ACCORD試験 の結果は知っておこう!【HbA1cは無理に下げなくていい!7以上でもええねん】糖尿病治療の正しい知識

【HbA1cが7以上でもええの?】糖尿病治療の知識でACCORD試験の結果は知っておこう!

ACCORD試験 の結果は知っておこう!【HbA1cは無理に下げなくていい!7以上でもええねん】糖尿病治療の正しい知識

EBMを勉強し始めてから、ひとまず糖尿病系の論文を読むことにしている。SGLT2阻害薬の関連論文を読んでEBMの勉強を本格化したのがキッカケやねんけど、やってみたらおもろい。

ほんだら、まずは糖尿病薬を攻めてこか?詳しくなってまおうやんけーーーーぃっ!ってなわけで、今回は糖尿病の論文では非常に有名なACCORD試験を取り上げてみるで☆

ACCORD試験の概要と結果をひとまず知りたい方のためにダイジェスト版を提供しますわ

ACCORD試験概要

2008年6月に発表された。

臨床試験の正式名称

Action to Control Cardiovascular Risk of Diabetes

論文の名称とPub-Med ID(PMID)

  • Effects of Intensive Glucose Lowering in Type 2 Diabetes
    The Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes Study Group*
  • PMID:18539917

この論文の結論の簡易版まとめ

厳格な血糖管理は短期間においては大血管症を減らさず、それどころか低血糖によるイベントリスク上昇という悪影響が増える可能性を示した臨床試験であーる☆

ざっくりやけどこんな試験ですわ。

それでは、ここからガッツリとEBMの勉強を兼ねてACCORD試験に関する論文、Effects of Intensive Glucose Lowering in Type 2 Diabetesを読み込んでいこうと思いますッ!ほな、いきまっせ~🎵

問題の定式化

それでは、いつものとおり、問題の定式化からはじめていこかぁ~。

問題の定式化:PECO(PICO)を書いていくでッ!!

  • P: HbA1cの中央値が 8.1 % である 10.251 人 の患者さん(平均年齢 62.2 歳、女性が 38 % 、参加者の35%は以前に心血管イベントを経験している)が
  • E: HbA1c 6.0 % 未満を目標とする厳格な血糖コントロール治療を受けた場合に
  • C: HbA1c 7.0 % ~ 7.9 % を目標とする標準的な血糖コントロール治療を受けた場合と比べて
  • O: 心血管イベントを減少させることができるのか? 

けいしゅけ

今回のPECO(PICO)はこんな感じでどうやろか?

論文のチェックポイント6項目を書き出すでッ!!!

  1. ランダム化されているか?➡ ランダム化されている(Methodsの最初に書いてる)
  2. 1次アウトカムは明確か?(1つに限定されているか?)➡  明確である。[MACE:心血管系有害事象(非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心血管イベントによる死亡)・・・複合エンドポイント]  ※複合エンドポイントやけど、Methodsに「The primary outcome was~」と単数形で書かれており、エンドポイントは複合アウトカムとはいえ1つに絞ってあるので、明確であると判断しました。
  3. 真のアウトカムか?➡ 心血管イベントは 1 次的な数値ってものではないし、生命に関係するものやので、真のアウトカムだと言える。
  4. 盲検化されているか?➡ オープンラベル。盲検化はされてない。
  5. 解析方法は?➡ ITT解析(STATISTICAL ANALYSISの 3 段落目の 2 行目に書いてる)
  6. 追跡期間・状況は?➡ 平均追跡期間は 3.5 年 介入期間中、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、または心臓血管イベントが723人の患者で生じ、種々の原因により460人の死亡があった。データおよび安全性監視委員会によってレビューされたデータでは、過去12ヶ月間の患者の97.8%において生存状態が確認された。50人の患者(0.5%、厳格治療群では26人、標準治療群では24人)が追跡調査に失敗し、162人の患者(1.6%、厳格治療群では84人、標準治療群では78人)が同意を撤回した。同意を撤回したか、またはフォローアップに失敗した患者の平均経過観察時間は、厳格治療群で1.2年、標準療法群で1.0年であった(P = 0.22)。

タコちゅけ

先生っ、血糖コントロールによって心血管イベントを抑制できるのか?を調べてんはるのに、集められた患者さんの中には以前に心血管イベント経験者をそれぞれの群に約35%入れたのは何でなんでちゅかねぇ?そこがひとまずわからへんのでちゅよ~。

けいしゅけ

タコちゅけ、それ僕も思ったわ。個人的に思たんはな、心血管イベントを起こしたことがある人ってまた起こす可能性があるやん?そんなリスクが高い人にとって、血糖コントロールを厳格にすることによってイベント抑制の恩恵が受けられるのか?って実臨床的な結果もこの試験は追い求めたんとちやうやろか?そやけど、それならそういう患者さんだけの試験をやってほしかったもんやけどね。

論文の結果を書き出すど~ッ!!!

