種類の処方が出ていた中に、メチコバール500μg 1回1錠 1日3回 毎食後 14日分の処方があったが、患者さんの話から42錠以上家に余っている薬があるのでいらないとのこと。疑義照会して処方削除となった。

これら全てで重複投薬・相互作用等防止加算を算定した。

処方箋には疑義照会の内容を記載。薬歴にも同じ内容の記録を残した。

メチコバール錠の処方削除に関してはレセプト摘要欄に”メチコバール錠500μg が処方量の全量以上の残薬があるため疑義照会の結果、処方削除となる”と記録した

けいしゅけ

繰り返しになるけれど、残薬の調整は医療費削減にも貢献できるので薬剤師が社会的にも評価を受けるチャンス。

積極的に取り組んでいきたいね。

2-2. 併用薬との重複投薬、 併用薬や飲食物等との相互作用、その他薬学的観点から必要と認められる事項による重複投薬・相互作用等防止加算の算定例

これらの算定に関しては完全に薬剤師の知識と力量が反映される。重複投薬・相互作用等防止加算の本来の算定要件はむしろこちら。

算定例をリストアップしてみるで。

2-2-1. 併用薬との重複投薬の例

  • A診療所でセルベックスカプセルが処方されており継続服薬中にもかかわらず、B整形外科から消炎鎮痛剤とともにムコスタ錠が処方されていたため、疑義照会してムコスタ錠が削除になる。
  • 同一のD整形外科からの処方であるが、投与部位が同じ腰であるのに1週間前にはモーラステープが70枚処方されていたが、本日ロキソニンテープが35枚処方された場合、患者が不要であると話したため、疑義照会してロキソニンテープを処方削除になる。
  • 皮膚科EからリンデロンVG軟膏が処方されており、残薬もある患者さんに皮膚科FよりデルモゾールG軟膏(リンデロンVG軟膏のジェネリック)が処方されていたため、疑義照会してデルモゾールG軟膏が処方削除になる。

2-2-2. 併用薬や飲食物等との相互作用の例

  • Gメンタルクリニックでハルシオンを処方されている患者に対し、H内科よりタガメット錠(シメチジン)が処方されていた。ハルシオンはシメチジンと同じCYP3A4で代謝されるため、代謝が阻害されて血中濃度が上昇、作用増強のおそれがあるため疑義照会してタガメット錠をガスター錠に処方変更してもらった。
  • グレープフルーツをよく食する習慣のある施設入居の患者にニフェジピンが投与されており、血圧低下作用が強く出ているようだったので、グレープフルーツによる相互作用を疑い、疑義照会をし一旦処方を中断することとなった。
  • 花粉症のためOTC(市販薬)でアレジオンを購入し継続服用中の患者にエバステル錠の処方があったため、疑義照会してエバステル錠の処方が削除になった。

2-2-3. その他薬学的観点から必要と認められる事項の例

  • 腎機能低下の血液検査結果をもって来局された患者さんに、ザイザル錠5mg1錠で処方がされていたため、疑義照会の結果用量が1/2に減量となった。
  • タミフルカプセルが3日分で処方となっている成人男性。今回が処方開始で特に3日後に受診するように言われてもいないとのこと。処方日数が短く治療に対して不十分と考え疑義照会した結果、処方日数が5日分に延長された。
  • 車の運転を日常的にする患者に、タリオン錠が処方されていたので、疑義照会してデザレックス錠に変更になった。
  • 抗生物質の処方に対して下痢の副作用を予見して、ビオフェルミンRなど耐性乳酸菌製剤を疑義照会の結果、処方追加してもらった。

けいしゅけ

ザックリやけど、例を挙げてみたで☆意外と身近に起こり得る事例が多いと感じたのではないでしょうか?

職能を活かした加算である重複投薬・相互作用等防止加算。この加算を取れるように日々薬学的な知識を勉強しておきたいものやね。

 

3. 無念!重複投薬・相互作用等防止加算を算定できない例とは?

最後に、主観もあるけれど、これは加算を算定するのは無理だろうという例を挙げておこうと思います。

  • 処方延長といっても、次回の受診日までの処方日数延長などといった処方箋記載のミスに関しては厳しいのではないだろうか?
  • 薬局の在庫がないという理由から処方変更を疑義照会して、あたかも薬学的観点からやりました、というものは不可能。てか、それは不正請求やん!!って気がする。
  • 処方箋の記載ミス。例えば 粉砕指示もなく、明らかにミスとわかる 「処方薬A 2錠を1日3回で服用」という処方を「処方薬A 3錠を1日3回で服用」 に訂正してもらう疑義照会。これを薬学的観点から算定を!っていうのはちょっとイタい。ガツガツし過ぎ。

けいしゅけ

まぁ、常識の範囲で考えて「これは別に薬学的観点で患者さんにメリットをもたらすで!って事にはならないな。」と思う処方変更は算定できないと考えたらええんとちゃう?

けいしゅけ

今回の記事はいかがでしたか? アナタのお役に立てていれば幸いです!

もし良ければコメント欄から記事を読んだ感想や、ご意見、ご質問など寄せて下さい☆

待ってます!!

3 Comments

たけ

処方削除はいいが 処方日数 数日減少で加算を取れる仕組みはなんかおかしい気がする。

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エマ

インスリン注射の本数が足りない場合(患者に残薬確認し、注射単位を計算しても明らかに足りない)、1本を3本に増やしてもらったときは加算、取れるのか、みなさん取っているのか、知りたいです!

返信する
けいしゅけ けいしゅけ

エマ 様
コメントありがとうございます。
これは加算を取れるものと僕は考えます。このコメント欄をお読みの先生方の薬局ではどうされていますか??
是非コメントお寄せ下さい。

返信する

けいしゅけはアナタのコメントを待ってます!書いてもらうと喜びます☆質問も大歓迎!真摯にお答えいたします!