まいど!水分補給を意識し過ぎた結果,水太りしがちな けいしゅけ(@keisyukeblog)です☆この記事では,ループ系利尿薬の代表格であるフロセミド(ラシックス®)について書いていくで~。
一緒に処方されることが多いスピロノラクトン(アルダクトンA®)についても記事を書いていますので併せて読んでみてください。
利尿薬の総論記事はコチラ


正直言って,フロセミド(ラシックス®)を調剤したことがない薬剤師さんっていないんちゃいますか??



でも,「 フロセミド(ラシックス®) について10分間ほど自由に語ってみてくださいっ,どうぞ~!」
って言われてペラペラ~っと語れる?



じ,自信ないでちゅ💦💦



ほんじゃ,一緒に勉強しよっか🎵
ループ利尿薬の作用点や フロセミド(ラシックス®) ならではの特徴を語っていこや☆
あなたの「 フロセミド(ラシックス®) って,結局のところ用量をどうやって調節するの??」といった疑問を解決する糸口が得られたら幸いです~☆
フロセミド(ラシックス®) 6つの特徴
- 薬用量の幅が広い
- 利尿作用は Dose-Dependent である
- 血管拡張作用がある
- 糖代謝・腎機能に悪影響を及ぼさない
- カリウムの排泄はチアジド系利尿剤より少ない
- 重大な副作用(頻度不明)として,ショック,アナフィラキシー,再生不良性貧血,汎血球 減少症,無顆粒球症,血小板減少,赤芽球癆,水疱性類天疱瘡,難聴,中毒性表皮壊死融 解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群), 多形紅斑,急性汎発性発疹性膿疱症,心室性不整脈(Torsades de pointes),間質性腎炎, 間質性肺炎の報告がある
フロセミド(ラシックス®) の添付文書&IF情報を調べてみる



タコちゅけ, フロセミド(ラシックス®) について勉強会していこか☆
ほんじゃ,いつものように資料を広げていこう!何を調べたら良いかというと…?



添付文書・インタビューフォーム・審査報告書(再審査報告書)でちゅね☆



せやね☆ついでに,医薬品リスク管理計画(RMP)もチラッとチェックしとこか~
フロセミド(ラシックス®) ってどんな薬?開発経緯から見てみよか
開発の経緯を構造式付きでTwitterにてつぶやいたので,それを載せます☆



メルサリル以降はスルフォンアミドを中心に開発が進められてきたみたいやな☆
出典:ラシックス®のインタビューフォーム
フロセミド(ラシックス®) の名前の由来



特におまへんっ!!



あらへんのかーーーーいっ!!
フロセミド(ラシックス®) の 効能・効果
高血圧症(本態性,腎性等),悪性高血圧,心性浮腫(うっ血性心不全),腎性浮腫,肝性浮腫, 月経前緊張症,末梢血管障害による浮腫,尿路結石排出促進
ラシックス®インタビューフォームより
フロセミド(ラシックス®) の用法・用量
- 通常,成人にはフロセミドとして1日1回40〜80mgを連日又は隔日経口投与する
- なお,年齢,症状により適宜増減する
- 腎機能不全等の場合にはさらに大量に用いることもある
- ただし,悪性高血圧に用いる場合には,通常,他の降圧剤と併用すること。
フロセミド(ラシックス®) の現在わかっている副作用や注意情報
(次の患者には投与しないこと)
- 無尿の患者[本剤の効果が期待できない。]
- 肝性昏睡の患者[低カリウム血症によるアルカローシスの増悪により肝性昏睡が悪化するおそれがある。]
- 体液中のナトリウム,カリウムが明らかに減少している患者[電解質失調を起こすおそれがある。]
- スルフォンアミド誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者
- 本剤の利尿効果は急激にあらわれることがあるので,電解質失調,脱水に十分注意し,少量から投与を開始して,徐々に増量すること
- 連用する場合,電解質失調があらわれることがあるので定期的に検査を行うこと
- 降圧作用に基づくめまい,ふらつきがあらわれることがあるので,高所作業,自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること
- 夜間の休息がとくに必要な患者には,夜間の排尿を避けるため,昼間に投与することが望ましい



へぇ,フロセミド(ラシックス®)の夕食後処方➤絶対ダメ!ってわけじゃないんでちゅね☆



うん🎵
大抵は朝食後に飲むねんけど,おしっこがほとんど出ないような状態の方には夕食後処方だってあり得るねん。
重大な副作用
- ショック,アナフィラキシー
ショック,アナフィラキシーを起こすことがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと - 再生不良性貧血,汎血球減少症,無顆粒球症,血小板減少,赤芽球癆
再生不良性貧血,汎血球減少症,無顆粒球症,血小板減少,赤芽球癆があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと - 水疱性類天疱瘡
水疱性類天疱瘡があらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと - 難聴
難聴をきたすことがあるので,このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
フロセミド(ラシックス®) の安定性についての情報
フロセミド(ラシックス®) の安定性についての情報をまとめておきます。
半錠にできますか?また,割線はありますか?