1次アウトカム(仮説検証型のアウトカム)

複合アウトカムが起こった例数と割合、ハザード比などを書き出していこう。

結果は、

E群(厳格治療群 n=5128)では352例(6.9%) に対し C群(標準治療群 n=5123)では371例(7.2%) であり、

ハザード比は0.90(95%信頼区間[ 0.78 - 1.04 ] 、 p=0.16)

NNT=334人/年

けいしゅけ

意外にも有意差なしやな。これだけみりゃ、厳格に血糖コントロールした方がええやんって雰囲気で出てるやんか。

 

2次アウトカム(仮説生成型のアウトカム)

それでは、複合アウトカムの各項目についてのアウトカムを見ていこう。

非致死性心筋梗塞

E群(厳格治療群)では186例(3.6%) に対し C群(標準治療群)では235例(4.6%) であり、

ハザード比は0.76(95%信頼区間 [ 0.62 - 0.92 ] 、 p=0.004)

NNT=100人/年

心血管死

E群(厳格治療群)では135例(2.6%) に対し C群(標準治療群)では94例(1.8%) であり、

ハザード比は1.35(95%信頼区間 [ 1.04 - 1.76 ] 、 p=0.02)

NNH=125人/年

非致死性脳卒中

E群(厳格治療群)では67例(1.3%) に対し C群(標準治療群)では61例(1.2%) であり、

ハザード比は1.06(95%信頼区間 [ 0.75 - 1.50 ] 、 p=0.74)

NNH=1000人/年 (*ただし、有意差なし)

 

タコちゅけ

先生、この結果は僕にはようわかりませんわ。どういう事なんやろう?

 

けいしゅけの考察:論文の結果から得られた情報を吟味していくでッ!!!

けいしゅけ

まず、1次アウトカムに関しては有意差が出ていない。ただでさえ複合アウトカムやのにね。

ただし、2次アウトカムが仮説生成型の結果と言えど非常に興味深い結果を出しているねん。

ひとまず、厳格血糖コントロールによる脳卒中への影響は、関係が無さそうやなという事。これはけっこう間違いなく関係なさそうやね。

一方で心筋梗塞は厳格に血糖コントロールをすることで減らすことができるねん。これは嬉しい結果に思える。

しかし!しかしよ。

心血管死のリスクは増大するねん!

薬物治療において最も大事なのは、その治療を受けることで余命が延びる事やんね?(それを望まない人もいるけど、ひとまず医療を施す側の立場から言えばこの主張はムチャクチャは言うてないやろ?)

となると、

HbA1cをとにかく低くしろーーーー!!!!!っていう治療は患者さんの余命を短くする可能性がある。

この仮説は非常に僕たち薬剤師にとっても考えさせられる結果なんとちやうかなぁ。

 

タコちゅけ

そうかぁ、そう考えればええんでちゅね。

僕は今までHbA1cって熊本宣言の

NGSP値

HbA1c値 6%未満 血糖正常化のための目標

食事・運動療法のみの人はこの数字が目標です。お薬を飲んでいる人も低血糖を起こさないのであればこの数字をめざしましょう。

HbA1c値 7%未満 糖尿病の合併症を予防するための目標

お薬をのんだり、注射をしている人の目標です。とにかく7にならないことと覚えてください。この数字を超えると糖尿病の三大合併症(神経障害、網膜症、腎症)の可能性が増えてしまいます。

HbA1c値 8%未満 治療がなかなか難しい人のための目標

お薬を強くすると低血糖を繰り返したりするような治療の難しい人でも最悪8%は超えないようにしましょう。

これを患者さんに伝えればええと思ってたんでちゅ。

ホンマに今回のACCORD試験の結果は衝撃的でしゅわ! 

 

ACCORD試験の結果は患者さんに適用できるやろか?

今回の結果は確実に服薬指導の仕方を考えさせられるものなんではないだろうか?

少なくとも、僕はこれを読んで、HbA1cを低く低く保つんや!とはよう言わんかなぁと思えた。

こういったエビデンスが当たり前に世の中に広がって、患者さん自体が常識として知ってくれるようになったらええなぁ。そう感じました。

糖尿病薬に関する論文、おもろいのでこれからも読んでいこうと思います!

けいしゅけ

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