錠剤には真ん中に線が入ってるけどな,あれはデザイン割線やねんでっ!!
そやから,半錠にすることはできるものの自家製剤加算は取られへんわ。



えっあれ,割線じゃないんでちゅか!?
添付文書の『組成』について書かれている欄を見ることで割線があるかどうか?は確認可能です。
この欄にて「割線あり」と記載されていれば割線ありと判断します。
錠剤には割線らしきものがあるものの,記載がなければ割線なし➤デザイン割線なのだと解釈しましょう。
一包化できますか?



ここまで読んでて,どない?タコちゅけ。一包化できると思う?



ハイ,できると思いまちゅ!けど,患者さんには時間と共に錠剤が黄色くなっていくことがあるものの効果に変化なしと伝えましゅ🎵



よっしゃオーケー!!
丁寧な説明やね☆
フロセミド(ラシックス®) の体内動態について
フロセミドは肝臓ではほとんど代謝されません。
フロセミド(ラシックス®)を飲むと尿酸値が上がるのはなぜ??トランスポーターを学べば説明できるで!!
- NPT4(近位尿細管上皮細胞の管腔側膜に存在し,細胞から尿細管にむけて物質を輸送する役割を持つ。)を,フロセミドなどのループ系利尿薬やチアジド系利尿薬は阻害する。
- NPT4は尿酸を体の外に出そうとするトランスポーター



ラシックス®をダイエット目的で飲んだら尿酸値上がるからアカンで!と僕はしょっちゅう言うてるんやけど,そのメカニズムがこれや!
尿酸を体の外に出そうとするNPT4という名前のトランスポーターの働きをフロセミド(ラシックス®)などのループ系利尿薬は邪魔してしまうんや。



トランスポーターとの絡みで尿酸値上昇のメカニズムがわかるとは思ってなかったでちゅ!!



ループ系利尿薬やチアジド系利尿薬がNPT4( Na+ -phosphate cotransporter 4)の阻害薬になる訳やけど,こうしてフロセミドと尿酸を並べてみると構造アウトラインがそっくりやね☆



あれ?以前,尿酸について勉強した時はMRP4が尿酸排出に関係していて,ループ系利尿薬やチアジド系利尿薬はそれを阻害すると覚えた気がしまちゅ!



そのとーりっ!!MRP4はATP依存性に尿酸を尿管腔側に排出するトランスポーターやったね。こちらも確かに ループ系利尿薬やチアジド系利尿薬が阻害するねん。
一方で,NPT4は電位差を利用して尿酸を尿管腔側に輸送する。ちなみに,どっちかというとNPT4と尿酸の親和性は低いと言われているものの,ループ系利尿薬やチアジド系利尿薬がNPT4の基質で,強い親和性を持つために尿酸値上昇に影響があるとされているわ。
尿酸に注目するならMRP4,利尿剤に注目するならNPT4をチェックや!ってとこやね。



もはや,タダのオタクやな…。
フロセミド(ラシックス®) に関して僕が感じたこと(*あくまで個人的見解です)
あくまでざっくりした情報まとめとなりました。
フロセミドがNPT4というトランスポーターを阻害することによって,尿酸の排出を邪魔してしまうというメカニズムがわかったのは面白かった。
- ラシックス®添付文書
- ラシックス®インタビューフォーム
- 新版 薬の相互作用としくみ
けいしゅけイチオシ勉強サイト
今回の記事はここまでや☆
最後まで読んでくださってホンマおおきにっ!!お時間を使って読んでくださったことに心から感謝申し上げます!
\最新記事をメールでお知らせするで/



この記事の感想をコメントしていただけるとメッチャうれしいです!!
ご意見&ご質問も遠慮なく書いてください☆皆さんとの対話を楽しみにしています☆
下のボタンを押すとコメント記入欄へジャンプできますよ~!!



ウチのけいしゅけはSNSもやってまちゅ!良ければフォローしてやってくださいでしゅ💛
Twitterでけいしゅけをフォロー
けいしゅけFacebookにいいね!
記事の感想など,ひとこと頂けますか?
コメント一覧 (2件)
新人薬剤師です
とても参考になりました。
ありがとうございます
SN様
わわわっ
ありがとうございます!!!
そう言っていただけることに感激ですっ!!!
また色々と書いていこうと思っておりますので、今後ともよろしくお願い致しますっ!!!